基本合意書を締結する7つのメリット
今日は条件交渉で概ね合意した後の手続きである、基本合意書締結の話をします。
基本合意書の主な役割
1.売り手と買い手の認識の齟齬をなくす。
これは、当然ながら「言った言わない」のトラブルを避けるためですね。
2.本件につき、競合に対して排他性を持たせることが出来る。
基本合意書を提携することで、一定期間(1ヶ月〜3ヶ月)の期間、他の買収候補者と交渉出来なくすることです。交渉優先権とも言います。
3.スケジュールをはっきりさせる。
これも重要です。2と重なりますが、時間軸を決めることで、お互いの交渉をコミットさせることが可能になります。
4.最終契約書のベースとなるため、時間が効率的になる。
基本合意書には、買収価格、買収スキーム、雇用条件など、概ね主たる論点を決めるので、最終契約書(投資契約、株主間契約、事業提携契約等)のドキュメントが効率的になります。
5.買い手にとって、デューディリジェンスに対して十分な協力を得ることが出来る。
基本合意書には、セルサイドにデューディリジェンスに対して協力的にする旨の文言を入れるため、必要な書類の開示や、スケジュールを効率的にすることが求められます。
6.金融機関に対して買収計画を書面で提示出来るため、資金調達が円滑に進められる。
バイサイドが銀行から買収資金を調達する際、基本合意書は極めて重要なエビデンスになります。
7.法的拘束力(non binding)はないが、心理的ハードルや案件進捗が進んでいないと締結困難である。
または案件がそれほど大きくない場合は、買収条件をバイサイドだけが印鑑を押した差し入れ形式の基本趣意書をバイサイドからセルサイドに提示するだけの場合もあります。
【お知らせ】
8月20日、IPOのお話をさせていただきます。
ぜひご参加くださいませ。