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歌ヲ聞キ乍樗堂一茶両吟/降雪にの巻

En écoutant la chanson......
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 把ぐわらわら洗ふ昏がた
寄合てきのふの仲を直しける        樗堂

名オ九句、なかなかできない仲直り、今時は、ね。

     〇

寄合て よりおう・て、寄合(よりあひ)は、列島に暮らす人々の結集の基本的論理、あるいは倫理。

きのふの 昨日・の、「昨日の敵は今日の友」の昨日。

仲を なか・を、間柄を。

直しける なほし・ける、仲たがいしていた間柄を、仲のよい間柄に戻すこと。「ける」は過去の助動詞「けり」の連体形。

     〇

 まぐわ わらわら あらふ くれがた

よりおうて/ きのふのなかをなほしける

ひとつ水を分け合って暮らしてきた人々の<緊張>と<連帯>のありさまを、寛政の俳諧師は何云うでもなく実に淡々と描いて見せてくれていたのです。

     〇

しばしば繰り返されていた水争いも、江戸時代には、藩のお役人が仲裁に立ち、その経緯を「水論」に記録して、後日の証にしていました。

句に

流れ寄る水争はず春の川     虚白
一鍬で盗みし水の音高し    久美子
水喧嘩墨雲月を流しけり     蛇笏
一水を指さし指さし水論人    泊雲
水論が嫁ひきとれとなつたとか  素逝

など。

1.11.2023.Masafumi.

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