【講義録】電力革命にそなえろ -電力ビジネス講座 入門編―
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今日は、電力目線の開疎化ゼミをやろうと思ったんですけれども、電力ビジネス編の要望が多かったので コロナのゴールデン企画の時行った第2回の電力ビジネス編の復刻版ということでさせていただきたいと思います。
そもそもですね、電力ビジネスというのはなんぞやというところお話をさせてもらうんですけれども
電力 ビジネスは他の商売と一緒なんですけれども、基本的にはものを作って、運んで、売るという形で考えてもらったらいいと思います。
作るというところは発電ビジネスになりますし、運ぶというところは送配電ビジネスになりますし、
売るというところは電力の小売ビジネスってなるので発電、送配電、小売りというところで3つに分けると考えやすいかなと思います。
電力ビジネスの最も重要なルールというところで、その他のビジネスの大きな違いっていうところを意識するところが今後出てくると思います。
一番大きな違いは、需要と供給をリアルタイムで一致させないと大規模停電につながってしまうところがあります。
これを如何に抑えつつビジネスをやっていくかというところなので
これ自体は送配電事業者の 義務なんですけれども、間接的には小売電気事業者も30分単位で需要・供給を一致させる義務があります。
まず一つ目というところで、発電ビジネスってなんだっていうところでお話しさせていただくんですけれども
今回は小売電気事業者の目線として、発電ビジネスってどういうものなんだというところで考え方がいいかなと思います。
小売電気事業者から見て、発電するのは一つのコストになるのでどれだけ安く調達できるかが重要となります。
その調達先として、発電事業者にどういう人たちがいるかと言うとJERA言われる東電
と中電の合弁会社、日本一の火力発電の会社です。あとはよく夜中の cm とかで
JPOWERを見たことある方いると思うんですけどこのあたりJERAとかJPOWERっていうところはものすごい多かったり、あとは普通の大手の地域
電力会社さんの発電事業者っていうのは大きなところを占めていると思います。あとは、その発電事業者が誰に販売するかというと電力卸売市場
JEPXていうのもありますし、発電事業者が直接小売電気事業者に
相対契約で、例えば東京電力エナジーパートナーや東京ガスやLooopなどの
小売電気事業者に販売していくというようなところがあります。そのため小売事業者から見たら、発電事業者から如何に安く買って、売っていくかという所が
一つ重要になってくると思っています。じゃあ、参考までなんですけど、発電事業者はどこが強いのかみてもらったら
見てすぐわかると思うんですけれど、もうJERAですね。東電と中電の合弁会社がかなり大きい
その後は、関西電力、東北電力 、JPOWER、九州電力、中国電力、北陸電力、北海道電力、四国電力の順になっていて、
基本的にほぼ発電事業者としては、地域電力会社が強いというふうに思っていただいていいかなと思います。
じゃあ、二つ目の送配電ビジネス、運ぶって言うところのビジネスになるんですけれども
ここの部分は、運んでもらうため小売電気事業者から見ると
託送って言われるような送配電コストになるんですけれども、実はここのビジネスっていうのはもちろん10個のエリアがあるんですけれど
そこの送配電会社が独占しているという形になります。なので小売電気事業者はそのエリアごとに
送配電事業者の送電線の利用料託送コストというのを負担して電力サービスを提供します。見てもらうと左に発電事業者ってあるんですけれども
発電事業者から小売発電事業者が電気を買い、発電コスト負担します。で、実際に電線で送電線を利用し運ばせてもらうので、
東京電力パワーグリッドだとか送配電者事業者に託送コストっていうのを負担する形になります。
じゃあ、送配電ビジネスっていうのは実際にあんまり関係ないんじゃないかと思うんですが
10の送配電事業者がビジネスが独占しているので関係ないかって思いきや、実は小売電気事業者からは運んでもらう料金を払うということなので
ものすごく重要になってきます。
送配電利用のコストという託送コストというのは
種類があり、基本料金と従量料金っていうのがあります。基本料金っていうのは固定的にかかってくる料金で従量料金っていうのは、その使った分の電力量
つまり、運んだ電力量の分だけかかってくるという形になります。
基本料金については面白いのが各需要家の年間のピークの電力使用量に合わせて料金があるので
年間のピーク電力を落とすことによって実は基本料金というのは安くなります。
従量料金で言えば2プラン用意されていてずーっと同じ単価である一単価プランと、例えば昼が高く夜が安いような二単価プランというのがあるので需要家によって
どちらのパターンが安くなるのかというところは
選んでいくほうが戦略上いいかなとおもいます。
じゃあ、小売電気ビジネスはどんなビジネスかというと
基本的には、発電コストと託送コストの2つのコストをどれだけ落としていくかっていうのが重要になります。
この図に見てもらうと分かるように小売電気事業者のコストは電気の調達コストと送配電コスト
でほぼ8割9割占めてくるので、それプラス管理コストになってくるので、この2つのコストをどう落とすかがカギになってくるというのはわかると思います。
じゃあ、発電コストってどんな仕組みになっているかと言うところでまず見てもらうと分かるのが、電力って卸売市場というのがあるので
市場から調達するっていうのが一番考えられるんですけれども、最近
2016年の電力の全面自由化を受けて日本の電力の約三割ぐらいが
JEPX というこの卸売市場皆さん調達するのでかなり大きな割合を占めてます。で、こちらの価格、例えばゴールデンウィークとのところ5月1日というところをみると
結構面白いのが、1日の料金で48コマ、30分ごとに価格がつけられているんですけれどもこれよく見ると
0時から始まるんですけど、12時くらいにほぼ0円っていうところになっているんです。これがなぜかっていうのもぜひ考えていただきたいですね。
この昼間が安くになってくる理由っていうのがもちろんよく考えても難しいんですけど、太陽光発電が増えてきて
ある意味過剰になってきて、需要と供給のところで供給過多になってくると安くなってくるっていうところは
バクッと覚えておいていただいたらいいかなと思います。本当はFITの送配電買取がでなりで入札するっていうのがあるんですけれども、その辺は無視していただいて
太陽光発電の影響は強いんだなというのは思っていただいて、夕方が高くなるのは何故かっていうと太陽光が沈んのような時間なんですね。
そうすると急に減って、その補うために火力発電所
ある程度コストが高くてもその発電所が炊き増しをしなきゃいけないということで
夕方は高くなってくるという風にバクっと思っていただいたらいいかなと思います。じゃあ、電力の卸売市場の価格でどんな傾向があるんだろうというお話をさせていただくと
簡単な表にさせていただきました。まずは平日のところで昼の1位て書いてあるけど、この昼は
やはり太陽光発電の影響で一番安いんですね。でよく夜間はもちろん需要が少ないので安くなります。
で、朝の太陽光を発電する前ぐらいのところで人が起き始めるので、
朝も少し高めになってくるんです。一番高いのはやっぱり夕方で、皆さんが会社にも居つつ、家にも帰って電気使用量が増えてくるような時間帯というところが一番高くなってくる形になります。
このように電力卸売市場の価格っていうのは動いているんだなと思っていただいて結構です。
休日はどうかというと会社が休みのところが多いので、電気を使用料って減っていくので、そうすると休日のほうが
比較的余裕を持ってできてくるので、平日よりやすくなるというような形になります。このようなことを頭に入れておくとどの時に発電調達
小売事業者のとして調達しやすくなるのかっていうのがよくわかるんじゃないかなと思います。
次は運ぶ方ですね。託送コストっていうのはどんな仕組みかというところで、先ほどもう少しお話しさせてもらったんですけれども、基本料金と従量料金の2本立てですと
基本料金の方はピーク電力を安くしたら安くなるというようなところですし、従量料金であれば
2つのプランがあるのでどちらをとる方がいいのか、例えば深夜営業のお店であれば夜の方のほうが電力量が多いので
夜、安いプランを選んだ方がいいかなと思ったりは出来るので、そのような選び方っていうのは今後考えていく必要があるかなと思います。
次ですね、電菱業界に大きな影響で5つの D、これは電力業界における5つの大きな流れですね。
このトレンドは絶対おさえておくべきところで、Dで始まるトレンドを押さえておくとかなり電力業界がよく分かるというような話になります。
その5つのうち1つがまず、Depopulation
人口減少・過疎化というところです。De-carbonization脱炭素化、De-Centlization分散化、Deregulationの制度改革
Digitalizationのデジタル化、この5つは電力業界の方、ぜひ覚えておいていただきたいなと思います。
具体的に一つずつ説明させていただくと、Depopulation 人口減少っていうのは電力ビジネスにおいて影響をあたえるんですね。
人口が減ると1人あたりだいたい電力の使用量ってそれほど変わらないので、電力の総量が減っていきますし
しかも、電力を作るインフラっていうのは結構固定費がかかっていようなものが多いので、そうすると人口が減っていると1人当たりの送配電線の
維持コスト、インフラコストっていうのはやっぱり上がっていくんですね。そうするとコストというのはどんどん上がっていくという傾向が見られると思います。
その他の影響もぜひみなさんいろいろ考えてみていただきたいなと思ってます。
次ですね、De-carbonization脱炭素化ところの影響
になるんですけれども、もちろんこれはをとにかく二酸化炭素を減らしていこうって圧力はもちろん皆さんよくご存知あり、パリ協定とかあるので
アピールが強くなってくるんですけど、そうすると先ほどのJERA、日本一の火力発電所の会社が火力発電所が使いづらくなってきますし、
再生可能エネルギーはもちろん二酸化炭素の排出が少ないので基本的には、そこへどんどん投資をしていくというような流れになってくるっていうのは
バクッと覚えていただいてといいかなと思います。
じゃあ3つ目ですね、 De-centralization分散化の影響、ここは少し
イメージしづらいと思うんですけれども、今まで電力業界っていうのは、例えば原子力発電や
大きな大規模火力発電を作って、大規模集中型発電所から大量に運んでくるというようなやり方
中央集権型だったんですが、
太陽光発電というところが流れを変えて、全国でどこでも点在するような形になってきて、全国に太陽光発電特に変動電源
お天気まかせのような電源がですね、分散的に配置されるようになってきました。こうなってくると
面白いのが、今までは集中的に少しの数の大きいものをコントロールすればいいだけあったのが、もういろんなってところに発電所ができるのでコントロールの仕方
まさに需給を調整する仕方というのが全然変わってくるのでそのあたりにパラダイムシフトが起こってきたりします。あとはその太陽光発でみたいなところは
かなり昼間に発電するのが多いので、実際に昼までは太陽光でいっぱいになってしまって、実は火力発電
で発電する余力がなくなってしまうというようなところで、今で一日中ある程度火力発電を行っていた発電事業者としては
昼間はやすくなってしまうのであまり儲からないと
、朝と夕方夜みたいなところにしか発電できないというようことになってきます。
発電事業者としては稼働率が減ってくるので、儲かりづらくなってくるっていうようなところは少し想像できるのかなと思います。
次ですね、Deregulationていう制度改革は
一番有名な2016年の電力の全面自由化というのはあるんですけれどもで、実はその前から2000年くらいからですね
発電の自由化みたいなところはすでに始まっていて大手の電力会社以外にも例えば製鐵所みたいなところの余った電気を発電事業者として売る
ができるっていうのが、すでに始まっていたので
発電と小売自由化っていうのを両方進めるというふうに思っていただいたらいいかなと思います。
あとよく2020年で送配電分離と送配電ビジネスの会社先を分離していくというようなことがされていったんですけれども
そうなっていくとどうなるのかというのはいろいろ考えてみたら面白いかなと思います。例えば、旧一般電気事業者の東電などのプレイヤーは
どういう動きをするのか、あるいは東京ガス 、JXTG
KDDI みたいなガスとか石油だとか通信だとかっていうような
インフラ系の会社がどういう動きをしていくのか、送配電事業者はどうなっていくのかみたいなところは想像するといろいろと面白いことが出てくるかなと思います。
はい、実際に何で自由化するのか少し背景を話しさせていただくと
自由化する前で総括原価方式ということで、かかったコストに一定の利益率を積んで
小売料金を決めているというところでそうなってくると実は減らす必要ないですよね、とにかく停電させないようにするっていうことになってくれば、
ある意味、過剰設備にしていこうという発想にやっぱりならざるを得なくなってきて、そういうことで使った分だけは回収できるという
プランなので余裕をもった過剰発現になりやすい。ただ送配電でいえば、日本中過疎の地域にももちろんこそは回収できる前提なので、そういう意味ではもちろん全国津々浦々
電力網が張りめぐらされているというところ、ただ小売という観点、需要家が電気を使うときには競争がないので
どうしてもそのコスト削減ってインセンティブが働きづらくなるので、やっぱり競争させてコストを下げるようなインセンティブにすることで需要家に
メリット生まれるような面で自由化が検討されているのが現状かなと思います。
じゃあDegitalization、デジタル化っていうのはみなさんこれ dx と言われるデジタルトランスフォーメーションと言われるのはどこの業界でも
言われるんですけど、例えばデータをとっていってエネマネサービスが出てきたり
エネルギー以外、宅配部分で在、不在のようなサービスに活かしたりだとか
あとは実際にいつ発電しているか、どう発電するか発電予測だとか、故障検知だとかっていうところで稼働をどんどん効率化していくみたいなところに
も使えるかなと思います。
はいじゃあ、電力ビジネスのまとめになるんですけれども
電力ビジネスには発電、送配電、小売の3つのビジネスに分けるとわかりやすいです。小売電気事業者のコストは電気調達のコスト、託送コストと管理コストあるんですけど
主に発電コスト、託送コストが大きな比率を占めていますと、電力業界の5Dというところは
人口減少、脱炭素、分散化、制度改革、デジタル化って言うところの5つの傾向は覚えておくと色々と役立ちますということでした。
はいみなさんいかがだったでしょうかこのような形ですね色々と覚えていただくことで
今後電力ビジネスっていうのがまぁ興味を持ってもらえたらいいかなぁと思います。今日はどうもありがとうございました。
電力関連を中心にほぼ毎日気づきを書いてます!少しでもお時間があれば立ち寄ってご一読いただけると嬉しいです!