「香り」の功罪
もくせい舎で手作り石けんを作り始めるようになり、洗顔や入浴、洗髪はもちろんですが、食器洗いや洗濯にも、石けんを使うようになりました。食器洗い用の液体石けんは「手肌にやさしいオリーブ100液体石けん」としてネットショップで販売していますが、洗濯用の粉石けんは、家庭からでる廃油を材料に作っています。
ちなみに粉石けんは冷水でやや溶けづらいという難点はあるものの(洗濯には風呂の残り湯を使っている)、洗浄力は合成洗剤よりも高く、室内干しでも嫌な匂いがつきません。今の流行りでいえば、実にSDGsに叶った洗浄剤です。
もう一つ気に入っている点は、香りがつかないということです。これは使い続けるうちに気づいたのですが、たまに実家に帰ってお泊りすると、合成洗剤で洗濯しているために、シーツについた洗剤の香料の匂いが鼻につき、なかなか寝付けなかったり、起きた時頭が痛くなったりするようになりました。人工的な「香り」が当たり前だったときには気にならなかったのに、すごく敏感になったんです。
人工的な香料が原因で化学物質過敏症というアレルギーを発症する人もいると聞きます。そもそも洗濯物に人工的な香りをつけるのは、体臭や汗臭さで周囲に嫌な思いをさせないためだったのかもしれませんが、今や毎日入浴し、一度着たら洗濯するのが当たり前になっているこの清潔な社会において、その香料は本当に必要なのだろうかと思わざるを得ません。
人工的な香りを極力避けることで、逆に自然の香りに敏感になれます。嗅覚は、人に何が安全で何が危険であるかを見分けるための感覚。その感覚を、もっと大事にしたいものです。
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