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フグと記念日
事あるごとに、私たちはフグを食べに行く。
彼と付き合いはじめて最初のクリスマス、私たちは今は亡き豊島園を訪れていた。
イルミネーションと、確か花火を見に行った気がする。
夜ご飯を決めていなかった私たちは、
何を思ったか 豊島園近くの 玄品ふぐ という飲食店に赴いたのである。
私は、ほとんどフグを食べたことはなかったのだが、てっさを食べたあの瞬間から、フグに恋をした。
彼は以前からフグを好んでいたらしく、
以降私たちは記念日やイベントがあると、3回に1回くらいの割合で自然と玄品ふぐに伺うようになった。
玄品ふぐを初めて食べに行ったあの時から、はや3年半。私たちは付き合ってから丸4年を迎えた。
仕事の関係から、4年のお祝いは前倒し。
新橋で玄品ふぐをいただいた。
初めて玄品ふぐに行ったのは、大学3年生。
そして、今は24歳。
あっという間の4年間だった。
大きな喧嘩をしたのは、たしか3.4回。
こんなに少ないのは、彼氏の包容力のおかげだ。
残念ながら、私たちと飲食店は相性が悪いらしく、1、2回目の私の誕生日に行ったフレンチやイタリアン、大学時代の行きつけの居酒屋はすでに潰れている。
だから、私にとって玄品ふぐは特別な存在だ。
私たちの歩みとともに、玄品ふぐは存在している。
10年後、20年後、
私たちは 今まで行った玄品ふぐの店舗名 山手線ゲームをできているだろうか。
(30代の大の大人がやることではないのかもしれないが)
おそらく私が圧倒的勝利をするはずである。
(普段、記憶力は悪いくせに彼との思い出に関する記憶力はピカイチだ)
フグ料理の店は、世の中に数多ある。
しかし、私にとってのフグ料理屋は、玄品ふぐで、唯一無二の存在である。
飲食店の存在価値は、
ただ食事を提供するだけでなく、
思い出を一緒に作ってくれることであると、
今更ながら、改めて認識している。
また、来年もふぐ食べようね、と
彼は見ていないがここで願ってみよう。