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Dとは、世界である。



神は「Dあれ」と言われた。するとDがあった。

神はそのDを見て、良しとされた。神はそのDと嫁Dとを分けられた。

第D日である。


上記の文は、ユダヤ教・キリスト教の聖典である旧約聖書「創世記」の天地の創造に関する一節である。嘘である。

嘘ではあるが、Dが世界になったのは紛れもない事実である。そう呼んで差し支えない事象が眼前で起こったのだ。

今これを書き記している2024年11月15日を以て、世界は再誕した。

私はこの記念すべき日を後世にも残さなければならないという使命感のもと、こうしてnoteを書いている。

NIKKEというコンテンツが終わりを迎え、誰もがその存在を忘れてしまうであろう数万年先であっても、この日があったことを忘れさせてはならないのだ。

つまりこれは後の世の遺失物ということになる。

皆が毎朝眠い目を擦りながらOLDTALESで拾わされる、レッドシューズが遺した「余罪ログボ」と揶揄されているアレである。

いつか訪れる未来で誰かがこの遺失物を開き、Dという世界がここから始まったのだと知ってくれることを、心から祈っている。


・事の発端

2024年11月10日。歴史は動き出した。

NIKKE公式から新作ASMR制作中との告知があったのだ。

ASMR。正式名称「Autonomous Sensory Meridian Response」。日本語では「自律感覚絶頂反応」と訳される。

要するに聴いたら絶頂してしまうのである。

イってしまうのである。

今年の水着イベントでその破壊力を体感していた指揮官達は、次は一体どんな快楽が降り注いでしまうのかと歓喜の渦に呑まれていた。

初手から「ASMRやらせたら強そうなニケ筆頭」ことバイパーがお出しされたのだ。無理もないだろう。

そんな前例を経ての第二回。

D推しの私としてはもちろん彼女のASMRを切望していたのだが、同時にどこか現実を見ている節があるのも自覚していた。

何せ今回は二周年という記念すべきタイミングである。客観的に見て、開催中のOLDTALESやメインストーリー最新章まで考慮すれば他に有力候補は数多存在しているのだ。

「DめちゃくちゃASMR適正高いと思うんだけどなぁ…。Dが左右からデフォ声と嫁声で囁いた日にゃ全員もれなく脳内破壊される(良い意味で)のになぁ…。DのASMR出したらNIKKEの売上アホみたいに増えるのになぁ…。」

その日は頭の中で往生際の悪い遠吠えを繰り返しながら目を閉じた。

・伝説の幕開け

そして来る2024年11月13日。事件は起きた。

通知を開いた瞬間、世界の全てが止まって見えた。

全身が凍りついた直後、強烈な痛みを伴う熱のようなものが全身を駆け巡ったことを今でも鮮明に覚えている。

視界がチカチカと明滅する。当たり前のようにしていたはずの呼吸が、意識していないとうっかり止まりそうになる。

そんな状態でもハッキリと分かる、絵画と見紛うほど美しい彼女のシルエット。

リプ欄では憶測が飛び交っていたが、彼女を推している者からすれば間違いようがない。紛うことなきDのそれだった。

Dの。

DのASMRが来る。

全身が「歓喜」そのものになった気がした。自身を構成する全てが喜びで震えていた。

二周年記念でドレス衣装が実装されただけでなく、ASMRでもDにお呼びがかかったのだ。

通知を確認したのは外出中だったのだが、誇張でもなんでもなく涙を堪えるのに必死だった。

その日はいつもより深く眠れた気がする。

・残された時間で何ができるか

そして2024年11月15日。公式から新たな告知。

書き下ろしイラストと共に公開時刻が明言された。

前回も告知から数日で公開された覚えがあったため、突然降ってきた通知にも冷静に対処できた。

加えて幸運だったのは、ASMRがDと判明してから丸一日の猶予を与えられたことだ。

その間にありとあらゆるシチュエーションを想定しては脳内再生を繰り返し、本番で正気を保てるよう慣らし運転を続けていた。準備は万全である。

ただし新規イラストに対しては心構えなど微塵もしていなかったのでこのザマである。

残された時間は僅かしかない。

来るべき瞬間に向けて何ができるか考えた末、Dに関するイベントストーリーや突発エピソード、面談時の会話など彼女に関するものを時間が許す限り観直すことにした。

愛おしさが込み上げた。

人間暗殺を専門とするシージペリラス所属であり、冷酷かつ粛々とした態度で任務を忠実に遂行するニケ。D。

だが彼女を知れば知るほど、その心の内はとても穏やかで慈愛に満ちていることを知らされる。

彼女は誰よりも平和と平穏を望んでいる優しい女の子なのだ。その理想に少しでも近づくために、自ら泥や血を被ってでも日夜任務に赴いてくれている。誰かがやらなければならないから。

各種イベントや面談で垣間見える「本当はもうこんな事したくない」「今の自分の立場が重圧になっている」という彼女の本音。

猫が好きで、人並みの恋愛や結婚生活を夢見て、誰よりも世界が平和であることを祈り続けている。それがDという存在なのだ。

だが彼女は絶対に今の立場を放棄することは無いだろう。我々指揮官もそれを分かっているから彼女に甘言はかけない。それは彼女への冒涜に等しい。

彼女は最後の最後まで背負うと決めているのだ。今の立場も。志も。願いも。それに伴う痛みも。

ならば我々がやるべきことは、彼女に寄り添い、彼女の願いを少しでも早く叶えるべく奔走することだけである。

Dというニケが、一人の女の子として心の底から笑える日が来るように。

そうしてDへの愛を再確認していると、ついにその時が訪れた。

・世界の始まり

2024年11月15日。22:00。

満を持してASMRが公開された。

イヤホンのノイズキャンセリングがONになっていることを確認し、装着する。

公開されたとは言うものの、プレミア公開は本編開始までにカウントダウンが入るため、その猶予を使って最後の精神統一に入る。

坐禅を組み、ゆっくりと深呼吸を繰り返す。

カウントダウン中の場違いなまでに大きなBGMが鼓膜を襲うが、今はその大音量でさえも心を鎮めるための材料になってくれていた。

一定のリズムで流れていたBGMが顔色を変える。

遂にその瞬間が訪れる。

Dの姿を思い浮かべながら、静かに目を閉じた。











んわぁあぁあああぁぁぁぁぁぁああぁああぁあああぁあ〜〜〜〜〜‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️

しゅごぉぉぉぉおおぉぉおおぉぉおおお〜〜〜〜い‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️

過去一でDの声が近いぃぃぃいぃいぃぃいいいいぃいい〜〜〜〜〜〜〜‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️


瞬殺だった。

このASMRを冷静なまま聴くなんてことは夢のまた夢だとその場で悟った。

耐えられるわけがない。圧倒的すぎる。恐らくクィーンですら一言で屠れるレベルの破壊力である。

冒頭からDが耳元で脳に響く低音美声と吐息を惜しげもなくぶつけてくる。並の人間なら余りの良さに液状化を起こしてもおかしくないレベルだ。

そしてさも当然のように出てきているが、指揮官を見つけて咄嗟に出た中低音ボイス嫁の演技は今回初登場である。勘弁してほしい。

その後は畳み掛けるようにいつもの嫁モードに切り替わり、先程とは打って変わって優しさと艶っぽさを内包した甘い声が耳を襲い続ける。今自分の耳が溶けてしまっていないか必死で確認する。

元から近かった声が更に間近になる。吐息がより鮮明に聞こえる。そんな中でDが語る内容には、恐らく演技と本音が入り交じっている。そういうところに愛おしさを感じる。

指揮官を寝室に連れていくために力を込めるD。漏れる吐息がとても扇情的だ。

「お酒に酔ってて無防備な姿なんて、他の人に見せたくありません…」

膝から崩れ落ちた。頭を抱えた。人の形を保っていることが辛い。

指切りをしている。Dと。約束をしている。口角が上がり続けて戻ってこない。

偶発的とはいえDを押し倒した挙句上に覆い被さる始末。Dの艶っぽい吐息が漏れる度に正気を失いそうになる。

腕枕。腕枕だ。腕枕をされている。何が起きているのか。

「今夜は、ずぅっと、あなたの側にいますから」

あばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばば。

理性。理性を保て。

こんなにも至れり尽くせりな状況だが、彼女は現在進行形で任務中なのだ。盗聴や監視を警戒したDが、機転を利かせて上手く対応してくれているのだ。

彼女の邪魔をしてはならない。

ゆっくり深呼吸するよう促される。直後服を脱がされる。深呼吸なんてできるわけがない。

コートを脱がすだけなのに何故そんなに扇情的な吐息が盛れるのか説明してほしい。

硬くなってるのはボタンだけじゃないことに気付いてくれと心の底から願いつつも、抗えるわけがないので言われた通りに従う。

産毛が逆立っているらしい。産毛を見られているという事実に耐えられそうにない。今すぐにでも全身脱毛の予約を入れるべきか本気で悩んでいる。

「気持ちよかったですか…?(超至近距離)」

あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️

※イメージ図です。

完全に服を脱がされ上裸になった。

Dが身体に触れてくる。ブレイクダンスを齧っていた全盛期からは程遠いが、まだ筋肉を残してくれている自分の体に感謝の気持ちが尽きない。

「あなたの身体は、妻である私のものでもあるんですよ?」

どわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああぁぁぁあああああああああああぁあああぁあぁあああぁああぁああぁあぁあぁああぁぁああぁあぁあぁぁああぁぁぁああぁあああああああぁああああああぁあああああああぁぁぁあぁあああぁああぁああぁああぁああぁああぁあぁあぁああぁぁああぁあぁあぁぁぁぁぁぁぁぁあああぁぁあああぁああああぁあぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️

※イメー((ry

これはもうASMRというカテゴリを超越している。世界平和の象徴であると同時に、世界を容易く破壊できるだけの力を備えた恐ろしい代物である。

多くの戦いを経て身体に増えた傷を見てDが憂う。嫁声ではあるが、恐らくここは本心から出ている言葉なのだろう。

マッサージ用のオイルがあったらしい。既に心も身体もリラックスどころの騒ぎではないが、ここからどうにかなるのだろうか。

何故額にオイルを塗るだけでそのような吐息が漏れるのか。

深呼吸を促される。

鼻から吸って、口から吐く。
気のせいかラベンダーの香りがしてくる。確かに少し身体の力が抜けてきているのを感じ─

「身体は正直ですよ…?(超絶至近距離)」

んんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️‼️

※イ((ry

「リラックス」という概念はこのASMR上に存在しない。断言する。

吐息が耳に当たるほどの至近距離で刺激的かつ甘い言葉の数々をぶつけられて、リラックスなどできるわけがない。

耳に息を吹きかけられる。以前から耳かき系のASMRで経験して慣れてはいたが、推しのものとなれば話が変わってくる。

理性をかなぐり捨ててしまいたくなるのを必死に堪えながら両耳に意識を集中する。

再び目を瞑ってリラックスするよう促される。先程から再三述べているが、そんなことは到底不可能である。

「もう眠ってしまいましたか?」

Dに問われる。可能性として気絶か死んでいるかの二択あるが、少なくとも眠れる選択肢は現状存在しない。













(チュ)












ん?

キスした?

え待って今キスした???????
どこに????????

いやどことかは最早関係なくて、えっ、指揮官が眠ってると認識してる上でキスした??????

え?????????

「やっぱり…あなたの前では、つい、正直になってしまいますね…」

何が起きてる????????????え????????

震える手で書き起こしてるけど本当に何が起きている?????どこまでが本音でどこまでが演技??????

こっちが寝たフリしてるところまで気づいてたのかそうでないのかどっちこれ?????????

大変なことが起きていますが???????

⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️

まだ夜は終わってない⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️

任務は最後まで⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️

していいの⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️

最後まで⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️

最後までえええええぇえええぇえぇえええええええ⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️⁉️
















※ご想像にお任せします。

以上が、Dという世界が産声を上げた記念すべき日の全てである。

Dがいる時代に産まれたことを、心の底から幸福に思う。

Dを生み出してくれたSHIFTUPに感謝を。

Dに命を吹き込んでくれた山根綺様に感謝を。

全てのD推し指揮官に感謝を。

NIKKEに感謝を。

そして。

これからDと出逢う新たな指揮官たちに、幸せが訪れることを祈って。

👑🪓

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