介護報酬改定で自立支援介護へのシフトした背景
高齢者の生活を支える上で重要となってくる介護保険制度。
介護保険制度は1997年に公布され、2000年からスタートしました。
介護保険制度の中には、介護保険サービスの提供事業所に支払われる介護報酬というものがあります。
あらゆるニーズに対応するために、定期的に改定していることが特徴です。
2018年は、3年に1度実施される介護報酬改定の年でした。
この改定で最も注目されたのは、自立支援介護を重視した新しい介護報酬体系へのシフトについてです。
自立支援介護とは、できるだけ利用者の主体性を尊重するという考えを基礎としながら、自立した生活を維持させたり、あるいは向上しようと促す介護のあり方のことをいいます。
これまでは、日常生活で身の回りのことができない利用者に対して、介護者がその部分をサポートするサービスを主体にしていました。
ところが、この方法では、利用者の主体性や自立心を伸ばしづらくなるだけでなく、介護サービスに依存してしまうので、自立した生活から遠ざけてしまうと考えられるようになりました。
特に、利用者への過介助は依存度を高めやすく、介助によってかえって自立へのモチベーションを下げてしまうという、負の循環が懸念されています。
そのため、国が介護報酬改定で自立支援介護へ重点をシフトしたのは、このような背景が影響しているようです。
また、それと同時に、年々増加する社会保障関連費を抑制したいという意図も見受けられます。
したがって、2018年度の介護報酬改定を受けて、要介護や要介助の認定ランクの低い利用者に対する生活援助サービスは、今後徐々に減っていくことが予想されるでしょう。
もしも今後、長く介護業界で働いていきたいと考えているのであれば、こうした介護報酬改定の情勢を見て、働き方を検討した方がいいといえます。
前述した通り、要介護度や要介助の認定ランクの低い利用者への生活援助サービスが無くなっていくことを考えるなら、今のうちの段階から要介護度の高い利用者が入所する施設でスキルを磨いた方がよさそうです。
介護報酬改定のポイントについては、★介護報酬が変える介護業界★のサイトに詳細が書かれているので、ぜひそちらも読んでみることをおすすめします。