第1期麻雀リーグFC観戦記・セミファイナル第4節

こんにちは。麻雀リーグFC広報部です。ついに9/11(日)より対局がスタートした第1期麻雀リーグFC。第1期麻雀リーグFCは雀魂の強豪・プロ雀士・Vtuberで構成された12チームが頂点を争うレギュラーシーズン全30節60試合のチーム戦です。

本日は1/15(日)に行われたセミファイナル第4節の第1試合、第2試合からそれぞれ1卓ずつピックアップした観戦記をお届け致します。

対戦組み合わせと出場選手はこちら。

注目カード

・第1試合B卓

セミファイナル自身初戦をトップで飾ったアルシーー選手とボムチュウ選手、3着止まりだった月音ゆき選手、初登場の初音舞プロのマッチアップ。上位下位の差が縮まり1戦で大きく変わる中盤戦を制するのは誰か。

・第2試合A卓

GENESISを除きボーダー争い真っ只中の3チームが一堂に会した。ここでトップを取るとボーダー争いを優位に進められ、逆にラスを引くとボーダー戦線から後退を余儀なくされる位置とあって、エース2名にリーダー2名という錚々たるメンツを送り出してきた。
チームの「顔」と言える対決でセミファイナル中盤を制するのはどの選手か。

本記事では第1試合B卓第2試合A卓をピックアップしていきます。

第1試合B卓

試合経過

東1局、アルシーー選手のダマ一気通貫が炸裂。ボムチュウ選手の8pを捉え7700の加点。
東4局2本場、配牌一向聴の月音ゆき選手が、河に第一打6s第二打赤5sを並べる強烈な2000オールの和了。
東4局3本場では初音舞プロが技ありのチャンタを和了。月音ゆき選手のドラ3赤3の化け物手をかわした。ボムチュウ選手が一人置いて行かれる状況に。
南2局、ボムチュウ選手に門前混一の勝負手が入る。月音ゆき選手が当たり牌の1mを吸収しながら聴牌を取り切り、ボムチュウ選手はここでも1500しか加点が出来なかった。
オーラスは上位3名のアガリトップの徒競走となった。アルシーー選手がいち早く發を仕掛け、2000の和了。月音ゆき選手を100点上回るおつり無しサヨナラヒットでトップを奪取した。

勝負を分けたハイライト

おつり無しへの布石(東3局1本場=優曇華の花・アルシーー選手)

ツモ4m打1p/安全牌は1pだけ

良形で立直を打てそうとワクワクする手で待ち構えていたら先制立直を受ける。アルシーー選手はここで打1pを選択。当記事担当は多分打3mで14p待ちで追いかけて放銃してそう。安全策が功を奏した。

ツモ5m打2m

安全牌が1枚もない状況が続き、9s7sを落としながら張り直し。打3mでフリテン147m、打6mで14mの聴牌が取れるがどちらも当たり牌。ここでも放銃を回避する打2m。嗅覚が鋭い。

ツモ6m打7m

当たり牌がまたやってくる。これで6mが三枚見えたので打7mで嵌4m。何度も放銃してもおかしくない形になっていながら器用に回り続け、貴重な聴牌料をゲットした。
試合経過でも書いたように、アルシーー選手はオーラスで100点差でトップを捲る。つまりこの局が実はターニングポイントだった。失点を防ぐことの重要度が感じられた。

月音の4cm(南2局1本場=るなすぺ・月音ゆき選手)

秒速4センチメートル

ボムチュウ選手が先制立直。4cmにした直後に立直が来るのが一番腕が問われる。どこまで押すか。

5pと5sはプッシュ

58pも58sも否定されていないがプッシュ。

ツモ3m打1p

3mを引いてきたところで回る。かなり萬子が危なそうに見えるのでとてもピントが合っているタイミングだと感じる。

ツモ7p打8p/聴牌取り成功

13m78pで迎えた最終巡目で7pツモ。本命の萬子を1枚も切らずに聴牌を取り切った。僅差の2着を勝ち取る1局となった。

この対局の牌譜はこちら!

(記・まさき)

第2試合A卓

試合経過

東2局に武則輝海プロが立直合戦を制して大幅リードを築くと、負けじと刃金しろがね選手が東3局親番で連続で親満を決めトップ争いはこの2選手に絞られた。一方刃金しろがね選手に手痛い放銃を喫したPDGON選手は東4局、武則輝海プロ・Yukiちゃんねる選手を連続で捉えて戦線復帰。
折り返して南場は一転細かい和了が続いたが、南1局に満貫ツモを決めた刃金しろがね選手が上位争いを制してトップ、南3局にPDGON選手から満貫を直撃したYukiちゃんねる選手が下位争いを制して3着に滑り込んだ。

勝負を分けたハイライト

見切りのポンテンドラ放し 先制重視でコツコツ(南2局=ANC PURPLE BATS・武則輝海プロ)

上下どちらとも離れた2着目で迎えた南場の親番。良い配牌をもらい自然に進めていた3巡目。トップ目の刃金しろがね選手から1枚目の白が出る。

5sがドラでなければポンしたいが...

親の武則輝海プロはさほど迷わずポン、自然にドラを切って2900点の47m聴牌を入れる。
おそらく思考としては、親番につきコツコツ稼ぐ2900も大事だし、早い巡目なら西ポンして赤5m単騎の仮テンからホンイツに渡れば中打点は確保できる、ということだろう。

ちなみに記者はワンスルー派だ。
着落ちのリスクがかなり少ないためトップ争いに参戦するためにも高打点ルートを見たい。3巡目につき456三色や門前リーチでの打点を見たいと感じてしまうからだ。西が枯れたら落として回れる。白2枚目を仕掛けるかどうかは大変微妙だが、中盤過ぎたら渋々ポンテンが基本だろうか。
この辺は打ち手により鳴き判断が分かれそうに感じた。

この後刃金しろがね選手にドラ5sとダブ南を仕掛けられるも自ら和了りきった。上家Yukiちゃんねる選手にも大物手の一向聴が入っており、見切りが素晴らしいと感服せざるを得ない。

スピード勝負を制し親番維持!

白を仕掛けなかったらおそらく親番が落ちていただろう。トップ争いに参戦するためのルートは一つではないのだ。

オーラスに交錯する思考 点数状況で十人十色(南4局)

記者が執筆担当をするときはハイライトにトップ者を必ず取り上げたいと考えているが、今回はそれ以上に全員を主人公にしてそれぞれの思惑がはっきり現れたオーラスを記者の想像で入れたアテレコと一緒に見ていきたい。

まずは配牌をもらった各選手の思考から。

①1000点持ちラス目東家・PDGON選手

メンツなしドラ1愚形残り。良いとは言えない。
下手に仕掛けても上家がトップ目なので絞られるだけ。ひとまず手なりに打っていって、リーチを目指すのが基本か。真っ直ぐ字牌から切っていこう。
全員が敵の状況なので一人で頑張らなければいけないのが辛い(>_<) 
切り出しはとりあえず西から。

②10000点持ち3着目南家・Yukiちゃんねる選手

暗刻1つに対子2つ。悪くない。
着順上昇がほとんどないのでできればリーチしたくない。そうなると白や三色、トイトイ、最悪良形で先制ならリーチを見据える。
初打は素直に東から。PDGON選手以外なら満貫まで放銃しても良いので、最悪アシストや差し込みも選択肢に十分入る。

②35700点持ち2着目西家・武則輝海プロ

手が悪いがそれでもできることを考えなければいけない。自分が和了するとして役牌かホンイツ、一応ピンフあたりだが、他家の動向次第では親以外に放銃も厭わない。親に放銃はNGなため守備的に構えて上手く入った時だけ行く。
ということで第1打に字牌は切らず8sを選択。

④53300点持ちトップ目北家・刃金しろがね選手

自風北の特急券を軸に、仮に鳴けなくても678三色がある。あとは親に対する守備力を確保しつつ仕掛けを基本として攻守両面に動けるようにしたい。
下家が親なので仕掛けられたら絞りも視野に入れつつ、武則プロにハネマンは打てないがそれ以外は放銃もOK。
もしかしたらアシストもくれるかもしれない。

ひとまず初打は南を選択し、あとは状況に応じて動いていく。 

3巡目刃金しろがね選手が待望の北ポンに続いて5巡目には6pをポンしてイーシャンテン。

これに西家・武則輝海プロが反応。自分の手が伸びなかったため手を壊して刃金しろがね選手へのアシストに回った。

アシストは遅すぎるのは論外だが早すぎてもダメ。アシスト対象が手ができてない可能性もあるため開始のタイミングについては慎重な見極めが必要である。
北ポンの時点ではすぐにアシストせず南、西と切っていって様子見。2m8pと手出しが入ったことを確認してさあアシストだ。

アシストのコツは対象の捨て牌から速度感と持っているブロックを読み、できれば急所(カンチャンなどの愚形)から鳴かせることである。
下家が欲しそうな牌を武則輝海プロ目線で一緒に考えてみよう。

2pが早く6pポンからピンズ上下は除外(9pは持っている可能性もあるが親にも切りやすく後でも良い)、4mはドラだがら除外(親にポンされると厳しい)、字牌は全部通っていて除外。9mも2打目に切っていて優先度は低い。
すると7m56sのいずれか。この中で急所になりやすいのは...

「しろがねさんこれですか?」「残念ながら違うんですよ」という会話をしているようだ。

7mだ!
3や7の牌は尖張牌(センチャンパイ)と言って、ペンチャンもカンチャンもある。タンヤオにもチャンタにも使えるためかなり使い勝手が良く、言い換えれば急所になりやすい。
56sはペンチャンがない分7mが最も急所である可能性が高いと言えるだろう。記者も打7mが良いと感じる。

「しろがねさんこっちはどうですか?」「それですよ、ありがとうございます」

今度は2筋に跨ぐ打6mを選択。これはチーしてもらえた。
差し込みして良い点差なので最後まで面倒を見る。 

手出し南ということは残りの形は十分形。まず聴牌だろう。
マンズピンズはもうない。残るはソーズ。

以上から56sを打つ方針。実際に6sは刃金しろがね選手の和了牌。
この巡目に5sを選択したため次巡6sが切られてゲームセットとなる。
はずだった。

「和了牌はこれですか?」「うーん違います!」

次巡なんと武則プロは3pを切ったのだ。

両面なら最もパターンが残っているのは3pである。

原因は上家・Yukiちゃんねる選手の河にある。
直前に9sが通ってしまったため、69s待ちのパターンが否定された。 

刃金しろがね選手の待ちが両面だと仮定すると、6mチーのあと89mがPDGON選手によって通されたため、残るは147m36m369p147p147sのいずれか、そうでなければ愚形だ。
28p2m3sを(安全牌の)南より先に切っているためその外側にかかる待ちはかなり否定できる。6mチー出し南なのでマンズ上の食い伸ばしも薄い(食い伸ばしなら数牌より南を先に切るのが基本)。36m待ちならそもそも6mを78mではなく45mでチーするだろう。残るは36p47p47sのいずれか。
その中で武則輝海プロが持っていて差し込める可能性があるのは3pか7pだが、6pはワンチャンスのためパターンの多い3pを選んだわけだ。 

遡ってYukiちゃんねる選手目線。

配牌の箇所で記述した通り、できればリーチはかけたくない。リスクが大きいからだ。9巡目にのみ手を聴牌したが、待ちのペン3mは親のPDGON選手の現物でもなければ間違いなく押してくるPDGON選手とめくりあえる待ちでは全くない。それであれば仕掛けて和了できる123三色を強く見たい。
そうなると6mか2pか9sから選択することになるが、一応自分の手を進めつつ刃金しろがね選手に差し込めるなら差したい。2pは現物で6mは45mで鳴いてないから待ちにはなっていなさそう。
以上から打9sという思考なのだろう。 

記者は聴牌であればうっかりツモが大きすぎるので打1pダマとしそうだ。

武則プロに視点を戻すと、47p47sは残っているがどちらもワンチャンス。ほぼこの時点で愚形と読んでいただろう。そうであれば待ちは読みにくい。
それゆえ、うっかり親のPDGON選手に鳴かれて刃金しろがね選手の和了率を下げるのが罪と感じ、以降はしっかり降りて親への絞りとうっかりの親の黙聴ケアをする方針に切り替えたと思う。 

記者は7pまでは打ちそうである。PDGON選手にポンされるパターンもほとんどないだろう。聴牌ならリーチと言ってくる可能性の方が高い。なぜなら8pをすでに切っているため7pを含む待ちで愚形は考えにくいからだ。

さて、ここまで全く話に登場しなかった親のPDGON選手。それもそうである。自分一人だけ粛々と手を作らねばならずしかも仕掛けることもできない。言うなればこの状況は子が結託して3vs1で親番を流そうとしている。
当然武則プロの捨て牌から子方の会話とその意図は全て理解しており、全く面白くない。しかし切り替えてリーチを一刻も早く打つことが仕事。

13巡目にようやくこの形のイーシャンテン。

存外何を切るか難しい。見た目の受け入れ枚数だと打4mが最も多いが、自分の手が大体立直ドラ1となってしまう。欲張りセットの人は打5mを選択し、最高でリーチ・ツモ・三暗刻・ドラ3の倍満まで見る人もいるだろうか。

PDGON選手の選択は...

打4p!
6pポンされてるとはいえ5p が全て見えており、3pの場況が良い(なんだったら6pも残り1枚は山にありそう)。4pも良いように感じるがそこは枚数を取った形か。バランスを重視するPDGON選手らしい一打。
難しいが記者も4pを切りそうな気がする。36pが入って、最終形に4m1pのシャンポン待ちを選択する可能性も残せる(体良く筋だ)。 

この局の結末はPDGON選手が6sを掴み、刃金しろがね選手の和了で決着。
それぞれがそれぞれの思惑で局を進行した面白い一局だと感じた。

この放銃は止められないし責められない。

おまけ

試合を終えた結果はこちら。

4位 PDGON ???

...あれ?約1名いないことになってませんかね?
※0点丁度で表示されない仕様なのだろうか。

この対局の牌譜はこちら!

(記・keitaさん)

試合結果

本節は優曇華の花ぽんてんLv47がともにトップ2着を獲得しボーダー圏外から内側へと躍進しました。
対してななないライジングサンは手痛い連ラスで一歩後退。ボーダー圏外へと追いやられました。
しかしボーダー近辺はいまだぎゅっと詰まっており、まだまだわからない様相となっています。

おわりに

今回の記事は以上になります。読んでくださってありがとうございました。麻雀リーグFiveColors広報部では本観戦記シリーズの他、選手名鑑シリーズも刊行していきますのでよろしくお願いします。記事の感想やRT、いいね等頂けますと励みになりますので"#麻雀リーグFC"のハッシュタグを付けての投稿をよろしくお願いいたします!また、麻雀リーグFive Colorsは公式YouTubeチャンネルを開設しました。公式配信として対局の模様をお届けするほか、各試合の切り抜き動画の投稿、公式応援配信"熱闘!麻雀リーグFC"の配信等様々なコンテンツの配信を予定しておりますのでチャンネル登録をよろしくお願いいたします。

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