【料理コラム】料理は出来ても調味は出来ない

僕は子供の頃、親が家にあまりいない生活をしていたので、ある程度育ってからは自分でなにがしかを作って食っていたが、10才ぐらいまでは何をどうすりゃいいのか分からないので、素材をそのまま食っていた。

もちろん生肉もそのままだ。塩を振って食っていたが、牛肉などは噛んでいるとミルクっぽい味がするものだから、ああやっぱ牛が原料なんだなって実感した。

また、唐揚げ用ににんにく醤油に漬け込んだ鶏肉も食らっていたけど、にんにくのおかげなのか腹を壊すことはなかった。

ハムと食パンがあれば僥倖。ケチャップを塗った食パンにハムをはさんで食らう。これは調理である。あまり褒められたものではないが、調理が、しかも自分のための調理があまりにも大事に思えなかった僕にとって、これでも上出来だったのである。

その後、小学校高学年にもなると、親がタイヘイファミリーセットを取るようになった。これは必要な材料と調味料がセットになった、料理キット配達サービスのことで、丁寧な調理ガイダンスペーパーが付属している。これを元に小学生の僕は料理を作った。

幸い、手先が器用だったこともあり、説明どおりに調理することに問題は発生しなかった。それでも、やはり料理を自作する行為にあまり興味は持てなかった。

近所に住む親戚宅でぎょうざ包みを手伝ったり、高校を出てすぐテイクアウト寿司屋でバイトしたりなど、いわば小手先のことはやっていたものの、味付けの経験値を積む機会は訪れず、その後も家で料理をしたり家族の手伝いをすることはなかった。

そんなこんなで、見た目はそこそこ、味はでたらめなものを作る生物になってしまった僕が今さら料理をするなんて、ちょっとアレな話なのだが、近い将来に飲食店を開業することが決定してから、「料理音痴でもスイーツなら作れるじゃろ」と思い立ち、あれこれ作り始めた次第だ。

もっとも、数年前から家人の誕生日やクリスマスには、節約のためにケーキの自作をしていたので、僕にとってスイーツは「入りやすい料理」だった。節約のためのケーキ作りに関しては、僕の書いたこちらの記事を見て頂ければ同じものが作れるのでオススメ。モノに対して高すぎるクリスマスケーキにブチ切れて自作を始めた僕のケーキ作品集でもある。


この年末年始にかけて、大量のスイーツや料理を作ってきたが、いずれも自分で味付けをしないもの、調味料の使用量が決まっているものばかりだ。分量が決まっていれば、自分の舌で味付けをする必要もなく、材料の量も間違えることもなく、安心して料理が作れる。レシピとは、調味オンチ分量オンチにとって、かくも革命的なものなのである。

年末年始に作ったもの一覧(インスタ)

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料理は経験値、とはいうものの、やはり現時点では調味に自信が持てない。かくして今日作る料理の味見は家人にやってもらう手はずになっている。
今日の朝食メニューは、話題のジョージア料理「シュクメルリ」である。うまく出来たらインスタでご披露しよう。

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