WARPSというゲーム(で、ジョジョ)
昔、そういうタイトルのTRPGがあって大好きで散々遊んだ。
もちろん、今だって遊びたい人がいれば遊びたい。
そのぐらい好きなゲームだ。
マンガや特撮やアクション映画なんかの「ヒーロー」となって遊ぶためのシステムで、ヒーローの「お約束な効果」をプレイヤーのタイミングで使えるところが最大のポイント。
ヒーロー効果は「実は持っていた」とか「実はそこにいた」とか「実は仕掛けていた」とか「実は知り合いだった」とか、「ヒーローの回復力(食ったから寝るってよ)」とか、色々とあってヒーローポイントを消費して、そういう効果を使うことができる。
それと、TRPGのプレイ中って、プレイヤーはプレイに関係ないことや、「○○しちゃったりして」的な、冗談や雑談をしてしまうのだが、WARPSのキャラクターには「抑制力」という数値があって、マスターにこのチェックを命じられて失敗すると、プレイヤーのこうした発言をキャラが実行してしまう――というルールがある。
また、過去のプレイでの印象的な事象について好きになったか嫌いになったを決める「反応チェック」というのがあって、飛行機事故にあったから「飛行機事故」で反応チェックをして、出目によっては飛行機事故が大好きになったり、大嫌いになったりして、その後のプレイに影響を与える……というルールもあった。
昔のTRPG者は、これだけで大抵のヒーローを遊べたのだ。
シナリオでは「カリオストロの城」を再現するやつなんかもあって、ルパンの代わりに銭形がクラリスを助けて大活躍――なんて展開も楽しめた。
「あの人は誰も逮捕していきませんでした」
「いいえ、やつはとんでもないものを逮捕していきました、あなたの心です」とかルパンのプレイヤーが悔しそうに言う……みたいな。
で、この基本システムで色々と遊んだのだが、私がマスターをしていたのは「ジョジョの奇妙な冒険」のスタンド使いたちのキャンペーンシナリオだった。
以下は、けっこう前にmixiのコミュに当時を思い出して書いたテキスト。
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もう二十年近く昔、「WARPS」を使って「ジョジョの奇妙な冒険(第3部)」の世界でやったキャンペーン。WARPSが、スタンドのルールをごくごくシンプルに作って導入しただけでしっかりジョジョワールドをプレイできてしまう素晴らしいシステムだったのでできたのだと思います。
プレイヤー全員がジョジョ好きで、私がマスターでした。
未だに色々なエピソードを覚えていて、当時の仲間と会うと思い出話をするほどです。
シナリオは「ジョセフや承太郎がディオを倒すためにカイロへと旅立ったあとで大変なことが起こった」というもので、第3部とほぼ同時期に別のスタンド使いたちが宇宙から帰ってきたカーズの陰謀に立ち向かう――というもの。
【大気圏突入の際に身体の大部分を失って首だけになり弱体化したカーズ。彼は秘かに何人かのスタンド使いを支配下におき、スピードワゴン財団が保管していた「石化したサンタナ」を盗み出させたのだ!】
プレイヤーたちは、カーズ配下のスタンド使いに騙されて赤石を探しに日本から出発した日本人たちと、スピードワゴン財団にサンタナの奪還を依頼されスペインから冒険を始めた外国人グループとに分かれ(最初は両グループが敵対してもいた)、それぞれカーズ側のスタンド使いと戦いながら世界を舞台に「サンタナの入った紫外線照射装置付きの鞄」と「赤石」の争奪戦を繰り広げていく。
スペインのバスク地方から東ヨーロッパへ。日本からはヒマラヤを経てインドへ。そしてトルコで合流を果たしてから、アラビア半島、アフリカ、そしてアメリカへ~と舞台は転々と移っていく。
あ~。面白かったなあ。ついついバカなことやってしまうゲームなだけに、本当に面白かった。
例えば……。
○スピードワゴン財団の戦闘部隊が呼び出され「大戦当時を思い出すわい」とかいいつつ、爺さんたちが紫外線照射装置でスタンド使いたちを支援して大暴れ。
○カーズの帰還を「宇宙人の襲来」と判断したブラックメンたちが、第三勢力として現れ、「スタンドが見えるスコープ」とか「弱々しい小人のスタンドを出せるスタンド発生装置」とか怪しいアイテムを駆使してPCの邪魔をする。
○ホル・ホースの「よし見てこよう」に匹敵する、英国紳士スタンド使いの「お茶の時間だ」と言ってその場から逃げる技。
○巨大な遊園地を創り出して攻撃してくる敵スタンド使い……というのを出したら数週間後にジョジョで「デス13」が出て本当にびっくりした。
○その他もろもろの、WARPSならではの「しょーもない」状況。←ああもう、あげ出すときりがないのでやめます。
しかもこのキャンペーン、ラストまで来て終わっていないのです。ケープ・カナベラル宇宙基地までカーズを追いつめたものの、「今まで出てきて破れたスタンド」の全ての能力を使える究極生物にどう立ち向かったらいいかプレイヤーが思いつかないままに、「次週に続く!」という感じで止まっているのです。
「解決策を思いついたら、いつでもマスターやるぞ」とプレイヤーに告げてから十数年……。
いつになったら、時は動き出すのだろうか……。
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他にも色々とTRPG的にもジョジョ的にも面白いエピソードがあったのだけど、その辺はリンクで。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=53138857&owner_id=126140
……って、ここまで読んでくれた人がいたら、おつきあいくださったことを感謝します。