鶴ニ乗リテ樗堂一茶両吟/初雪やの巻
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魚買寺の箕を提て出る
朝寝する堺の町のうら通 一茶
名ウ一句、名残り裏入りうら通、在阪中の素描をば。
〇
朝寝する あさね・する。
堺の町の さかひのまちの。摂津・河内・和泉、三国の境、会合衆により治められた町でした。
うら通 裏どほり。今の町割りは、焼き討ち以後の復興により実施されたものです。
〇
うをかひでらの みをさげてでる
あさねする/ さかひのまちのうらどほり
「箕を提て」に「裏通り」と付け、裡町長屋の暮らしぶりを素描していたのです。映像も「うら通」歌仙の運びも「裏入り」でした。
〇
芭蕉に
雨の日や世間の秋を堺町
が。(この堺町は日本橋の色街のこと、とは云え、泉州堺に重ねてもいたのです)
口切にさかひの庭の懐かしさ
これは、先に「藪越や」の歌仙で紹介しました。
26.10.2023.Masafumi.