架空世界設計講座・受講レポート?
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※2003~2006年に雑誌『RPGemer』に掲載された記事です。
~杉並区、“水路地”巡りツアー~
今回は「背負い袋~」じゃありません
こんにちは。謎のメカ侍、伊豆平成です。
“新城カズマ特集”と聞いて「へえ、面白そうですねぇ」なんて他人事のように言ってたら、「伊豆さんは新城先生と親しかったですよね。ここはひとつ、何か書いてください」なんてことになってしまいました。
ど、どうしよう、前号みたいに特集内容に合わせて『またまた帰ってきた・背負い袋にこの一冊』ってことで、新城先生の作品を何冊か紹介しようかな――などとも思ったのですが、よくよく考えると、11号で『サマー/タイム/トラベラー』を紹介したとき、かなりネタを使ってしまっています。
まあ、作品がらみのネタというだけなら他にも色々とありますが……。
例えば、『狗狼伝承』が原作付きメイルゲーム(※1)になるとき「一緒に流派の技を考えよう」ってことでご自宅に招かれ、なぜか台所で壮大な時念ワールドの仏教宇宙的世界観を拝聴しつつも、私はひたすら「しょーもないアイデアの剣法」ばかり提案したこととか――。
氏が『イスベルの戦賦』を執筆されているとき(だったはず。それとも『ジェスターズギャラクシー』だったか?)、誘われるままに御殿場に行き、作品のあとがきによく登場する、かの有名な“T氏”に直々に拝謁する(それどころか手料理をごちそうになるわ、次々と本を勧められ読まさせられるわ)という希有な栄誉に浴したこととか――。
でもなあ。新城先生は本誌で『架空世界設計講座』を開講しているわけだし、やっぱり架空世界の作り方に関係してたほうがいいんじゃないのかなあ? と、思い直したわけです。
で、代わりに思いついたのが、〈新城氏と松本に行って、作品について語りながらの珍道中をして、それを記事にする〉というもの。
我々はよく松本で合宿してましたから、「あの作品のヒントはここで」とか「ここを歩いててこんなことを思いついた」とか、架空世界を作る話が色々と聞けそうではありませんか。おお、我ながらナイスアイデア。
ついでに松本の観光案内もできそうだし。
そこで、さっそく新城氏に打診したわけです。
(以下の会話は、何度かのメールや電話でのやりとりを雰囲気を損なわない形で要約したフィクションと思ってください)
【GW前】
私「どうですか? GWの騒ぎが終わったころに今年も松本へ行けそうですか?」
新城氏「それが事故ってしまってね。足を痛めてしまったのですよ」(※2)
私「うわっ、じゃ無理そうですね(ひええ、どうしよう~)」
新城氏「いや、医者が言うには、歩いてリハビリしたほうがいいらしいんだ」
私「(た、たすかった~)では、週末にサッと行ってきましょう。駅前のホテルはなんでも地震に弱くて泊まれなくなったそうですが……」
【そして、GW後】
私「松本行き、今週の土日でしたよね」
新城氏「すまん、熱出た。風邪ひいたみたい」
私「うわ~っ! うわ~っ!」
新城氏「あ~。遠出は無理だけど、杉並区内でよければ架空世界を感じるところを自転車で案内してあげられるよ。それでどうかね」
私「ぜひぜひっ。それでお願いしますっ!」
てなわけで、急遽予定を変更――。
路上観察学が大好きな新城氏を講師(というかガイド?)に迎えて、杉並区を巡る「架空世界設計講座・特別課外授業」を受けることに。んまあ、架空世界設計のフィールドワークとでもいったところでしょうか。
そしてそれは、なんとも奇妙で不思議な旅の始まりだったのです。
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