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【今週は1名様ご入会!】週間レビュー No.291 公募増資は160キロのストレート

今週は1名様にご入会いただきました。深く御礼申し上げます。

今週からはリアルイベントでお話した楽天公募増資3000億円のお話をしています。

以下、リアルイベントからの文字起こしです。

私、何度もこのサロンで言ったかもしれないんですけれども、プロ野球で言えば、公募増資って、純粋に株を追加で増資するだけなので、いわゆるその大谷選手みたいな160キロを投げれるストレートなわけですよ。でも誰もが投げれるわけではないんですね。

健全な財務内容と流動性を持っていない会社は公募増資ってできないです。証券が引き受けてくれないんですよね。募残リスクが あるからだけど、公募増資ができるっていうことは上場会社としてある意味一流ということなんですね。

サイズの大きさはともかく公募増資が初めて一人前なんですよね。それはなぜかというと、要は希薄化することはわかっているんだけどこれを成長投資に使う、希薄化した分だけのEPSは必ず上げます、そこから将来的には株価を上げていきます というエクイティストーリーを 株主が理解してくれたから買ってくれているわけなんで、これは上場会社にとって最高なパフォーマンスだと思うんですよ。この話は覚えておいたほうがいいです。

公募増資がファイナンスとして一番単純明快でありながらも一番 最高のステータスであるというところは、100マイルのストレートと一緒だっていうことを申し上げていて、一方で、誰も100マイルの球を投げれるわけじゃないから、カーブやシュートやシンカーを投げるわけじゃないですか。スライダーとか。

それは何かっていうと ファイナンスでいけば転換社債だったり新株予約権だったりするわけですよ。要はまっすぐ直球ではマーケットの需要がなくて、株を買ってくれないから、だったら転換社債だったら買ってくれますか、新株予約権だったら買ってくれますか、MSCBだったらどうなんですかというところを変化球を投げるわけですよね 。

発行できるからまだいいんだけども、だけどそういったものっていうのは、あくまで仕組みを使ったファイナンスであって、それは直球を投げられないために、やってるわけですよね 。公募増資をするだけの実力がないけと、だけど調達しないといけないから 転換社債やって、新株予約権があって、MSCBがあってって話になっ てます。

だけど問題はご存知の通り、公募増資って直球なので、要は全く仕掛けがありません。だから、バットの芯に当てられたら持っていかれるわけですよ。客席というか場外というか、失敗した時のリスクが大きいです。要は需給を見誤ると株価を大きく下げるリスクがあるわけです。

そこの見極めをするということが、主幹事のの役割です。
いわばマーケットに信頼されるかどうかっていうことが、やっぱすごく重要で、じゃあ今回の 楽天どうだったかのかっていうのはあとで最後にお話をしたいと思います。

ただですね、ちょっと見ればわかる通り、今回の資金、公募増資めちゃくちゃ重要 なんですよね、だって成長戦略使うんでしょ、投資でCAPEXに使うんでしょっていう話の中で、なんか社債の償還資金100億で、680億は来年2月の 償還資金なの?とかで、なんでDebtの返済エクイティでやるわけ?って話になるわけですよね。そうしたらこれ成長資金に回らないじゃないですか。そういったところきっちり見るわけですよ。これは本当に成長資金じゃなく、単にその Debtの借り替えが効かなくてEquityやらされているだけなんじゃないのっていうのが更生法前のJALだったわけですよ。

楽天がどれだけ追い込まれていたのかというところは 少し考えなきゃいけないと思っっています。

来週もよろしくお願い申し上げます。

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