そこ知り!018 赤ちゃんとの肌と肌の触れ合いで、産後のママの気分が落ち着く?
適切なベビーウェアリングに関する文献紹介や役立つ知識をお届けする「JaBAのそこが知りたい!」通称「そこ知り!」。当団体会員限定の内容を有料(200円)で公開している記事になりますが、前半のまとめ部分はどなたでも無料でお読みいただけます。
そこ知り!018では、少し古い2012年の論文ですが、skin-to-skin contact*(SSC)による、正期産児の母親のメンタルヘルスへの影響を調べた研究を読んでいきます。著者はカナダの心理学者らです。
*skin-to-skin contact:乳児をおむつだけにして、母親の胸に肌と肌が触れ合うように抱き、親子は全体を布などで包まれる状態。
Effect of Mother/Infant Skin‐to‐Skin Contact on Postpartum Depressive Symptoms and Maternal Physiological Stress.
著者:Ann Bigelow. Michelle Power. Janis MacLellan‐Peters. Marion Alex. Claudette McDonald.
雑誌:Journal of Obstetric, Gynecologic & Neonatal Nursing
NICUで安全に実施可能な場合に行われるカンガルーケア(Kangaroo Mother Care:KMCとも言います)と同じような方法で行われるSSCは、乳幼児における効果は多く研究されていますが、母親側への効果についての研究は少なかったそうです。
参考
KMCは母親およびその他のケア提供者との皮膚と皮膚の接触を含む新生児ケアの一種で,低出生体重児(2.0 kg 未満)では児の状態を安定させたあとに開始すると死亡率が低下する。(WHO KMCスタディーグループ、New England Journal of Medicine)
1.この研究の目的
母親の産後3ヶ月間の産後うつ、および、産後1ヶ月の心理的ストレスに対し、SSCがどのような効果があるか検証すること。
2. 結果のまとめ、この論文の結論
結果
SSCを行った母親のグループ(SSC群)は、行っていない母親のグループ(対照群)に比べ、生後1週、1ヶ月時点でうつ症状のスコアが低く、2、3ヶ月時点では差がなかったそうです。また、唾液中のコルチゾル(ストレスを感じているとき等に分泌されるホルモン)の生後1週間から1ヶ月の値を引いた減少の差が、SSC群で大きかったそうです。
この論文の結論
母子のSSCは、産後の母親の抑うつ症状や生理的ストレスを軽減することで、母親にメリットをもたらす有効な介入となり得る。
更に、この研究について詳しく知りたい方は、続きをどうぞ!(つづきは有料記事となります。)
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