ウェブサイト保守案件での顛末書の書き方
ウェブサイト保守案件の教科書 vol.1
初回は、滅多に書くものではありませんが顛末書の書き方から覚えてもらいます。
ウェブサイトの新規構築やリニューアル案件であれば、まず顛末書を書くようなことは起きないと思います。しかし、公開されているウェブサイトに作業することもある保守案件では、思いもしないトラブルが起きることがあります。
顛末書を一度も書いたことがない幸せな人も多いかも知れませんが、いつ顛末書を求められるか分からないので、書けるようになっておいて損はありません。
顛末書を書くときの注意点
謝罪のためではなく信頼回復のために書きましょう
正確な情報と真摯な対応が求められます
第三者が読んでも理解できるように書きましょう
できるだけ数字を入れて具体的に説明します
社内で入念にレビューしてもらいましょう
想像以上に時間と労力を消費するので注意してください
顛末書の書き方
いきなりだとフォーマットも分からないので、過去に提出された顛末書がないか確認しておきましょう。
ウェブサイト保守案件での顛末書の情報が見つかりませんが、ウェブサービスなどの障害報告書で検索すると参考になるものが出てきます。
まずは、ビジネス文書として下記を記載します。
概要しか読んでもらえないこともありますので、国語力を駆使して過不足なく簡潔に要約してください。
顛末書のメイン部分ですが、だいたい下記のようなことを記載します。
発生事象
何が起きたのかを箇条書きで簡潔に書きましょう。
発生期間
YYYY年MM月DD日 hh:mm〜YYYY年MM月DD日 hh:mm 形式で書きましょう。
時間はhh時頃でもいいですが、いつから問題が発生していたのか正確な日時を求められるので、入念に調査しておく必要があります。
影響範囲
影響を受けたページ数、Not Foundになったアクセス数など、機会損失がどの程度あったのかを把握できる数字を記載します。
明確な数が不明なときは、納得してもらえる算出方法で推測値を割り出して記載しましょう。
事象の原因
何が原因で発生したのかを記載します。
特にシステム的なトラブルのとき、複数の原因が複合して問題が発生することもあるので、徹底的に調査、検証する必要があります。
詳細な調査結果をもとに再発防止策を検討しましょう。
事象の経緯
時系列で、どのような状況で事象が発生したのか、どのように対応したのかを詳細に記載します。
初めは、どうしたらいいか分からずパニックになると思うので、トラブル発生時の対応については別途まとめようと思います。
再発防止について
再発防止策について記載します。
ただし「気をつけます」「ダブルチェックします」は信頼回復につながりません。例えば操作ミスが原因であれば、誤った操作を出来ないようにする
フールプルーフ的な対策を講じると安心してもらえます。
顛末書を書かないようにするには
顛末書を書くことになると、自分だけでなく関係者の時間と労力も奪うことになります。
それを防ぐためにも、ウェブサイトの新規構築やリニューアルの時点で、先々のことを考えてリスクヘッジを考慮した設計にしておく必要があります。
顛末書の提出や再発防止策の実施など、まだまだ対応は続くので、顛末書を書き上げたら、一旦 早く帰って、温かいお風呂に入ってからゆっくり休んでください。