謡ふ酒屋樗堂一茶/烟しての巻
日常平語
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雜汁に下部の膳の秋の風
醍醐は今に蚊の多き月 一茶
名オ八句、月の座を引き上げて、なんだかブンブンうるさいね、と。
〇
醍醐は だいご・は、一茶全集に「京都東南郊」と。
今に いま・に、今に又、今でも
蚊の か・の、小奇麗ではないが、大阪からの文物が入り、人の交わりはわりに細やか。
多き おおき、なんだかねえ、いつまでも、温かいのかしら
月 つき、月もでてるよ。
〇
まぜじるに しもべの ぜんの あきの かぜ
だいごは いまに かのおおき つき
追い打つように、蚊をブンブン飛ばしているのですが、ここまでくれば侘しさを通り越し、「しょうがないさ」と、達観の趣を見せていたのです。
〇
俳諧に
宿の月奥へ入ほど古畳 嵐蘭
先工夫する蚊帳の釣やう 執筆
才ばりの傍輩中に憎まれて 岱水
焼焦したる小妻もみ消ス 芭蕉
「けふばかり」の歌仙『韻塞』(初オ、5.6句、初ウ1.2句)
近代の句に
叩かれて昼の蚊を吐く木魚かな 漱石
蚊柱や吹きおろされてまたああがる 鬼城
兇状旅で藪蚊は縞の股引よ 将五
など。
13.12.2023.Masafumi.
余外ながら
ビートたけし『たけしの落書き入門』新潮社(2004)
子供の頃なんか、絵に興味もなかった。大人になってからは『たけしくん、ハイ!』の装丁のために、ちっちゃな絵を描いたくらいかな。
ヨーブンは、「日本文化はほんとうに単一で同質なのか。わたしはその深層を構成する民俗文化をとおして、みずからの疑問を解いてみたいと考えてきた。その思いは今も変わらないのであるが、未知の問題は多くなるばかりで、解決への道はますます遠くなっていく。」坪井洋文『民俗再考 多元的世界への視点』日本エデイタースクール出版部版(1986)
2017 アウトレイジ 最終章 Outrage Coda Outrage: Coda