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風早ハ兎文一茶両吟/門前やの巻

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 猶川留の雨にしあれは
刎上る鯉の價の鰭付いて     兎文

名オ五句、上がるも上がる、こりゃ相場には勝てませんなぁ。

     〇

刎上る はねあがる。値や相場が急に上がること。

鯉の價 鯉の値段ほどの、、、、、

鰭付いて 頭つきならまだしも、尾・鰭あたりの肴が添えられて。

     〇 

 なお かわとめの
          あめにしあれは

はねあがるこひのあたひのひれついて

川留で相場が狂ったのでしょうか、まあ出てくる肴ときたら、ハネモノのようなものでしかなかったのですから。

     〇

 ほほう、えっなに、これがあれ、その鯉の洗いのつもりで食べてみろってか。

 そうかい

 それにしちゃあ、なんだかやけに筋っぽいし、ずぶんあっさりしすぎてるじゃないのかい。おい、亭主、大方、魚の尾・鰭のあたりを見繕って来やがったな。

 へい、雨ニモマケズ、、、 

     〇

川柳に

きつい時化島田金谷は人だらけ
川留は降ってわいたる御物入り

などが。

なお、句の上部に「地漿 本草云 掘ル墓地ヲ 作シテ坎ヲ深サ 三尺以テ新ニ 淡水ヲ沃キ入 攪濁カキニコシ 少頃取テ清ヲ 用之ヲ解ス 魚肉菓 菌毒、」と一茶の書き込みがありました。 

13.102023.Masafumi.

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