鶴ニ乗リテ樗堂一茶両吟/初雪やの巻
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五里六里花の跡来る犬の声
ひがんの七日八日九日 一茶
名ウ六句、彼岸過ぎの句で挙句といたしました。
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ひがんの 彼岸の、春・秋のうち、春の彼岸の。
七日 なのか。
八日九日 やうか、こゝのか。
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ごり ろくり はなのあとくる いぬの こゑ
ひがんの なのか やうか こゝのか
「彼岸の七日八日九日」と付け、そのころに花の開花が告げられることを句にしていたのです。しかも樗堂の「五里六里」、一茶の「七日八日九日」と、まるで歌舞伎の台詞のように言い襲ねられた挙句だったのです。
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初雪やの巻 名ウ一句~六句
雜 朝寝する堺の町のうら通 茶
雑 ぬらくら同士の心やすさや ゝ
雑 松笠に燗焚風情旅に似て 堂
春 しばし星ある春の山小屋 茶
花 春 五里六里花の跡来る犬の声 堂
挙句 春 ひがんの七日八日九日 茶
丙辰初冬会
これにて、初雪やの巻、めでたく満尾いたしました。
評釈も、このあたりにて、お開きにします。ご覧いただきありがとうございました。いずれまたどこかでお会いしましょう。
26.10.2023.Masafumi.