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男女同権

人類は男性と女性にどうして分化したのかというと、効率的に環境に対応した子孫を残すためだ。子孫を残す方法はいろいろあるが、男女に別れる方法は人類が選んだ道だ。

選んだのか、割り当てられたのかは各論あって根拠が定かではない。しかしこの方法は理にかなっていて、自然環境変化に一番対応しやすい方法だと考えられている。

男女がそれぞれのDNAを精子と卵子という形で半分ずつ持ち寄り、ウィルスの力を借りながら新しい生命を生み出す。本来DNAだけで可能なはずなのに、ここにRNA が関与している。最近は研究が進みマイクロRNAに関しても報告がされている。

わざわざ、RNAに転写させて新しいDNAを構成する。ミス転写、ミスプリントを想定しているのだ。

全く同じ性質の個体を大量に作っても、大規模な環境の変化があった場合に追従できない場合があると考えられる。

それを見越してのRNAとウィルスの協調だ。ウィルスの働きは偉大で無視することはできない。

ここにきてやたらと男女同権という言葉が耳に聞こえるようになった。男女の違いとは単なるホルモンの違いだけだ。生物的に男女の優劣はない。

男女同権とは女性の権利を認めない思想から発生していることが想定できる。

日本には古来、男女同権という発想はなかった。お互いに自然に認め合っているので、卑弥呼が統治したり、清少納言、紫式部等々女性も自然に活躍している。平家物語においても巴御前が、大力の敵将御田八郎を馬から引き落とし、首を切ったなどと伝えられている。

男女の違いはホルモンによるのだが、その作用効果は甚大で行動を左右し、男性は活動的で、生活の糧を得てくる、女性は家庭を守り子供を育てる。

男性に家庭を守らせたければ、女性ホルモンを注射すればよい。間違ってもそのまま自然の男性に子育てをさせると、いつか重大事故を引き起こすことになる。

日本人は元から男女同権を自然にやってきたので、こんな意識は発生しなかった。どこからこの意見が始まったのか、興味を持って調べていた。

なかなか日本人にない発想なので原点を探ることが難しかったが、最近売り出し中のマルクス・ガブリエル(ドイツ人哲学者・ボン大学教授)の著書を読んでいて、大発見をした。

「嘘つきのパラドックス」を説明する過程で、

多様性で言うと、第一段階の排除は、女性や黒人などのマイノリティを排除することに当たります。第二段階の排除は、女性や黒人を排除するものを排除することです。第一段階の排除には排除者は含まれないが =以下略=(世界の針が巻き戻るとき p.115 マルクス・ガブリエル)

ドイツ人の哲学者の彼はハッキリと女性や黒人などのマイノリティと表記している。明らかに差別主義者なのだ。私の友人のアメリカ人も、女性には家庭経済を任せないそうだ。財布は自分が管理し、毎日毎日その日1日分の家事費を手渡すそうだ。

男女同権という言葉は、かの国の女性たちが自分で自由になる金銭が欲しくなり、働きに出る権利を勝ち取ろうとしたときに始まったと思われる。

このマルクス・ガブリエルは、日本の文化に興味を持っているのだが、自分が天才であり現代思想の中心だと自負しているところがあって非常に面白い論理展開をしている。

彼の著書は独断と偏見に満ちているので、近年稀に見るほど面白い。読みながら、日本とヨーロッパ、アメリカとの文化の違いを楽しんでいる。


 

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