2021年ベストアルバム10
トップテンのみ!わかってる感あるレビュー的なものはベストトラックで満足したので、ここでは2021年の筆者である自分とのどのような距離感に基づいて選出したかを述べていくようにしたい。では~。
10位 DEEN『TWILIGHT IN CITY ~for lovers only~』
数年前からいわゆる「シティポップ」はディスクガイド等を頼りにしつつ聞いていた。まあ、2021年に「シティポップ」を冠する作品作りもちょっとラグあるな…と思いつつ聞いてみたら、その強度の高さに驚きを禁じ得なかった(この作品の前にリリースされたカバーアルバムも佳作ではあったので期待値は高かったが)。また、彼らと言えばな清涼飲料水のCMに使われそうな爽快感のある楽曲も収録されているところも魅力となっている。
9位 cali≠gari『15』
cali≠gariの再結成後の作品(特にフルアルバムは)はどれも外さぬ傑作揃いだと思うが、本作もバッチリの仕上がり。今作はこれまで以上にベースの録音が良いのも好み。アグレッシブな楽曲が揃っており、新機軸な楽曲も少なくないが、後半の青さん作曲のビートロックを基調とした楽曲には安心。得意技を経年で磨き続けていってくれる頼もしいベテランの姿よ。
8位 SEVENTEEN AGAiN
『世界は君たちを変えることはできない』
このジャケットの透き通った青空が物語っているようではあるが。「悲しい顔しないでよ」を聴いてから、彼らの、特にギターの鳴り方の虜なんだよな…。青く響き滲みわたるギターの残響。今作では特に「全然気にしない」がその魅力を最大限に感じた。歌詞やテーマについても、2021年にリリースされるべき内容だった。
7位 U-zhaan,環ROY,鎮座DOPENESS『たのしみ』
サウンド的にも歌詞においても真剣な作品もそりゃ好きだし、ガッツシ聞くけれども、この作品のように肩の力が抜けたものの存在が必要だった。スキルフルな達人たちが、胡坐かいて「ちょっくらやってみんかー」なノリのテーマまな楽曲が多く、楽に聴けて良かった。
6位 吉澤嘉代子『赤星青星』
前作がアレンジなど「J-POP」テイストで何ともパッとしなく感じていたのだが、今作は自分の懸念が完全に解消された作品となっていた。制作陣的にもドラムに石若駿が、ギターに君島大空が、と近い世代の力あるミュージシャンが招聘されていて、協働的な側面が見えてよかった。また、彼女が敬愛する穂村弘の諸作品は自分も大好きなので、本作で歌詞を共作しているのは大きなトピックであった。
5位 リーガルリリー『the World EP』
バズリズムか何かで「リッケンバッカー」を聞いたときに「ハイハイ、チャットモンチーフォロワーっすね~」てな調子で見過ごしていたけれど、何かの流れで「東京」聞いて震え上がった。曲はグランジ・オルタナテイストでアラサーには馴染み深く驚きはないけれど、詞のオリジナリティよ。EPとしてのコンセプトの強さも、カバー選曲も秀逸。
4位 (sic)boy『vanitas』
「爆撃機」からの期待に違わぬ充実作に仕上がってた。アルバム名になぞらえたジャケットのアートワーク然り、程よくゴシカルで、KMのトラックもロックテイストにカッコよく、ヒップホップではあるんだろうけれど抑揚のある歌唱もこなして。いわゆる「ヴィジュアル系」の界隈とは違うところから、そこの影響を受けた人物が出てきて売れてるのが嬉しかった。
3位 w-inds.『20XX"We are"』
二人組になって、センチメンタルな方向に向かってしまうのかとも心配ではあったが、楽曲面では前作に引き続き慶太によるグローバルポップの旨味を抽出したようなハイファイなダンスチューンを基調として、歌詞では「20XX」年を生きる彼らとリスナーに向けたチアーアップするものを中心としている。まさにこの2021年的だなと思うのは、ベストトラックで取り上げた「EXIT」だが、ドゥーワップ的な入り方をする「The Christmas Song」も大好き。Da-iCEがレコ大選ばれたのを一つの契機として、ジャニーズ以外の男性ダンスボーカルがもっと盛り上がればなあという期待も込めての順位。
2位 Base Ball Bear『DIARY KEY』
記事を書きに書いた割に二位にしたのはなぜか。逆に書きに書いたことが原因であるかもしれないが、意味や意義がまとわり過ぎているきらいがあったかもしれない。それは面白みではあるが、軽さを失う要因でもある。でも、「こいつらマジじゃんかよ~」みたいに離れることはないだろうな。「マジ」な部分も「笑ってふざける」部分も両方備えているのが彼らだと理解しているので。
1位 Dos Monos『Larderello』
ひでーこというと、「短いいい曲が15分程度でまとめられてて、短くリピートできるから一位!」みたいなことではあるんだが…。この収録時間で「アルバムって…」と思う人もいるだろうが、テレ東「蓋」とのコラボを踏まえたコンセプトで統一されており、「アルバム」的聞き心地が担保されている。二位にしたベボベとの歌詞での差異でいうとTaitanの述べていた「過剰なトコロテン」な部分があるか否かという点も大きかったように思う。もちろん、固有名詞や引用は引き続き甚だしいが、衒学的ではないし、野球からの引用もあるなどナードぽくないのも気持ちがいい。つか、トラックはアブストラクトかもだけどキャッチーでしょ、どの曲も。オールディーズ好きだから、3分以内のキャッチーな曲並んでたらイエーイでしょ。そゆことです。
1月も終わりかけでまとめきった。ありゃりゃ。
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