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この株間、条間が大事

さて、稲も大きくなってきましたよ。あの、ひょろひょろ君が、いつの間にか株分けをして、たくましい姿を見せ始めると、一安心です。だって、植えている時は、こんなのがちゃんと育つの???  と、何度も思わずにはいられないのですから。

稲と稲の間の、縦の間隔を「株間・かぶま」、横の間隔を「条間・じょうま」といいます。私たちの田んぼは上の写真で、どちらも30cm間隔で植えました。

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こちらは、お隣りさんの田んぼですが、機械で植えていて、もう少ししたら、ぎっしりと生えて、田んぼの中を歩くことはできなくなります。一般的に目にする田んぼだと思います。

同じ一枚の田んぼなら、ぎっしり植えたほうがたくさん実っていいじゃん、と思いますか? いいえ。ぎっしり植えても、余裕を持たせて植えても、収穫量は変わらないと言われています。

なぜでしょう?  余裕を持たせていると、日差しが稲の根元までしっかり届きます。稲の間を風がくまなく通り、空気がいつも新鮮です。日当たりが悪く空気が滞ると調子が出なくなるのは、ヒトもイネも同じなのです。

余裕があるから、草取りも続けられます。余裕がないと、除草剤に頼ったり、もう抜かないで栄養を草にあげてしまうか、どちらかになってしまうでしょう。日当たりや風通しの代わりに、化学肥料を与えたくなったり、虫も密集して増えるわけですから、農薬を撒いたりしているかもしれません。

そう。私たちの田んぼは、除草剤も撒きません。化学肥料も必要ありません。農薬なんて、もってのほか。そうすると、どうでしょう。最近、秋になるとウンカが大発生して、稲が倒れてしまって収穫ができない…という話を聞いたことはありませんか?

無農薬、無化学肥料、無除草剤の田んぼにも、ウンカはやってきます。やってきますが、ウンカが狙う稲の下の方には、たくさんのクモの巣ができていて、ウンカはクモの巣に引っかかってしまうのです。クモさんは、待ってましたばかりに、ムシャムシャ…!?

ということで。まわりの田んぼがウンカにやられても、私たちの田んぼは、毎年、へっちゃらです。むしろ、田植えの頃のアメンボ、おたまじゃくし、夏には雨蛙、トンボも赤、青、オニヤンマ、クモもいろんな種類がいて、タニシのような貝もいて。多様な、豊かな、生き生きとした生物の世界が繰り広げられているのでした。

あー。アブもいますよ。田んぼの近くの草むらには、ヘビやマムシもいますよ。山には、イノシシやシカが、おいしいお米ができるのを待ち構えていますー。

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