風早ハ兎文一茶両吟/門前やの巻
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男まさりに駈歩く哉
半分ハ仲人もかふる鍋の敷 兎文
名オ七句、良くも悪しくも仲取り持つ縁と心得て。
〇
半分ハ はんぶんは。
仲人もかふる なかうど、結婚の仲立ちをする人のこと。「仲人に全く責任がない」などと、云いたくとも云えないのですから。
鍋の敷 「割れ鍋に綴じ蓋」とはよく云ったもの、ときにはこぼれた汁も被ります、鍋敷きにね。
〇
おとこまさりに かけあるくかな
はんぶんは なかうども かぶる なべのしき
じゃじゃ馬馴らしもそれなりに、ながく連れ添っていれば、そりゃ穏やかな日ばかりじゃありません。ほうちゃおけませんよ、仲人だもの。
〇
俳諧に
七夕のなかうどなれや宵の月 貞徳
仲人口人にかたるな女郎花 西鶴
木瓜の春の君が仲人わがすなり 暁水
俳諧の連句に
仲人かかにかかる雨雲 素玄
さげ髪の末を心に念願し 定祐 (宗因七百韵)
川柳に
仲人の舌はぬかるる覚悟也
あいぼれの仲人実はまわし者
など。
14.10.2023.Masafumi.
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