航空学生3次試験合格者が不安に思うことって大体一緒のようだ
JABです!(@zeroriderjab)
航空学生3次試験、つまり航空学生試験をすべて勝ち抜いたTwitterやInstagramのフォロワーさんたちから、ご報告の連絡をたくさんいただきました!
改めまして、おめでとうございます!!
「JABさんのおかげで~」とか、「いろいろ相談に乗ってくれて~」とか皆さん嬉しいことを言ってくれましたが、私は特に何もしてないのですべて本人の努力の賜物だと思ってます。
あっ、アプリはもしかしたら結構お役に立てたのかな・・・?
ちなみに最近リリースしたのは↓↓↓
宣伝はさておき、、、
2022年度航空学生(主に航空要員)の試験を突破した方々からも引き続き連絡をいただくことがしばしば。
3次試験合格から入隊まで何をすればいい?
ご連絡いただく内容で一番多いのが、
ということです。
これらは現職パイロットに聞ければ一番いいと思うんですが、自衛隊という特性上、空自パイロットが多くの人の相談に乗るなんて現実的でないので、私のような人間の元にご連絡いただくしかないんでしょう。
(現職空自の方、採用担当の方、こういった窓口作ったらいいんじゃないでしょうか?)
話を戻して、「入隊まで何をすべきか?」と質問されると、私としてはかなり難しい。
なぜなら、時代も変わっているだろうし、空自パイロットとして必要な要素や知識技量も変わっているでしょうから・・・
そして何より、私は今民間企業で会社員をやりつつ、自分の会社運営をしているという状況なので、どうしてもそこで醸成されてきた「自衛隊以外での常識」「自衛隊以外での価値観」があるからです。
とはいえ、本気で心配している方々からの相談なので、私が思う範囲、経験から言える範囲で真摯に答えるように努めています。
まずは健康管理・体力づくり
「飛行機のこと、自衛隊のことを勉強したほうがいいのかな?」などと思う方々もいるかも知れませんが、そもそもそれは入隊後に嫌というほど勉強するし、普段の隊内生活や訓練の中で叩き込まれます。
だから最も大事なのは「着隊まで最低でも今(合格時)の健康状態を維持すること」だと思います。
入隊前に大怪我したら、入隊早々訓練に参加できなかったり、最悪の場合合格取り消しになる可能性だってあるわけですから。。。
それを考えると、最低でも現状と同じ健康状態で入隊を迎える必要があります。
もう一つ、「体力づくり」はしておいて損はないです。
今はわかりませんが、私が航空学生のときは結構運動系が多い訓練です。
カリキュラムに入っているように、持続走(中・長距離走)や遠泳訓練などもあります。それ以外にも日常的に腕立てなど筋トレ系もやります。
私は学生時代にボクシングやバスケをかなり本気でやっていたこともあり、体力には自身があったし、持続走は得意なほうだったので、体力的にはそれほど苦労しませんでしたが、あまり運動をしてこなかった方がいるとしたら、今のうちにある程度体を作っておくといいかなと思います。
羽目を外しすぎることなく、今を楽しんで!
特に現役合格された方々は、現在高校生でしょう。1浪していても大学生。
どう考えても人生の中で楽しい時期ベスト3に入るくらいの時期です。
そして、入隊というか着隊(着隊は入隊の1週間位前かな?)してからは、今までの自由がなくなり、常に誰かの監視の目を受けているような、そして秩序を重んじる組織での生活になるんです。
今のうちに、やりたいことややり残したことは全てやっておくくらいのマインドで学生生活を楽しんでほしいです!
シャバでの生活を満足行くまでやりきった人は、心機一転自衛隊生活を受け入れることができると思います。それどころか新しい世界で「楽しい」とまで思えるんじゃないかな?なんて思います。
だからといって、羽目を外しすぎることはないようにしてほしいです。
最初に行った「健康管理」の視点からもそうですが、間違っても犯罪になるようなことはしないでね、と。
一発で合格取り消しどころか、人生棒に振ることになるので。
やりたいことはやりきりつつ、節度を持って生活してほしいと思います。
飛行機の勉強なんて必要ないと思う
そもそも3次試験をクリアしたということは、ある程度飛行機の動きもわかるし、操縦センスもあるということでしょう。要は「飛行適性あり」と判断されているわけですから、これ以上現段階で飛行機の勉強なんてしなくていいと思います。
一般の世界で得られる情報では、全てが正しい情報ではありません。
それなら飛行機に関する勉強は「飛行準備課程」に入ってから本気でやって最初から正しい(自衛隊として)知識を吸収していったほうが効率がいいんじゃないかと思います。
強いて言うなら英語の勉強
これは「航空管制が聞き取れるように」とか言う理由ではありません。
もちろん管制用語は英語が基本なので、必要なんですがそれも入隊してからの地上教育や実際の飛行訓練の中でできるようになっていきます。
ここで行っているのは「世界に通用する英語」です。
難なく会話ができるくらいになってたら、必ずパイロット人生の中でも大きなプラスになるし、何より選択肢が大きく広がるんじゃないかと思います。
空自もレッドフラッグアラスカやコープノースグアムといった、海外訓練や演習に参加する機会もあります。
私が三沢で勤務していたときは、隣にUSAF(アメリカ空軍)がいて、DACT(異機種訓練)などもあります。
特に、海外演習への参加を希望している人は、参加資格の要件にも英語がありますので、そもそも英語の試験を受け、合格していなければどれだけ腕のいいパイロットでも参加資格すら与えられないんです。
「めっちゃ強くても、土俵に上がれなかったら意味がない」
私はそう思います。(もちろん、英語能力だけでなく、他の都合で参加しない人もいますが。)
もし時間に余裕があるのであれば、英語の勉強をしてTOEICを受けておくなどするときっと後々役に立ちます。
そういえば、航空学生のときも「英語の日」があったなぁと。
社会を知っておく
これは私が戦闘機パイロットをやめて気づいたことです。
自衛隊に入ったら、特にパイロット要員としてであれば、日常生活が完全に自衛隊、飛行機、操縦にキャパの殆どを持っていかれます。(そして知らず知らずのうちに染まっていきます。)
飛行機のことは入隊後からで十分。であれば、今一般人のうちに、一般常識と呼ばれることはもちろん、法律のこと、保険のこと、税金などお金周りのことを学び、さらにビジネスのことも吸収しておいたほうがいいです。
私のように途中で辞める場合だってあるわけで、そうでなくても退職が早い自衛官だから人生100年時代と言われる現代では、「退職後=まだ人生折返し」になるわけです。
その時、年金がどれほど支給されるか、退職金はどのくらいもらえるかなど、正直なところ誰も予想できない状況だと思います。
そうなると、退職後(定年だろうが中途だろうが)も最低限自分の望む生活ができるくらいの資金政策は今から準備しておいたほうがいいかなという個人的感想です。
入隊前にこのあたりをしっかり学んでおくのは「パイロット人生」ではなく「人生全体」にとってかなり大きな財産になると思うので、入隊までに学んでおくといいんじゃないかと思います。
きつくても、楽しいと思える
今は「未知の世界」に感じる航空学生の生活やパイロットの生活だと思います。だからこそ不安も大きいんだと思います。
でも、よくよく考えてみると、現職パイロットの人だって航空学生入隊から部隊に行くまで半分も脱落するわけじゃないんですよね。
確かに、その当時はきついと感じることももちろんあるんですが、例えば「戦闘機パイロットになる」という夢であれば、4~5年歯を食いしばるだけで、長年の夢が達成されるし、何より自分の努力次第でその確率を上げていけると考えると、それほどハードルは高くないと思います。
むしろ、受験の高い倍率を勝ち抜くほうがハードル高かったんじゃないかなとw
内定を勝ち取ったわけですから、あとは実際に入隊したあとに考えれば良くて、
くらいの気持ちで、いればいいんじゃないかな?と思います。
きつい生活になるとは思いますが、最終的には楽しいと思える、やりがいのある世界だと思います!!
最後に、改めて、合格者の皆さん、おめでとうございます!!