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仕切り直し樗堂一茶両吟/藪越やの巻

     廿九

 頭巾に秋の霜置し舟        樗堂
下鳥羽の祭拝みに婿がもと       ゝ

名オ十一句、ここで、短句樗長句同と詠み進め、膝送りの順を変えていました。

     〇

下鳥羽の 京の伏見

祭 季は秋

拝みに 「崇敬の念を示すところがこの句の肝」として置いて、、、、

婿がもと 豈計らんや「婿がもと」だってさ。

     〇

 ずきんに あきの
      しもおきし
            ふね

しもとばの まつりおがみに むこがもと

「舟を下りれば、下鳥羽あたり。ちょうど秋の祭りだ、あらばしり。婿のつとめもそこそこに、蔵も繁盛、無病息災。ああやれやれと胸なでおろす。」と、他人が云うならいざ知らず、これをしゃあしゃあと樗堂自身が句にしていたのですから、いやはや、歌仙という文藝は何とも面白いものですね。

一茶にそそのかされていたのかもしれないのですが、それにしても、松山の酒蔵、廉屋(かどや)の婿の専助が<実の名> 樗堂は<仮の名>だったのですから、、、、、、ね。

     〇

もうひとつ別の読みからすれば、

木槿  ⇒ 道のべの木槿は馬にくはれけり
舟   ⇒ 海くれて鴨の聲ほのかに白し
下鳥羽 ⇒ 我衣に伏見の桃のしづくせよ

芭蕉「野ざらし紀行」の秀句読みだとする見方もそれはそれで納得できることでしょう。

15.9.2023.Masafumi.

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