「PATRONE」で聞いてた歌
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『PATRONE』というのは、昔、私が書いていた古代ローマ風ファンタジー捕物帖の小説です。
シリーズの1、2巻『PATRONE』と『PATRONE~仮面の少女』と、それより過去のお話『怪盗ワイリーと砂漠の国の王女』があります。
そして……。
noteが始まったときからちまちまと書き進めていた続編の短編小説、『PATRONE~死人の宿』が、最近、新たに書き足した分も含めて、ごっそり消えてしまうとう相当ショックなことがありまして……。
お仕事が一段落したから、修復作業(というより完全に新しく書くしかないんだけど、かなり内容忘れちゃってる)にかかろうかと思いつつ、やっぱりショックでやる気が出ない……。
普通、書いてすぐに消えちゃったから書き直す――ってパターンだと思うのですよ。だけど、今回のはけっこう前に書いたものが、油断してたら消えてたからきつい。無料で読める前文の部分まで含めてごっそり……。
なので、PATRONEを書くモチベーションを高めようと、これまで書くときに聞いてきた曲について、それを聞きながら書いてみることにしました。
私は、お話を書くときに、アニメや実写でシーンを思い浮かべながら書くのですが、そのお話やキャラクターを暗示するような曲を聞くと、勝手なOPやEDを想像することが多いのです。なので、作品に影響を与えたお気に入りの曲も、その手のが多かったりします。
曲自体もお薦めのものばかりですので、機会があれば聞いてみて欲しいな――と思います。
って、数少ない『PATRONE』好きが喜ぶかもなあ……ぐらいのものですが、歌がわかれば「へ~そういうノリなんだ」と、小説を知らない人にも興味を持ってもらえるかも、なんてこともチラッと思っています。リンクは基本、歌詞です。試聴もできる場合もあるみたいです。
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●ミラクル・ガール(永井真理子)
アニメのYAWARAの主題歌。
原作は、大学生の頃はスピリッツを買っていたので読んでいた。まだ、めぞん一刻なんかやっていた頃だ。
アニメをやっていた頃、同じ時期にやってたアニメの歌を色々とまとめて、友人がテープに編集してくれたので、この歌と、次の「キミの風」とは同じカセットテープに入っていた。
毎週末、サークルの仲間とTRPGをするのに伊那から松本へと行く途中、そのテープを聞きながら、ぼんやりと考えていた物語があった。「中世ヨーロッパじゃなくて、古代ローマ的なファンタジーで女の子の岡っ引きが活躍する話を作りたいな……」みたいなね。
そこから、「岡っ引きなんだけど、もう少し個人の権限がある保安官みたいのがいいなあ……」と、なっていって主人公のベルフィード・クレニスス・ヘイズォト(ルフィ←その後、某有名マンガの主人公と同じになっちゃったけど)ができた。
実は、アニメのYAWARAはあんまり真面目に見てなかったんだけども、十手を持ってて切り結んだ相手がぶん投げられちゃう――というのは、やっぱりこの歌を聞いてたときのイメージだったのかもしれない。
●キミの風(堀江美都子)
まず、私は世界名作劇場の大ファンだ。
子どもの頃から大人になるまで(途中、なんか乗っかれなくて、ちゃんと見てない作品が若干あるものの)、ずっと見てきて、ラッシーの打ち切りに涙し、家なき子の日和見に憤慨しつつも、シリーズを最後まで見た。後継といえる作品や派生作品は、あまりきっちりとはチェックしてないけども。
で、後期の名劇作品の中で一番好きなのが、この歌がエンディングに流れる『私のあしながおじさん』だ。もうひとつ、『トラップ一家物語』も同じくらい好きで、この二つは大人になって見ていた名劇の中ではトップ2。
歌詞の中の「踵を踏みしめ」るのと、護民官だと主張したいとき「つま先立ち」になるルフィの癖とは、これを聞き始めていたころから意識していたことだった。
作品も好きだったし、歌詞も主人公に重なるところが大きいので、初期から聞いていた二つの歌では、『キミの風』のほうがキャラクターの造形に大きく影響している。ルフィも「粘り強く事件解決を引き寄せる」し、「ほつれた前髪も気にしないでいく」のだ。
●Wood Walker(下成佐登子)
これも、前の二つと同じ頃にやっていたアニメ作品『ロビンフッドの大冒険』のOP曲。ただ、私は本編を見たことは一度もない。オープニングのアニメすら見たことない。でもロビンフッドは子どもの頃から好きな物語だ。
タイトル通り、聞いていると森を歩いている気分になれるので、一巻目は護民官の主人公が、1人で凶悪犯の盗賊を護送して旅をする話なんだけれど、最初の深い森を行くシーンは、こればっかり聞いていた覚えがある。山賊が矢で襲ってくる展開なのも、この曲からロビンフッドを想像していたのと関係があったような……。
●incl.(meg rock)
アニメ『女子高生』のEDテーマ。
あまりちゃんと見てなかったんだけど……このエンディングは、歌だけでなくアニメーションも大好きだった。
この歌は大好きなので、次の『笑顔を忘れない』と共に、勝手に「PATRONEのテーマ曲」ってことにしてる。
なんだか、主人公二人の関係を歌っているような気がするからだ。
'cos i'm included in your life の辺りがね。ワイリーの人生は、ルフィの護民官助手になったことで辛うじてつながってるわけだし。
あまりにしっくり来るので、聞いてるだけで続編のネタが浮かぶ(需要ないけどね)。
しつこく続編書きたいな~と自分が思い続けてるあたりも、歌詞から勝手に感じとってしまったりするのだ。
●笑顔を忘れない(麻生かほ里)
アニメ『ナースエンジェルえりかSOS』の後期EDテーマ。
でも、これも「PATRONEのテーマ曲」と勝手に決めている。
ここに挙げている歌の中には「見てないアニメ」の歌がわりと多いんだけど、これはちゃんと見ていた。大好きなアニメだ。
ただし、前半はいまいち面白くなかった。後半になって、俄然、ストーリーが面白くなったので、正確に言えば後半のファンだ。小学四年生の主人公に課せられた最終回のハードな展開は、「まどマギの何年前だよっ」って思う。
ただまあ、作品の内容とは関係なく、この歌は良いのだ。もちろん、作品の内容を的確に歌い上げている(特に後半のハードな展開のね)んだけども、この歌詞がまた、ルフィを想起させるんだよね。
もう、「歌詞にナースンジェルって入ってなきゃいいのに」と思ってしまうくらいに。
●銭形平次(舟木一夫)
時代劇には、「女岡っ引き」ってやつが登場する。
たいていは「男勝りで若い女の十手持ち」で、その大半が「親分だったおとっつぁんが死んでしまって、娘が岡っ引きの縄張りを引き継いだ」みたいな設定が多い。あの、おきゃんで健気な女岡っ引きってやつが大好きなのだ。
だからPATRONEの護民官は、その辺も元ネタのひとつ。岡っ引きをファンタジー世界でやりたいな――というのがあったから。
それで、好きな時代劇の中でも「捕物帖」の時代劇をよく聴いて書いてた。
なかでも、祖母と一緒によく見ていた銭形平次と伝七捕物帖は、捕物帖の中でも大好きな作品だ。この平次と伝七の二人の親分は甲乙付けがたい。
銭形平次の得意技は、言うまでもなく投げ銭だ。
たいていの場合、捕物帖の親分はなにかしら特徴的な技を持っている。
クルクスの技は護民官全員の特技にしたけれど、十手に長い縄をつけているのはルフィだけだ。これは、どっちかというと銭形警部だけどね。
警察手帳のノリで十手を見せて「御用の筋だ」というのが岡っ引きのパターンだが、「野暮な十手は見せたくないが……」という歌詞がかっこいい。これも影響受けている。
でも、この銭形平次の歌詞で特に好きなのは三番だ。
「道」を二重の意味で使っておいて、次の「どこへ行くのか」も二重の意味になって、最後に風景が浮かぶように構成されていて、「う~ん上手いなあ」と感心してしまう。
●江戸の花(橋幸夫)
これも時代劇の主題歌。
演歌はほとんど聴かない私だが、時代劇の主題歌は大好きだし、アニソンや特ソンで演歌調のものがあれば普通に聴く。「江戸の花」を聴くと、一気に伝七のOPやEDが浮かんで、捕物帖の気分が盛り上がるのだ。その点では、必殺シリーズなんかと似ている。
伝七捕物帖は、最近リメイクされてBSで放送されているのでご存じの方もいるかもしれない。最後に「ヨヨヨイ、ヨヨヨイ、ヨヨヨイヨイ、めでてえな!」と指先で〆るのが有名なシリーズだ。
伝七親分は、平次親分ほど二枚目じゃないけれど、もっとべらんめえな感じで江戸っ子っぽくてかっこいい。親分肌という点では伝七親分のほうが貫禄があると思う。
伝七の十手には紫色の房がついていて、これは武家の町方の中でも偉い人(与力)のつける色なんだけど、伝七は特別に許可されてつけている。
ルフィの父親はクルクスに紫の帯紐をつけていたんだけど、彼女はまだ赤いのをつけている……という設定も、この辺から来ていた(ちなみに銭形平次は赤い房だったり)。
伝七の得意技は、「卍鎖」という短めで太い鎖だ。これをふり回して刀にからめたり、ぶん殴ったりする。捕り物に出かける前にジャラッと入れてある戸棚から出すシーンがかっこいい。現代なら自転車のチェーンを武器にしているような感じか。
ただ、銭形平次に比べて、こちらの江戸の花は長いこと音源が手に入らなかった。ずーっと、子供の頃に覚えた歌を、自分で歌うしかなかったのだ。
ネットが発達してからは、中古のVHSを探して、何度も聞いたりしてた。
それと、これは銭形平次の歌詞にも共通しているんだけど、岡っ引きは恋愛に関しては朴念仁だ。そこがまたいいんだよね。その辺も、自分の作品に影響していると思う。
●戦士よ、立ち上がれ!(遠藤正明)
ここからは、とあるシーンを書くときに集中してリピートし続けた歌ばかり(ピンポイントリピートと名付けよう)。
「戦士よ、立ち上がれ!」は、アニメ『魔装機神サイバスター』のOPだ。スーファミ時代のスーパーロボット大戦が大好きなのだが、サイバスターはその頃に加わったスパロボのオリジナルのロボットだ(と思う)。
その単独シリーズということだから、けっこう期待して見ていたのだけれど、ストーリー展開がなんだかイマイチで、途中から見なくなってしまった。丁寧というよりダラダラしていたんだよなあ……。
ただ、この「戦士よ、立ち上がれ!」は良い歌だ。雰囲気だけ真似ようとしたスパロボソングっぽくなってないし、それでいてきちんと熱血しているのが、いいなあと思う。
これを聴いていたのは、一巻目の『PATRONE』のクライマックスのアクションシーンであった。初のオリジナル作品で、〆切が迫っていて、何が何でも間に合わせたくて必死でやっていたときで、「なにかが憑いたように集中した状態」になるために必要な歌だった。つまり、執筆を中断したり、寝て起きたりしても、同じ歌を聴くと同じテンションで仕事を再開できるのだ。
それ以前にも、遊演体という会社でPBMのリアクションを書いていたときに「このシーンはこの歌でトランス状態に入れる」というのを経験していたのでよく使う手なのだが、このときはそれが「戦士よ、立ち上がれ!」だった。
基本的に自己犠牲を払ってでも「平和の鐘を鳴らそう」というのがこれの歌詞なのだが、一巻目のクライマックスのアクションシーンの終結点がまさに、ワイリーがズタボロになりながら「鐘を鳴らす」ことだったのだ。そこまでたどりつくのが大変で、何回この歌の「鐘を鳴らそう~」を熱唱したことか(そうだ、書きながら聴いているときは基本的に歌ってます。ここまでのも全部ね)。
●STAND UP TO THE VICTORY 〜トゥ・ザ・ヴィクトリー〜(カバー版)
アニメ『機動戦士Vガンダム』の前半の主題歌。
……なんだけど、私はガンダムについてはあまり詳しくない。最低限の知識しか持ってないし、思い入れもそんなにないもので。このアニメも、遊演体時代に周りの人が楽しそうに見ているのを眺めていたぐらい。
あとで、大好きなアニメ『エスパー魔美』や『コメットさん』と同じ脚本家さんが参加していると知って驚いたけど。
というわけで、この歌を聴いてもVガンダムは想起されない。その上、聴いていたのは、スーパーロボット大戦のくくりで作られたソング集の中の一曲で、歌っているのは水木一郎と影山ヒロノブのカバーバージョン。
これは二巻目のクライマックスのアクションシーンで、ピンポイントリピートしていた。
最後、暴走するガレー船がどうなるか……。「最後まで立っているのは!?」みたいなノリで、聴きまくっていた(&歌いまくっていた)。
そして、あいつが立っていてこのシーンは終わるんだけどね。
●創聖のアクエリオン(AKINO)
アニメ『創世のアクエリオン』の主題歌……でよかったのかな。
これも、全然見ていない。
巨大ロボットアニメに関しては、自分の中で波が激しい。マジンガー世代なんだが、「こんなのいらねえや」ってなるときが周期でくるんだよなあ。
だから、これは歌だけ。サビの部分が心に残る。聴いてなくてもリピートしちゃうというか。
これは、PATRONEではなくて、その外伝的な『怪盗ワイリーと砂漠の国の王女』のラスト近辺で、気力を保つのに聴きまくっていた。
そんなに歌詞が関連しているわけでもないんだけど。
ただ、ワイリーにとっては色々な別れを経験して痛みを伴う戦いのお話なので、悲壮感というか、なんかその辺があったのかも。
もちろん、アニメや映画のサントラなんかも聴きまくっているのだけど、これは書き出すと切りがないし、歌詞の内容にも影響を受けたやつに限ってみました。
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