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Jリーグおじさんが初めて全日本大学選抜を観に行った話

ここに4枚のチェキがある。

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左が関西学院大の木村勇大選手(京都内定)、右が日本体育大の三浦颯太選手(甲府内定)、そして中央が前述した2選手の2ショットである。

 話はさかのぼること6月25日。季節外れの日差しが照り付ける中、普段のJリーグ開催時とは違った雰囲気が漂うレモンガススタジアム平塚で行われた全日本大学選抜と全韓国大学選抜の日韓戦。
 特に誰かを応援していた訳でもなく、誰が観たい訳でもなく、将来的にプロとして活躍する選手を大学在籍中からプレーを観たいというミーハーな気持ちが最も強かった。

午後3時30分 入場開始

 チケットを購入し、その場で座席を指定する。自席へ向かう前にコンコースでとある貼り紙を見つけた。来場者限定で応募できるサイン入りチェキの申し込み用QRコードである。

 今回の全日本大学選抜に選出されている選手が一人ずつ写っているサイン入りチェキが各選手1枚ずつ。そして2ショットで写っているスペシャル版と称されたチェキが3種類。私は記念に持って帰れるならと、スペシャル版の木村勇大選手と三浦颯太選手の2ショットチェキを申し込んだ。

午後5時 キックオフ

 試合は流通経済大の齊藤聖七選手(清水内定)が前半10分に先制点を挙げて1-0で試合を折り返した。

ハーフタイムには試合前に申し込んだチェキの当選者発表が行われた。スタジアム内のアナウンスで当選した座席番号が読み上げられ、同行していた友人は先に当選が分かっていた。
そして終盤に私が座っていた席の番号が読み上げられた。当選したのである。

 まあここまでは先に記述した通りのことなので、驚きも何もないかもしれませんが。笑

 チェキが当選したことで前半よりも更に木村選手と三浦選手を観る目が変わってしまいまして。すると木村選手は後半に3得点を挙げてハットトリック。三浦選手は終始上下動を繰り返して巧みな左足で攻守に貢献。
 試合は5-0で勝利しました。わーって感じでしたね。ワールドカップの時に渋谷のスクランブル交差点で騒ぐ人たちの気持ちが少しは理解できたかも。そんな規模の大きな話ではないけれども。

 話は少しズレましたが肝心のチェキである。試合後に出口で受け取るシステムらしく、帰る支度をしてスタンドからコンコースへと向かった。
少し薄暗い場所に会議用の長テーブルが置かれ、スタッフ2名が立っていた。チケットの半券を提示し、当選したチェキを受け取る。

 が、しかし、私が受け取るはずであったスペシャル版の2ショットチェキが見当たらない。薄暗い中で何度も探すが見つからない。急いで帰る用事もなかったため、スタンドの観客が全員帰るまで待ってみることにした。

 そこに残ったのは三浦選手ソロのチェキである。ここで考えられることはひとつ。ご察しの良い人は気付いているかもしれないが、三浦選手のチェキを受け取るはずだった方と中身が入れ替わってしまったということである。

 誤ってチェキを渡してしまったスタッフの方(大学サッカー連盟?アルバイトさん?)は何度も頭を下げながら、「申し訳ありませんでした」の言葉を繰り返していましたが、起こってしまったことは仕方がないことなので「大丈夫ですよ!気にしないでください!」と言った形でその日は三浦選手ソロのチェキを持ち帰った。とは言うものの、試合でハットトリックを達成し、MVPに輝いた選手のチェキを諦めきれない想いもあったため、ダメ元で2ショットのチェキを持っている人がいないか呼びかけてみた。※下記ツイート参照

6月29日

 見知らぬ番号から携帯に電話がかかってきた。普段なら知らない番号からの電話は出ないようにしているが、何故かその時は応答のボタンをタップした。
 電話の相手は全日本大学サッカー連盟であった。4日前の日韓戦で試合後に起こった事象に対する謝罪と木村選手のチェキを改めて手配し、郵送してくださるという内容であった。
考える理由もなく、「よろしくお願いします!」と即答した。

7月2日

とあるTwitterアカウントから以下のDMが届いた。※内容を一部抜粋

”Twitterで木村勇大くんと三浦颯太くんのツーショットチェキを探していると聞きました。そのチェキを持っています。"

 正直驚いた。タイミングも含めて。一度は諦めかけたタイミングで全日本大学サッカー連盟の方から連絡があり、その3日後には2ショットを所持している方から(正確には代理で)連絡があるなんて…。郵送で送ってくださることとなった。ここでひとつの質問を投げかけられた。

"ところで、三浦颯太くんと木村勇大くんのファンですか?"

 前述したように、自分はミーハーで誰を応援している訳でもない。言うなれば全員を応援している。この内容を包み隠さず伝えた。
すると、驚きの返事が返ってきた。

"チェキを持っているお友達と私たちは、三浦颯太くんを以前から応援しているので、これから颯太くんのファンが増え、応援してくれるのでしたら、颯太くん(ソロ)のチェキを持っていただけたら嬉しい"

 このメッセージを見た時、言葉が出なかった。大袈裟な表現ではなく、現実でこの状況になることがあるのだと驚いた。強いて言葉を発していたとすれば「まじか…」くらいだと思う。私の語彙力ではこれが限界。今後、三浦選手を心から応援することを強く胸に刻んだ。

 数日後に2ショットのチェキが手元に届いた。
 そして試合日から約2か月経過した8月30日。新たに手配していただいた木村選手のチェキも手元に。

 これまで自称Jリーグおじさんとして全国(は言い過ぎかな)のスタジアムを渡り歩いてきた中で好きになったサッカー選手は数多くいる。人間性やプレースタイル、容姿や立ち振る舞いなど様々な理由でサッカー選手を好きになることはあるだろう。

 しかし、今まで出会った選手とは話が変わってくる。当該選手のファンである方の温かさが選手を好きになるきっかけになることを知った。

 昨今は各Jクラブが個人のタオルやブランケットなどのグッズを販売し、チームよりも個人にフォーカスした応援がしやすくなっているような気がします。

 特定のサッカーチームを応援していても、特定の選手を応援していても、どちらにせよサッカーを愛する同士であることに違いはありません。これからの日本サッカーを発展させて盛り上げていくためには、この記事を読んでくださっている貴方こそが自分の愛するクラブや選手の魅力を伝えて発信していく必要があります。

 誰かの愛するサッカーを否定するのではなく、自分が愛するサッカーを共有しあうことが今後の日本におけるサッカーの在り方を変化させると思います。

 少し話が飛躍してしまった気がしますが、サッカーが好きな一個人としての意見ですので共感だけでなく、皆さんが思ったこと感じたことを共有してくだされば嬉しいです。

 最後になりましたがこの度は三浦選手のファンである譲ってくださった方と代理で連絡をくださった方、そして新たにチェキを手配して下さった大学サッカー連盟の方と木村勇大選手には心から感謝申し上げます。

 これからも木村選手や三浦選手をはじめとした大学サッカーを応援していきたいと思います。是非皆さんもスタジアムで一期一会の体験や感動を味わってください!

 世界中のサッカーファンに幸運が訪れますように。

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