アルバイトとサスペンダー前編
「では、皆さん集まってくださーい!」
の掛け声でアルバイトの制服を着て集合した。
「…なんでお前だけサスペンダーしてきたんだあっっ!!!」
ていう夢を見た。
なぜだろうかと考えていたら、昔同じようにでかい声で怒鳴られたことあったなと。
学生時代、ポンコツは家ではなんもしないくせに色々なアルバイトに手を出した。
1番最初にしたのは父の知り合いのガソリンスタンドだった。
給油口のキャップを車の上に乗せたまま、閉め忘れるミスを何回もやった。
その為、父の知り合いの店長さんはいつも
と裏の部屋にポンコツを追いやった。そこには
店長の奥さん手作りのあったかいおにぎりが用意されていた。また食べたいなあ。
そこにいた大学生のバイトの兄ちゃんがよく、アメ車の素晴らしさを教えてくれたりしてたけどよくわからなかった。
とにかく幸せだったが、スタンドの閉鎖と共に(ポンコツのせいか…?)お別れになった。
そしてその後に始めたのは、ゴルフ場の打ちっぱなし練習場の中にある喫茶店だった。
何もできないポンコツはそこで、ベテランのおばちゃんに色々なことを教わった。
中でもヒットしたのが、ホットドッグの作り方。
パンにからしマヨネーズをたっぷり隙間無く塗り塗りして、切り込み多めにいれたソーセージを挟み、トースターで焦げるか焦げないかの瀬戸際の焼き加減で焼く。それがめっちゃうまい。
その練習場には個室があったので、お忍びでタモリさんや、丹羽哲郎がよく来ていた。
丹羽さんは必ずホットドッグを頼む。
この極めに極めたポンコツドッグを食べたら、
「いや〜美味しかったよ〜」
と、丹羽が言ってくれた。嬉しかった。しかしながらここでも、ポンコツはポンコツであった。
2年くらい勤めて気が緩まってきた高校生ポンコツはこのバイトを仮病で休んだり遅刻したりすっごい迷惑をかけまくった。
そしていつも社員の塩田くんに怒られていた。ポンコツの専門学校に行くことが決まり、みんながお別れの色紙をくれた。そこに書いてあった塩田くんからのメッセージは
その後はクレープ屋さんとか、お祭りのテキ屋、バドワイザーとか色々楽しかった。
そして、専門2年生頃、単発の派遣のバイトを始めた。1人でスーパーや、モールなどに行き、試食や試飲コーナーでのお仕事だった。
何度か経験して、ポンコツはもう試食をオススメするプロとなっていた。
はずであった。
後編へ🙏