第1期麻雀リーグFC観戦記・第22節

こんにちは。麻雀リーグFC広報部です。ついに9/11(日)より対局がスタートした第1期麻雀リーグFC。第1期麻雀リーグFCは雀魂の強豪・プロ雀士・Vtuberで構成された12チームが頂点を争うレギュラーシーズン全30節60試合のチーム戦です。

本日は11/23(水)に行われた第22節の第1試合、第2試合からそれぞれ1卓ずつピックアップした観戦記をお届け致します。

対戦組み合わせと出場選手はこちら。

注目カード

・第1試合B卓

いよいよリーグ戦も終盤というところに入って迎えた本節。
8位ぽんてんがボーダー直上、5位のライジングサンもまだ油断はならない。
一方でGOLDEN BODENSと優曇華の花にとっては大チャンスの一戦だ。
なんとしてもボーダーに近付くためにこの直接対決をものにして大きく差を詰めたいところ。一方でリーグ運営に携わる3人の対戦という要素も。

・第2試合C卓

GENESISとしては首位のるなすぺを落とせると総合首位も見えてくる。終盤につき直対の機会も少なくなってくるので、より上の順位を狙う意味では重要な試合となるだろう。
また個人成績で苦しんでいるjustice@選手とねじまき鳥@選手にも注目。両選手ともこれまでトップがなく、少なからず気にしている部分はあるかもしれない。1回トップを取っておくと精神的に楽になるため、トップを渇望する思いは他の選手よりも強いはずだ。

本記事では第1試合B卓第2試合C卓をピックアップしていきます。

第1試合B卓

試合経過

東2局、刃金しろがね選手が跳満をツモって大きく抜け出すと東3局にも満貫をツモって独走態勢を築く。
南場に入るとざんく先生選手が反撃を開始。
南1局に4000オールをツモると1本場のリーチこそ刃金しろがね選手に躱されるも南2局には混一色で仕掛け、ヨプ選手の親リーチの現物待ちで満貫を和了。そして南3局1本場、一発ツモでついに逆転に成功する。
しかしオーラス、ペン7pのテンパイを入れているところにヨプ選手の待ちの發を掴んで5200の放銃。これで再び着順が入れ替わり刃金しろがね選手の今季初となるトップで終局となった。

勝負を分けたハイライト

激突する執念(南3局=あさひなライジングサン、あさひなひなた選手)

なんとしてもトップが欲しいGOLDEN BODENSのざんく先生選手だが自分の手はまだアガリの形は遠そうだ。一方で親のあさひなひなた選手からは1sの対子落とし、上家の刃金しろがね選手は字牌から真っ直ぐ切った後に7mをツモ切っている。この2人に速度負けしていることを感じ取ったか。ブロックも不足、打点も逆転には至らないながら6pの両面チーで発進する。

オーラスの条件、この局の和了率、全てを加味した発進

ここで2000点をアガればオーラスに3900出和了りの条件が作れることをしっかり意識して最善への妥協点を見出した一打だ。
この狙いが見事にハマって10巡目に一番乗りでテンパイを果たすと13巡目、赤5mを引き込んで逆転の満貫テンパイとなる。6pリャンメンチーの執念の発進に牌が応えたか。

執念で引き寄せた赤5m、当然シャンポンテンパイにとる

なんとしてもラス目から抜け出したい親のあさひなひなた選手もテンパイを果たす中、3着目のヨプ選手もテンパイ。直前に待ちの3pの3枚目が切られ残り1枚。役ありテンパイだがリーチに踏み切ったのはチーム状況ゆえか。仕掛けている2人は止まらないという読みもあっただろう。

0枚山リーチであっという間に放銃となってしまった

皮肉にも最後の3pは既に山になく、一発でドラの5mを掴んでしまう。
観戦していた筆者はざんく先生選手への満貫放銃か…と思われたがこの牌はあさひなひなた選手の当たり牌でもあった。頭ハネで2900のアガリとなり、ライジングサンは逆転で3着に浮上し、ぽんてんにとっても救われるアガリとなった。

牙を剥く逆襲のヨプ(南4局=優曇華の花・ヨプ選手)

ヨプ選手はなんとしてもトップが欲しい一戦だったがこうなってしまったら何としてもラスだけは回避したい。
幸いこの手は逆転条件の出和了り3900条件を満たしている。あさひなひなた選手の初打の南をポンして発進する。

ラス回避へ、まずは南がポンできて順調な発進だ

一方のざんく先生選手は直前についに逆転でトップに立った。なんとしても軽くアガってトップで終局したい。
6巡目に8p、5sのシャンポン待ちでテンパイを果たすが問題は下家のヨプ選手の仕掛けだ。間違いなく引かないだろう。待ちも良くない。
ダマとすると次巡、9pを引き込みペン7pのテンパイを果たす。
役ありでダマにできる。1枚使っているが下家からピンズはまずフリーパスで出てくる牌だ。ここを最終形と定める。

最高の先制でのダマテンを果たした

8巡目、ヨプ選手は待望の4sを引き込み1枚切れの發単騎でテンパイする。
これが全山。果たしてこの牌はどこにいるのか…

ざんく先生選手にとっては痛恨の放銃となった

掴んだのはざんく先生選手。3sが1枚零れたがまだ索子の副露は入っていない。聴牌率もそこまでではないだろう。
何よりこの發は1枚切れている、トップで終わるために最善と見た選択は自身のアガリも残すルート。
この發での放銃だがカットインは出なかったため助かったか…と思われたがヨプ選手の手に東の暗刻がありテンパネして5200。
この放銃でGBは痛恨の2着落ち、そしてライジングサンも悲劇のラス落ち。
最後の放銃で全員の着順が変わっての終局という珍しい形となった。

この対局の牌譜はこちら!

(記・穹憧るか)

第2試合C卓

試合経過

個人成績で苦しんでいるねじまき鳥@選手とjustice@選手が東場に躍動。ねじまき鳥@選手が満貫で先制するも放銃したjustice@選手が連続和了で取り返す。しかしまだ足りないとねじまき鳥@選手が二の矢を放ち、トップ目で折り返す。
南場に入って”眠れる獅子”獅子ヶ谷フレア選手も参戦。立て続けに高打点を決めねじまき鳥@選手を追うが、オーラスあと一歩のところでねじまき鳥@選手が逃げ切った。獅子ヶ谷フレア選手はオーラス0本場に逆転手を入れるも最後の1牌が遠く2着。東場奮闘するも南場に沈黙したjustice@選手が3着、オーラスに一矢報いるもなかなか手が入らず、前に出ると放銃に回らされた中神翔平プロがラスとなった。

勝負を分けたハイライト

銀色の玉と獅子の牙 簡単には逃さないオーラスの攻防
(南4局=GENESIS・中神翔平プロ、ぺんたごん・ねじまき鳥@選手、Luna de esperanza・獅子ヶ谷フレア選手)

この局は逃げ切りを図るねじまき鳥@選手に全力追い上げの獅子ヶ谷フレア選手、ラス目親番でオリを知らない中神翔平プロがつば競り合いを起こす。

ねじまき鳥@選手の東ポンが開戦の合図。8巡目に白・6pのシャンポン待ち(白のみで和了可)で聴牌するも、待ちの白はjustice@選手に対子で既に空。その裏では中神プロがタンヤオ赤赤に寄せれば、2着目獅子ヶ谷選手は一気通貫・ドラ1のイーシャンテンに組み上がっていた。

13巡目に中神プロはここが限界とばかりに3pをチー。打7mとして両面固定のイーシャンテンにとる。次巡8pを引き36m待ちの聴牌。これに対しねじまき鳥@選手は聴牌につき押していく。
17巡目、ねじまき鳥@選手は8mを引くと少考ののち6pを切って回った。「中神プロに対してマンズは止めるつもりだった」とのちに述懐する。

実際に当たり牌ではなかったが、繊細な判断だと感じた。

そして忘れていけないのは獅子ヶ谷選手。山に深かった1枚目の発をポンして一気通貫・発・ドラ2、和了れば逆転のマンガン聴牌を入れる。
この時点で待ちのカン8mはなんと山に3枚。対して中神プロの36mは山に1枚。かつ獅子ヶ谷選手は相手の待ち36mを吸収できる(3900和了でもトップ)が、中神プロは8mを吸収しにくい形。かなり獅子ヶ谷選手に有利な勝負だろう。

17巡目 発ポン打4s 逆転の待ちカン8mはなんと山3!

直後ねじまき鳥@選手は形式聴牌を取ると8mが危なかったが、一貫してマンズを止める姿勢が奏功しこれを止めるファインプレー。

獅子ヶ谷選手に6pが通っていないため、形式聴牌狙いで打8mとする人もいるかもしれない。

その執念か、中神プロの次のツモは和了牌3m。唯一と言っていい和了ルートだろう。素点を回復させて1本場に繋いだ。

獅子ヶ谷選手の次のツモは8m。まさに牌の後先である。
また嶺上牌も8m。もしもねじまき鳥@選手が8pを打って中神プロがダイミンカンしたら、8mと5mどちらを切るのだろうか。

解き放たれた青い小鳥遊(たかなし) 点況加味した手牌のさばき
(南4局1本場=ぺんたごん・ねじまき鳥@選手)

麻雀リーグFC関係者であれば誰しもが認めるであろう屈指の実力者、ねじまき鳥@選手。実力を考えるとここまで8試合出場してノートップなのがおかしいくらいだが、今半荘はようやく展開が向いて効果的に和了を重ね、南4局1本場をトップ目で迎えた。

今回はクイズ形式でねじまき鳥@選手の選択を辿ってみよう。あなたはねじまき鳥@選手の思考を追えるだろうか?
この局の分岐点となったポイントを3つ用意してみたので、あなたの選択を理由とともに考えていただきたい。決してあなたの選択が間違いとか、ねじまき鳥@選手が正解とかそういう話ではないので、気軽にチャレンジしてみてほしい。

一応設問とねじまき鳥@選手の選択に加え、記者が追えるだけの解説を付けているが、ねじまき鳥@選手はおそらくそれ以上の緻密な思考を張り巡らせているだろう。解説に不備や漏れがある可能性があることをご容赦いただきたい。

【Q1.】
決して良い配牌ではなかったが、手なりに進めて7巡目にカン7m待ちの役なしドラなし聴牌を入れる。ねじまき鳥@選手の選択は?

A. 打3pリーチ
B. 打3pダマ
C. 打8m聴牌外し

【A1.】

ねじまき鳥@選手の選択はB. 打3pダマだ!
点数状況的に全員前に出やすいため、他家からの強烈な押し返しが想定され、それに対して先制とはいえカン7m待ちでは勝負にならない、という判断だろう。攻撃面でも一見役なしであがれないが、ツモ7mはもちろんのことツモ14s5mで役ありへの変化を見た構えだ。

【Q2.】
そしてこの選択は直接の手替わりではないが一手先の有効牌も存在する。8巡目にドラ9sを引いて多少前に出やすくなったが、どうする?

A. 打6sリーチ
B. 打9sリーチ
C. 打6sダマ
D. 打9sダマ
E. 打8m聴牌外し

【A2.】

ねじまき鳥@選手の選択はE. 打8m聴牌外しだ!
①のC. 打8m聴牌外しと違って今回は嬉しい変化として一気通貫やツモ7sの両面変化、ツモ9sの1p9sシャンポン待ちなど強い変化が多い。どうせリーチをしないのであれば、待ちの質を良くする変化を重視して聴牌を外した。
ツモだけでなく、一気通貫の仕掛け(5s及び14sチー)も強く見た聴牌外しだ。

【Q3.】
11巡目にツモ6mで聴牌復活。この間に聴牌時の待ち1pが筋になっている。巡目と待ちの強さを考慮した次の一手は?

A. 打6sリーチ
B. 打9sリーチ
C. 打6sダマ
D. 打9sダマ
E. 打6m聴牌外し

【A3.】

ねじまき鳥@選手の選択はA. 打6sリーチだ!
筋引っ掛けの要素に加え待ちの1pは他家に使われてなさそう。押している他家からは掴んでも比較的出そうな牌である。加えてすでに11巡目になり、もう手替わりよりはすぐ和了できるチャンスの方を重視した判断だろう。

この待ちは実際に山に3枚。すぐに親の中神プロから追いかけリーチがかかるも、めくり合いに勝って嬉しい初トップを決めた。

チームのエースとして肩の荷が降りた瞬間だろう。

なお、試合後控室での牌譜検討で記者が聞いたところでは、B. 打9sリーチ の方が36sが切りにくいため(=より河が強くなって)相対的に1pが選ばれる可能性が高いかもしれないと反省していた。打6sによるドラポン事故を防ぐメリットと、打9sによる親の6sチーを防ぎつつ河を強くするメリット、どちらを取るかは非常に難しいだろう。
このような細かい選択もどこまでも真摯に、愚直に自分の道を求めていっている。その姿は全ての麻雀打ちが見習う一つの在り方ではないだろうか。

以上、1局であったが “最も(麻雀AI)NAGAに近い”ねじまき鳥@選手の選択を体験いただいた。苦しい時も何ものにも縛られず”自分の期待値”を追うねじまき鳥@選手。
これからもそう簡単に真似できないオリジナルの選択を粛々と自由に披露してくれるだろう。

とはいえ、初トップの喜びを祝福する感情的な一面も。 (本人Twitterより)

この対局の牌譜はこちら!

(記・keitaさん)

試合結果

大きく加点したのはぺんたごんしょーたむ選手ねじまき鳥選手の連続トップで原点付近から大きく加点することに成功しました。
次いでMahjang Soul Professionalななないも大きく加点。上位3チームは抜け出していますが少しでもボーダーからは離れたい中位帯のチームの順位争いも熾烈となっています。
ここからの終盤戦は特にボーダー争いを展開するチームにとっては一戦一戦が痺れるような試合になってくるでしょう。良い試合が期待されますね。

おわりに

今回の記事は以上になります。読んでくださってありがとうございました。麻雀リーグFiveColors広報部では本観戦記シリーズの他、選手名鑑シリーズも刊行していきますのでよろしくお願いします。記事の感想やRT、いいね等頂けますと励みになりますので"#麻雀リーグFC"のハッシュタグを付けての投稿をよろしくお願いいたします!また、麻雀リーグFive Colorsは公式YouTubeチャンネルを開設しました。公式配信として対局の模様をお届けするほか、各試合の切り抜き動画の投稿、公式応援配信"熱闘!麻雀リーグFC"の配信等様々なコンテンツの配信を予定しておりますのでチャンネル登録をよろしくお願いいたします。

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