順締のすゝめ 音と金属比重の話
サックスはマウスピースにリードをつけるために締金を使うんです。いわゆるリガチャーといいます。外国人の友人はリガトゥールと呼んでいました。何語やねん。
このリガチャーなんですが非常に色々なものがあり、楽器好きにはなかなか楽しいギアだったりします。
みなさん色々好みに合わせたり、ビンテージの貴重なものだったり、宇宙素材を使った新しいものだったりを使うわけですね。
これがまたマウスピースと同じで非常に沼だったりするんです。かくいう僕もいろんなものを入手して手放して、、を繰り返してまして、もうこの20年近くで何個つかったかわかりません。
結論ですが、僕は順締のものが好きなんです。
ネジが下にくるタイプということですね。
もちろん逆締めも、ワンスクリューのものも使ったことがあります。でもなんか使いづらくて、結局順締めに辿り着きました。
今日、本当に話したいことというのは最後に書くことにしますが、まずは今僕がもっている順締締金くんたちを紹介しておきます。
まずはマーティンです。あんまり詳しくないので年代まではわかりませんが、非常に良いです。吹きやすくて楽に大きい音から小さい音、高い音から小さい音へ、みたいなのが楽ちんな感じです。
マーティンは、昔師匠に借りて使った時にとても良かった印象があって、ずっと良い出物を探しています。いまでも。
続きましてセルマーのおそらく凄く古いやつ。
これはほんとに爆裂いいです。僕がもってるものの中で一番いい。わーっといい音がしちゃいます。ただ、見た目が好きじゃないのと、なんか音が華やかすぎるほうに変わっちゃうのが嫌でつかってません。これ1920年代、、って誰かが書いてましたけど、ほんとなんですかね。わかんないです。けど吹いてみるとあまりにいいので信じちゃいますね。わかんないけど。
こちらは現在つかっているブラスのマーティンです。まぁまぁって感じですが吹きやすくてバランスがよいんです。で、これネジがちっちゃいんですね。このねじのことで最後に一番言いたい金属比重の話をします。
ずっと使ってました、知る人ぞ知るAP&M。なんの略かは忘れました。アメリカンなんちゃらマニュファクチャーとか、そんな感じだったかな。ネジはなんかにくっついてたやつを移植してます。このねじのいいんですよね。
今のリガチャーについてるのは大概鋳物ですが、このネジはちゃんとしたやつです。ちょっと面積が大きいので、重たい、、のです。
キングです。あんまよくないです。いらないかな。
さて。
この締金、みなさん色々使われてますし、みなさんおっしゃるのが、ネジを変えると音がかわる、大きく太くなる、というんですよ。
考えてみてください。
金属って質量がそれぞれ違うんです。例えば総銀製や、金メッキのものを使って音が大きくなったり重たくなったりするのは当たり前です。
わかりますか、このニュアンス。重たくなるだけなんですよ。
ネジや素材の比重が重たくなったばあい、音が太くなるのではないんです。質量がおおきくなるわけだから、大きいのはあたりまえ、別に音の質がよくなるわけではないんだけど、みんなそれを鳴るといって喜んでるんです。
極論言ってしまえばもちろん口元に近いから音への影響とか吹きやすさは変わりますけど、鉛みたいなものをいろんなところにくっつけてしまえばいい、そんな考え方と一緒なんです。
単純に重量化して音を大きくして、良く鳴ると判断するのはちょっとナンセンスな気がしますよね。
むしろ軽量化したほうが良くなることだってあるわけです。
実際僕はヤナギサワつかってますが、ちょっと音が暑苦しいので、いくつか駆動に関係ない部品は外して軽くしてます。これはめっちゃいいです。
なので、重たい大きめなネジがついてるものをシンプルにありがありがたがらず、小さいねじのものを選んで僕は使ってます。
そういう考えも必要ですということで、いかがでしょうか。
ちなみにこの辺のいらないリガチャーは適当に処分しようと思ってますので、欲しい方はご連絡ください。
価格は交渉で、、。
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