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僕とサイパン

イングレスアドベントカレンダー2019の一つとして、「僕とサイパン」というお題で書きたいと思います。

もうかれこれ7年くらい #ingress というスマートフォン位置情報ゲームをやっている私j0c(INGRESSのハンドルネームw)です。

先に何を書きたいか3点ほど整理しておきますと、

◎ なんで「サイパン」?
◎ スマホゲームと現実の垣根が消えた
◎ 拡張されていく自分の現実

まったく知らない人にイングレスを説明するときは、

「スマートフォンを使って、"地球"をベースに陣取りするゲームなんですよね。2つの軍に分かれて戦うんです。青軍(Resistance)と緑軍(Enlightened)で。んでさ、ほら、こんな感じの陣を」

といって下記のようなスクショを見せるんです。

陣のことをコントロールフィールドといいます。

スクリーンショット 2019-12-16 10.57.10

中野のついでに日本を囲む「Operation Midgard」です。
https://note.com/j0c/n/n6f39d7a9756d

「で、このゲームの特徴は、この線を引くのに反対側の地点でしか出ないアイテムを持って、実際にスマホ持って反対側に行かないとダメなんですよ。」みたいなことを説明するんですが、一瞬引かれて「まったくわからんw」と言われるパターンと、「・・・変態ゲームですなあ」と言われるパターンといろいろあります。

たかがゲームとはいえ、チームのみんなは超絶本気で取り組んでいます。みんないい大人なのに。いえ。いい大人であるからこそ、こんな「遊び」に本気で取り組んで、なにかを得ようとするんですよね。

なぜなら現実の世界がゲーム盤なので、いろいろと手強いわけです。
たぶんイングレスを語る上ではここがとてもポイントだと思います。

◎ なんで「サイパン」?

で、国家間をまたいで大きなコントロールフィールド作り(陣取り)を何人かで、チームでやったりするのがまたINGRESSの醍醐味であります。

自分はこのコントロールフィールドを作る作戦当日の朝に、必要に迫られてサイパンへ行くことになります。チームのみんなはもうすでに、ロシアやミクロネシア、台湾など行くところが決まっていました。

自分は日本からの応援役だったんです。ただ、どうしてもサイパンに人が必要な状況。。。誰が行くか。。というところで「はい」と挙手しました。

通信手段とか調べてる時間なかったので、着替えだけちょこっと持ってとりあえず空港へ向かいました。この時の迷いや気持ちは今でもよく覚えています。

「たかがゲームで南の島に当日飛ぶのか俺?」

スクリーンショット_2019-12-16_10_57_10

この作戦は対戦相手チーム(我々緑(Enlightened)軍から見るとから見ると青(Resistance)軍)に詳細がバレてしまうと陣を作るのを阻止されてしまう可能性があるため、出来上がるまでは一切他言無用です。

 当時の自分はその縛りもあったため家族にも言わずにこっそりUNITED AIRLINEに乗ってスーンとサイパン空港に行くわけです。

これはリアル友達から叱られたり賛否両論あり、きちんと怒られまして今は飛ぶときは言うようにしていることを報告しておきます(笑)。

みんなで駆けずり回って頑張った結果、コントロールフィールド作りは成功するのでした。

◎ スマホゲームと現実の垣根が消えた

イングレスはこのように、「現実世界を利用してコントロールフィールドを作る(陣取り)ゲームをする」わけですので、いわゆるゲームのステージは「現実」です。夜も昼も同じように訪れ、時間も空間も一緒。

ポータル(陣取りするときのポイントになる歴史的建造物とか)も実際にあるお寺とか遺跡とか。実際にポータルまではなんらかの移動手段で行かないといけません。

「コントロールフィールドを作る」というのはゲーム内の1アクションですが、そのためには現実のアクションを沢山しないといけないのです。このサイパン行きも決断と、アクションが必要だったわけです。

時に相手は大自然。この作戦も一度は台風で中止になりました。
また、対戦相手はAIではなく、複雑な感情を持った現実のプレーヤー、人間です。

こうして、「ゲームの為」とはいえ、現実のファクターと一つ一つ真剣に立ち向かわないといけないわけです。それをしていくと、現実のアクションに関する経験値がどんどん上がっていきます。

例えば)
■ 行ったことのない所に行く(日本国内、近所もそうですが、海外も)
■ 今まで知らなかったジャンルや、職業、年齢も全然ちがう人(同じプレイヤーですね)と会う
■ 外国語を使ってやりとりをする(ゲーム盤が世界なので当然いろんな言語の人がいる)

そして日本どころか、世界中にいろんな友達が出来、いろんな人生を知る機会を得るわけです。

これは別にイングレスに限ったことではなく、なんらかの趣味に真剣に打ち込んでいる人であれば共感いただけるポイントかと思います。

◎ 拡張されていく自分の現実

すると、自分の「日常」へのアプローチが変わってきます。
仕事に対する姿勢や、人付き合いもそうですし、なにより咄嗟の「行動と決断」に変化が現れました。

あのときサイパンへ飛んで、あのコントロールフィールドを仲間と一緒に作り上げられた事は、その後明らかに自分が行動や決断を起こす上での自信になりました。

今までもわりとアクティブにいろんなことに挑戦していたのですが、ゲームとはいえ改めて身を持って体験できたのは、「行動したあとの結果は、成功失敗関わらずとても素晴らしいものである」ということです。

ここで、「あーたかだかゲームに熱くなっちゃってー」というご意見もまったくその通り。ですが、この現実と絶妙に混ざり込んだイングレスはもはやゲームではない気もしますし、大人になってから熱くなれる事、どのくらいありました?

その後、ベンチャー企業で長いことブラックに働いているサラリーマンの自分は、このままの将来にも絶望し、悩んでいました。が、イングレスで得れた数々の体験が、自分を後押ししてくれ、数年前に起業しました。

自分の人生がガラッと変わった。

いや、言い直します。

自分の人生を、自分の行動と決断で、ガラッと変えることが出来た。

ハッキリ言ってイングレスのおかげです。
これが一番言いたいことです。

会社やるのは簡単じゃないし、続けるのも大変です。これから大失敗するかも(笑)。

でも、だってさ、行動したあとの結果は、成功失敗関わらずとても素晴らしいものであると信じてます。
あのでっかいコントロールフィールドみたいに。

いつ行動する?
いまでしょ!


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