【週間レビューNo.271】ワールドカップで注目されるABEMA TVの見立て
今週の週間レビューです。
今週はほとんどがワールドカップサッカーの話が多く、フィナンシャルトピックは少なかった週でした。
ワールドカップの放映で、サイバーエージェントのAbemaTVががぜん注目されているわけですが、昨年サムオブザパーツ、DCFで評価した時、基本的には事業価値は大幅なマイナスであり、それをゲームと広告が補っているという構図でした。
基本形は今も変わりませんが、GAFAMを見ている通り、広告が若干見通しが分からなくなっている中で、ゲームもボラタイルな事業であることから、Abema TVが今後どのくらいで黒字化するか注目するところではあります。
ただ、コンテンツ(番組)制作費が他の民放の半分くらい300億円〜500億円ながらも、そのコストを広告と有料課金で賄うのは、あと3年以上かかるというのが、我々の見立てですかね。
ワールドカップの放映権が200億円近いそうですが、ここで、捉えた会員が有料課金に繋がるとは考えにくく、このコストは基本的には認知度引き上げの広告効果として考えた方がよさそうです。
ワールドカップやオリンピックは開催期間があり、通常のスポーツはシーズンがあります。要はシーズンや大会が終わると課金を辞める層が多く、じゃあ、サッカーファンがそのまま野球やラグビーを見るかというとそういうことにはなりません。
一方で「にわか」は所詮「にわか」であり、継続的なユーザーになりにくく、ワールドカップが終われば、来春のWBCに行くだけの話です。ここが有料課金ビジネスの難しいところです。
それでは、来週もよろしくお願い申し上げます。
【フィナンシャルトピック】