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感じるタイ語🇹🇭#30 一人称について

少し前から記事タイトルを「感じるタイ語🇹🇭」に統一してみました。
私は、初めてのタイがいきなり居住で、かつバンコクではない場所に住んでいたため、タイ語を身につけないと生活が無理!に近い状況。聞こえてくるタイ語を必死で追いかけていたら、学校やテキストで学ばないまま、そこそこ身についていました。
言語習得の方法が、いわゆる「勉強」ではなく、場面におけるニュアンスを感じ取りながら、の繰り返しだったため、自分のタイ語理解が(良くも悪くも)感覚的であることに気づき、「感じるタイ語🇹🇭」にしてみた次第です。(なので、学習者だったら普通に知ってる、みたいなことを知らないこともきっと多い。)

先日またnoteで嬉しい出会いがあり、
そこで話題に上がったタイ語の一人称についてお話ししたくなり、これを書いています。

タイ語をやり始めてとりあえず習う一人称は、男性はผม(phom)ポム、女性はดิฉัน(dichan)ディシャン(丁寧)、 ฉัน(chan)シャンというのが定石かと思うのですが、

男性のผมはかなりオールマイティで、どんな場面、どんな相手でも使えます。例外は相当特殊な場面以外ない!と言い切れる!
んですが!これがですね!女性の一人称となると!むっちゃ難しい!状況次第!何使っても違和感しかない!と言うのが私の個人的感想でして。。

タイ暮らし数年経つ頃、(女性である自分自身の)一人称の選択の難しさに「これマジ何?!」ってなり、タイ人夫に質問するも、「'◯◯(自分の名前)'を使えばいいじゃないか」と雑に答えられました。

日常生活で友人、知人とばかり話す環境だと、自分の一人称=自分の名前、が1番使う。使い勝手がいい!外国人として、年齢の上下の枠組みに取り込まれすぎていない(意識はするけど、その作法に完全には従わなくても違和感がない)状況だと、もう相手がどんなに年下でも年上でも、「花子(仮)は」語りが1番フラット!そんなことは知っている、知っているんですよ!でも相手が知らない人だと話が違うのよ!

だって!知らない人と話す時に、「私は」っていうところを「花子は」とか言い出したら、「え、花子、、誰?え、お前のこと?え?つか名前聞いてないけど、一方的に知らされた。何?」ってなるじゃないですか?!(私の拗れっぷりが露呈?)

百歩譲って、私がタイ人だったら、タイ人名とか外国人名でも「名前」と認識しやすい一般的な名前だったらそれもシラッと乗り切れたかも知れないんですが、外国人全般にまあまあ聞き取ってもらいにくい名前でして、それをいきなりぶつけた時のややこしさとか、想像するだけでイチイチメンドクサイ。。

自分の名前を一人称として使うという選択をする前に、じゃあなんで一般的な女性用一人称だと違和感があるのか!私なりの感覚をここで説明!させてください!!(長くなる予感。。)

ดิฉัน (dichan) ディシャン 「私」
なかなかにオフィシャル。大勢の人の前で話す時などに使用するイメージ。相手が不特定多数なイメージ。

ฉัน (chan) シャン 「私」
急にカジュアル。仲良しの人としか使わないイメージ。「アタシ」くらいの感じかな。会社の人とかに使われるの想像すると違和感あるな。親しい人なら社内でもOK。

หนู (nuu)  ヌー 「(自分が相手より年下の場合の)私」
本来は「ネズミ」。子供(男女共)が大人やお兄ちゃんお姉ちゃんに向かって使う「私」。女性のみ、大人になっても年上や自分より身分が上の人に対して使う。男性は子供の時のみ。小学生くらいまでしか使わないイメージ。

พี่ (phii)  ピー 「(自分が相手より年上の場合の)私」
年上の人を「お兄さん/お姉さん/先輩」と呼ぶ時の呼称でもあるけど、自分のことを「お兄ちゃん/お姉ちゃんはさー」みたいな感じで一人称呼びにも使える。明らかに年下の人相手なら使える場面もあるけど、微妙な場合使えない!これは男女共通。

เรา (rao) ラオ 「私」
本来は「我々、私たち」なんだけど、自分だけを指す一人称としても使う。「うちら」(とは言え、指してる範囲は自分だけ)みたいな感じかしら。なので、カジュアルです。知らない人相手にも使えないこともないんだけど、ちょっといきなりざっくばらん感は出ます。(明らかに「私たち」として使う場合は問題なし) 男女共通。

เขา (khao) カオ 。。。「私」
本来は「彼/彼女」なเขา、これもカジュアルな「私」として使います。私がこの用法に気づいたのが10数年前かと思うんだけど、動揺したよね。え?彼=私、用法何?!ってw 「うち」みたいな感じですかね。あんまり自分感なく私は感じます。「思うんだけどさー」みたいな感じで「自分感」が漠然としている感じに感じます。(説明が曖昧なのは自覚😂) 男女共通。でも女性が使うことが多い気がする。タイ人男性とあまり話さないからか?

ขาพเจ้า (khaap-jao) カープジャーオ 「私」
普段使う訳がない一人称。なんか昔政府系機関での通訳をさせてもらった時にしか使ったことないです。とりあえず書いてみました。男女共通。


などと!逡巡し続けて数年経った頃!Facebookでこのような投稿を発見して!ネイティブも同じ感覚だったことに、一気にタイの全女性と同志になった気がしました!

え?訳した方がいい?
ですよね。。。(長くなりすぎてるのを懸念)

いきまーす!

「世界が震撼する問題。ジェンダーバイアスの問題でもある。

『女性のみなさん、自分の一人称何つこたらいいねんってなったことないですか?
หนู-子供すぎる。パワーがない感じ
ดิฉัน-veryオフィシャルすぎ。場合によるけどやっぱ違う
นี่-ちとinformalすぎる
自分の名前(ニックネーム)-なんで名前言わなあかん?ってなる
กู-ちょっと世間知らず過ぎる
ดั๊น-ありえないと散々非難された
マジでこれは国家問題』」

雑に訳しました。
(ดั๊นは聞いたことなかったのですが、どうやら一昔前に一時期そういう呼称(ดั๊น/เดี๊ยน)が流行った?ことがあった模様)

ということで、国家問題だそうなので(ウソですよ)、外国人女性の私は引き続き、その場その場で自分が選んだ一人称が適か不適か悶々とするタイ語ライフを送りたいと思います。

それにしてもこうして見てみると、タイ語における女性の一人称は、話をしている相手との関係性による、相手との関係性次第でしかないではないか、と気が付きました。

言語と社会と個人の意識、ってやはり切っても切れないなあ、と改めて。もっと深掘りできそうですけど、長くなりすぎたのでこの辺で!

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