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「縄文時代驚異の科学」を読んで(後編)

著者 齋藤勝裕  2023年10月25日発行 
発行所 株式会社シーアンドアール研究所




縄文時代の住居

高床倉庫

高床式の建物は弥生時代になって作られたとされていたが、現在では縄文時代にすでにあったと結論付けられている。

このように歴史が更新されていくことは良いことなのだけれど、昔勉強して覚えたものは一体何だったのだろうかと思うことって多々ある。
こうして知ることがなければ、覚えたものが更新されることもないのだから。
この時代にすでに高床倉庫があったことを知った時、やっぱりなと思った。
それは、縄文時代とは、昔思い描いていた原始的なイメージとは全く異なり、文明や技術がかなり進歩していたことを知ったからなのです。
だからこの位のことでは驚かないよ。


技術

高床式建築の部材はホゾ・ホゾ穴で接合されていた。

建築のことに関しては知識がなく、今まで柱と柱はつるなどで縛っていたのかなと勝手に思い込んでいたのでノーマークでした。
高床式建築を細部までじっくり見ることはなかったから、改めてこれから注目だ。
それにしても、縄文時代にすでにこの技術が確立されていたとは、これについてはかなり驚いてしまった。
やはり縄文人は侮れない。


縄文時代の金属器

縄文時代の遺跡から金、銀などの金属の遺物が見つかったことが無い。

縄文時代と金

日本は黄金の国。縄文人が金のかけらを見つける可能性はあったと思われるのに遺跡から金が出土しないことは「縄文の不思議」。

こういう謎が縄文好きにさせてしまう魅力なのだ。
海外でも日本でも、どの時代にも金が重宝とされてきたのにどういう訳だろう。意味さえ解らない。
縄文人が黄金の美しい輝きに魅了されないだなんて、是非とも理由が知りたい所です。


抜歯

この抜歯については、どうにも共感できずにいます。
どう考えても痛過ぎる。
健康な歯をわざわざ抜くのだから、かなりの強い理由があると考えるのが自然だと思うのですが。
歯を抜いたら食べ物噛みづらくないですか?と縄文人に聞きたい。

定説では、成人の儀式や結婚、身内の死などの人生の節目に抜歯を行っていたとされている。
またこの本では、結婚式の時に、自分の村か他の村かの出身を区別するための抜歯なのではないかという分析もあるようだと書かれている。
抜歯は縄文の中期末に始まり、後期から晩期にかけて盛んになるとのこと。
その辺もヒントになりそうです。

ここで歯医者さんからの視点で、縄文人の抜歯について、考えを述べられているブログを見つけたので紹介したいと思います。

歯医者さんだからこその面白い考えです。
歯のことについて少し勉強にもなりました。
これをきっかけに、抜歯以外の謎についてもそれぞれの視点を持った方々の考えが聞きたくなりました。


縄文人の社会階層

集落の構造や遺体の埋葬方法から、縄文人には明確な社会的階層は存在しなかったと考えられている。

村をまとめるための首長やシャーマン、所謂リーダーのような人たちはいたらしいです。
しかし重い障害のある人を村全体で介護していたというニュースがありましたが、そういった観点からも縄文時代には社会的階層はなかったと言えるのではないでしょうか。


破壊された土偶の謎

一般的に土偶とは女性を模ったものとされ、安産や豊穣を祈るため、祭儀にも使用したと言われていますが、それだとこの本にも書かれてあるように、壊したり、埋葬されたりしていることと確かに辻褄が合いません。
使い終わった呪物を壊してから破棄する観念があったのではないかとも本に書かれています。
意図的に壊されていた間接的な証拠があるそうで、壊すことに何らかの意味があったと思われますが、そもそも土偶自体も謎が多いですし、これは難題です。


終わりに

縄文とはいったい何なのだろうか?
突如として私が知ることとなった謎多き縄文。
縄文の謎を解きたい。
なるべくいろいろな角度から縄文のことを知っていきたい。
縄文人たちの時代背景、衣食住、文化、風習など様々なことを知ることで少しでもお近づきになりたいのです。

ではまた。

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