&TEAM 1st.Single'五月雨(Samidare)考察まとめ6
1.はじめに
&TEAM 1st.Single'五月雨(Samidare)のMV考察をしています
2024.5.8リリースでBillboard JAPANでは2位の好成績、更にはSpotify バイラルチャートでは2024.6.2現在で10位と大変好評となっております
またこちらのMVは、DARKMOONシリーズとしてENHYPENと共にそのストーリー性も話題になっています
DARKMOONは日本ではLINEマンガアプリで読む事ができ、&TEAMは『黒の月:灰色の都市』ENHYPENは『黒の月:月の祭壇』としてマンガとライトノベルとして連載されていました
現在はどちらも連載を終えていて、ENHYPENに関しては新シリーズ『ヴァンフィールドの子どもたち byDARKMOON』の連載がスタートしています
最近こちらも読み始めたのですが、ENHYPENデビュー曲の『Given-Taken』の8番目の人間の謎などが分かりこちらも注目です
では考察を始めます
前回、ギリシャ神話との関係を&TEAM初アリーナツアー『Second to NONE』も絡めながら見てきました
またてるてる坊主が実は3つだった『君にカエル』、よく見ると教室のシーンで後ろの椅子が倒れていたりと幸せな終わり方に見えてまだ謎が残る『五月雨』、パルテノン神殿のようなツアービジュアルもよく見ると傷が沢山あり実は白く色を塗られてしまった本物のパルテノン神殿との関係が気になったり…
&TEAMもまたDARKMOONの新しいシリーズが始まりそうでとても楽しみです
2.北欧神話との繋がり
🍀『五月雨』に見る北欧神話との関係
ギリシャ神話の次は北欧神話、そう聞いてもピンと来ない方も多いと思います
どちらもヨーロッパですが、実は北欧神話は日本神話とも類似する点があります
それは天災や疫病がまだ神の業だと信じられてきた遥か昔、太陽神や海の神など自然には必ず神が宿り天災はその神の逆鱗に触れた為と考えられ生きた人を埋めたり生贄として神に捧げていたような時代に、口伝えや建造物や文献によって神の怒りを沈める方法や自然と共に暮らす教えを説き世界中で同じような事がされていた為
つまり北欧と日本というおよそ往来などない遠い国同士が同じような厳しい環境を生き抜く為、生み出した術が似ていたという事だそうです
例えば日本神話の天照大御神(あまてらすおおみかみ)は太陽の神ですが世界には沢山の太陽神がいて、ギリシャ神話ならアポロン、北欧神話ならソールなど他にも沢山います
&TEAM'五月雨'の中に北欧神話の要素を見つけ、ギリシャ神話だけでないそのMVの精巧さには毎回驚かされます
おそらく私が知り得るより更に多くのフラグが立てられているのだと思っていて、それは以前の&TEAM EP『ME』や『WE』から始まっていると思います
つまり'五月雨'考察するにあたり北欧神話との関係を見ていくには、前のMVも振り返りながらでしていく必要があると思います
それは『Under the skin』や『Road not Taken』で特に北欧神話との関係を感じています
ギリシャ神話では説明出来なかった部分に、北欧神話テイストを感じるのです
🍀BTS 『Spring day』や『天気の子』との関係
勿論神話だけでなく『ファオランの冒険』やBTS 『Spring day』なども関係があると思います
『Spring day』に関してはよくセウォル号との関係が囁かれますが、私は&TEAMとの関係を見る上ではむしろ『オメラスから歩み去る人々』との関係の方が気になります
一見平和なオメラスの街で牢屋に閉じ込められた子供はいわゆる『人柱』
新海誠監督『天気の子』の陽菜もまた人柱
陽菜が消えかけてしまう事こそ、陽菜が人々の為に犠牲になっている事を表しています
(『天気の子』に関しては以前の私の考察『🍀新海誠監督 天気の子との関係』を参考にして頂ければ幸いです)
そしてルスラン(HARUA)もまたそうであったと思うし、他に同じように犠牲になり世界を守る少年があと二人存在していると思っています
それは北欧神話やギリシャ神話、日本神話が誕生した昔に自然災害が神によってもたらされたものだと考え誰かが犠牲になったように、オメラスの街の人々もそしてヴァンパイアもまた、少年を自分達の幸福の為に利用したのだと考えます
🍀ENHYPENやもののけ姫との関係
誰かの犠牲により成り立つ世界
それは同じDARKMOONシリーズのENHYPENのお話でも同じなのだと思います
『ヴァンフィールドの子どもたち』では、ヘリ(ENHYPEN.ヒスン)を始めとする7人の子供は世間から隔離されています
ENHYPENデビュー曲'Given-Taken'では、その様子がよく描かれています
同じように&TEAM 'Under the skin'等でもルスラン(HARUA)の歌詞にそれを感じますし、ルスランとカミル(JO)、マハン(FUMA)に関してはかつてヴァンパイアが洗脳し隔離していた過去があります
更にはカーン(K)の暮らす港町『グレイシティ』で親の権力を使い粗暴なクロックの標的となったカーンもまた、『グレイビル中高一貫校』のいわば人柱でした
ちなみに日本神話がヒントになっていると言われているスタジオジブリ『もののけ姫』では、実はアシタカが犠牲となり村を守っています
その証拠にアシタカが村を出る時に見送りに来たのは、カヤという少女だけでした
タタリ神と戦った英雄の船出なら村人全員が見送るはず
腕に残る痣はおそらく現代で言えば感染症
そんな病気を持つ人間が村にいれば村が壊滅してしまう
勇敢なアシタカは村の為に戦い、そして村の為に犠牲になったのです
同じようにカーンは学校の平和と育ててくれた養母を守る為に、自らの力を封じて犠牲になっていました
以前にもアシタカとカーンとの既視感について考察しましたが、もののけ姫は日本神話でDARKMOONはどちらかと言えば北欧神話やギリシャ神話がベース
それがよく似ているのは、そもそも日本神話と北欧神話がよく似ていると言われている所以なのだと思います
🍀スタジオジブリ『もののけ姫』との関係
もののけ姫つまりサンは赤子の頃親に捨てられ、山犬モロの君に育てられています
サンは自然と共存しながら生きる事を、モロの君から教わります
そして自然を壊すタタラ場(製鉄所)のエボシ御前を憎み、人間を憎みます
一方アシタカは勇敢な青年で村を守る為にタタリ神と化したイノシシに挑みますが、その際腕を怪我し呪いをかけられます
このタタラ場(製鉄所)こそ、人間の作りだした文化であり自然を破壊する全ての人工物であると考えられています
&TEAM FirstHowlingシリーズでいえば、それは自転車やグライダーなのかも知れません
&TEAM First Howling:WE Conseptclip'THIRSTY'では自転車から『ライト兄弟』と考察しています
ライト兄弟が作った人工物の飛行機は、自然にとって脅威なのです
これについては、以前の私の考察を読んで頂ければ幸いです
しかし人間の豊かな暮らしの為には文化の発展は重要です
タタラ場はエボシ御前の指導により、女達や病人が製鉄をしています
それは人間が生きていく為であり、必要な事です
しかし木を伐採するなどして自然を壊す事が自然破壊に繋がり、それが神の怒りを買う事態に発展するのです
人間がそれに気付き、植樹などで山を再生したり伐採する量をコントロールしながら産業を発展していく事が大切なのだと思います
そしてシシ神様は森の守り神、森や自然と共存しながら生きる事それが『もののけ姫』で伝えたかった事では無いでしょうか?
『共存』で、DARKMOONでのギリ兄さんの言葉を思い出します
そして自分に与えられた運命を全うする、それはサンは山でアシタカはタタラ場で生きること
アシタカの腕の痣は一生取れないけれど、それをも受け入れ生きていく
それは運命を受け入れることつまり『共存』
カーン(K)は自分が周りの人間とどこか違うと自認しながらも、最初はそれをひた隠しにして生きてきました
ギリにより自分が狼であると知ってからもしばらくは、戸惑いもあったと思います
更にギリが亡くなる際、カーンは狼の群れのリーダーつまりアルファを託されました
自分に課せられた運命を受け入れる
アシタカとカーンにはそんな共通点があります
更にアシタカもカーンのライカンスロープのようなネックレスを持っています
アシタカのネックレスは玉の小刀といい、いわゆるお守りのようなものだと思います
このようなネックレスは、北欧神話でも出てきます
つまり鉱石などを削りネックレスにしてそれをお守りとするのは、世界共通なのでしょう
このようにアシタカとカーン(K)には、勇敢な青年である事やお守りのようなネックレスを持っている事など共通点があります
またサンのように少女が大きな狼に跨る絵を、タヘル(TAKI)が'FIREWORK'Teaserの中で描いています
このように色々な神話やテイストを取り入れ、&TEAMの一連のMVは厚みを持たせているのです
それはBTS'花様年華'のように、いくつもの曲やアルバムにストーリー性を持たせ音楽だけでなくその物語をも楽しませる
そこにHYBEのオリジナリティを見いだすと、MVを観るのがとても楽しくなるのです
🍀北欧神話との関係
更に気になる北欧神話との接点を見ていきます
まずはこちらから
広い草原に佇む9人の狼の少年達
そして柵の向こうには海が見えます
この部分について、北欧神話の『ラグナロク』の終焉を感じました
ラグナロクというのは神と巨人族との最終戦争の事
これにより世界は燃え尽くされ、全て海に沈みます
その後大地は海中から蘇り、新しい世界が出来ます
生き残った者が新しい神となり、人間界であった森では炎から逃れた二人の人間により新しい世界が出来上がるのです
つまりこの草原は、壮絶な戦いの後の人間の世界
柵は怪物が侵入することがないように設けられたもので、人間界の周りには海が巡らされています
確かに狼の少年達がいる場所から少し離れたところに、海を確認できます
では'五月雨(Samidare)'とは、ラグナロクのような最終戦争が終わったあとの平和な世界なのか?
それは少し違う気がしています
なぜならラグナロクが終わったのだとしてもまた、狼の少年達は喧嘩をしていたからです
これはどういう事なのか?
おそらくラグナロクとはFirst Howlingシリーズの終わりであり、新しい世界を意味しているのだと思われます
それはカーン(K)を群れのアルファとして、港町グレイビルを出て新たな土地へと向かう狼達
しかしまだお互いを信じきれず、その為に言い争いや気持ちのすれ違いが起きてしまう
更にはここから新しいストーリーや困難が起こることを意味していると思っていて、その中で世界を守るために犠牲になっている狼の少年が3人いるのではないか?と考えています
🍀三人の少年
そのうちのひとりは、ルスラン(HARUA)です
『WE』考察の最初から、ルスランには何かあると踏んでいました
やがてヴァンパイアにより幽閉されていた事、カミル(JO)とマハン(FUMA)と共にヴァンパイアの元から命からがら逃げてきた事を知りました
最初に森で遭遇した際カーン(K)は敵と思い攻撃をしますが、やがて飲み食いもできないせいで体力が奪われている中でも必死で弟のルスラン(HARUA)を守ろうとするマハン(FUMA)や攻撃力などないカミル(JO)を見て、カーン(K)はギリの『俺達が互いに傷つけ血を流し合っていたら、その隙に奴らがもっと奪っていく』という言葉を思い出し我に帰ります
そしてヴァンパイアの洗脳が解け帰るところも無い三人の狼の少年を再び探しあて、よろよろになったマハン(FUMA)を背負いグレイビルに帰る描写がウェブ漫画にあります
そして、カーン(K)はルイ(YUMA)とルカ(MAKI)の双子の兄弟から「群れのアルファになって欲しい」と言われ決心するのです
では、ルスラン(HARUA)以外のあと二人は誰なのか?
それはマハン(FUMA)でもカミル(JO)でもない
勿論カーン(K)でも無いしルイ(YUMA)やルカ(MAKI)でも無いような気がします
当たっているか分かりませんが、ひとりはタヘル(TAKI)だと思っています
これは以前より何度も言い続けていますが、タヘル(TAKI)にはそう思わせる部分が幾つもあります
『ファオランの冒険』を借りていたタヘル、更にはひとり狼の毛皮を被ってみたり、ひとりだけスマホを持ってみたり…
タヘル(TAKI)には『違う』部分があまりにも多いのです
ここまでは以前より何度も言い続けていたルスランとタヘルの『犠牲』
例えばルスラン(HARUA)はヴァンパイアから『特別な血統』を持つと言われ、何やら実験のような事をされていました
ではタヘル(TAKI)は具体的に何が違うのか?
それはまだ明らかになっていませんが、タヘルは実はナジャク(NICHOLAS)の実の弟では無いのでは?と思っています
或いは弟だが、狼の血は実は流れていないか
この辺も以前タヘル考察でもお話しましたが、狼の毛皮を被っている時点でタヘル自身は狼では無いつまり人狼ではなく人間なのでは無いか?と考えています
『ファオランの冒険』のファオランは前足に障がいを持って生まれた為に、生みの親に捨てられます
そのファオランを育てたのがハイイログマ
同じように何らかの理由で親に捨てられたか或いは別の理由で、ナジャクとは血の繋がらない兄弟なのでは無いか?
そう考えれば、タヘルが『ファオランの冒険』を読んでいた理由に説明が付きます
更にそのタヘル(TAKI)が今後、新しいストーリーの中で何か中心になるような展開があるのでは無いかと思うのです
🍀隠れた犠牲
では残る3人目は誰なのか?
それは私はエンジー(EJ)ではないかと考えています
実はUnder the skinの時からずっとエンジーに注目していました
それはナジャク(NICHOLAS)達に比べ、出生などに謎が多かった為
元々は姉をヴァンパイアによって殺され、ひとりで生きる為に大人を騙しながら食い繋いでいたエンジー(EJ)
ギリ(坂口健太郎さん)もエンジーに騙されますが、そんなエンジーを哀れみ仲間に入れたギリ
そのエンジーには色々と気になる点があるのです
まずは'Under the skin'
エンジー(EJ)のシーンがとても少なく当初EJペンさんが悲しんでいましたが、私はその時からエンジーは物語のキーパーソンになりうるのでは?と思っていました
それはこのシーンに関してはどうしても説明が付かず、ここだけ異質だったのです
またお風呂の水に入るエンジーは、BTS 'RUN'のJIMINを彷彿とさせました
更にFirst Howling:WE 'THIRSTY'Conseptphotoでは、ピンクモリのEJが望遠鏡を覗いています
これを『隻眼』と捉えれば北欧神話に出てくるオーディンという神と一致します
オーディンはつばの広い帽子を被り、知恵の泉では自分の片目と引き替えに知恵を授かります
望遠鏡や眼鏡など目にまつわるものをよく使用しているのはEJであり、もしかしてオーディンがモチーフなのでは?と思いました
更にはオーディンは『始まり』を意味しており、ギリシャ神話でも始まりを意味するガイア(地球)と考えているので近いような気がします
またオーディンは北欧神話の中で『知識の泉』と呼ばれるミーミルの泉に行き、ひと口水を飲ませて欲しいと所有者のミーミルに懇願します
そして水を飲み膨大な知識を得るのと引き換えに自らの片目を差し出し、オーディンは隻眼となるのです
その差し出した片目の象徴が満月と言われており、&TEAM'War Cry'の中では満月の前にエンジー(EJ)が立っていることからエンジーのモチーフは北欧神話ではオーディンではないか?と考えています
今回のコンセプト♣️の意味にも、春や棍棒などの他に『知識』が含まれています
おそらくエンジーも、何かを獲得するのと引き換えに何かを犠牲にした過去があるのではないか?
それが'Under the skin'で見せた憂いのある表情と繋がっているような気がします
そう考えると以前、『見守る、見守られる』関係では無いか?と考察したエンジーとマハン(FUMA)やナジャク(NICHOLAS)の関係も納得出来ます
ちなみにその中ではルスラン(HARUA)はルカ(MAKI)、タヘル(TAKI)はルイ(YUMA)、カーン(K)はカミル(JO)がその役目だと考えています
3.四季が意味する4つのストーリー
まず今回の♣️は農民、棍棒、春、火の星座とされています
このうち農民や春は納得できます
春になり農作物の植え付けをし、若葉はやがて実をつける
しかし分からないのが『棍棒と火の星座』
そこで調べたところ、北欧神話のトールという神に辿り着きました
トールとは雷神であり体格が良く、燃えるような目と赤髪、また天候や農耕を司ることから農民階級に信仰され、かつてはオーディン以上に位の高い神様でした
ミョルニルという『打ち砕くもの』という意味を持つ棍棒を持ち敵に向かいますが、一方でミョルニルには清めの作用もあります
その為北欧では、ミョルニルをかたどったネックレスがお守りとして売られているそうです
そのミョルニルが、カーン(K)の持つシルバーファングとよく似ています
またカーンがタヘルを気にかける所で雷がなり、天気が一変します
このことから、カーン(K)の北欧神話でのモチーフはミョルニルを持つ雷神トールという神であると考えます
つまり雷も五月雨も、それを引き起こしたのはカーン(K)だと思います
そしてこれが、狼の少年達の新しいストーリーの始まりだと思います
🍀新たな旅路
♣️の次は♦️です
次は夏、昼、お金、商売、地の星座
地の星座は牡牛座、乙女座、山羊座私の考察通りなら牡牛座はルイ(YUMA)、乙女座はルカ(MAKI)、山羊座はマハン(FUMA)
『守る』『守られる』ような関係と考えているので、ルイはタヘル(TAKI)、ルカはルスラン(HARUA)、マハンはエンジー(EJ)と何か起きるかもしれません
更にその中で『お金、商売』で考えると、ギリに出会うまで阿漕な方法で稼いでいたエンジー(EJ)がより当てはまる気がします
尚、誰がどの守護星や星座なのかは、こちらの『4.DARKMOONと惑星と星座』の欄を参考にしてください
4.他のMVとの関連
更にこの北欧神話から他のMVとの関連を見ていくと、'五月雨(Samidare)'とも特に関わっていそうなのが'Road not taken'です
そしてカーンの背番号『9』について新たに分かった事
このふたつに関しては、また次回詳しく御説明出来ればと思います
いつ終わるか本人も分からない五月雨考察笑
最後までお読み頂きありがとうございました