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樗堂一茶両吟/蓬生の巻 22
去男玉の盃底なくて
あたら花田の帯に泥 一茶
名オ四句、「ワァカイ娘がウッフン」と。
〇
あたら
惜しい。「あたら、思ひやり深うものし給ふ人の」(源氏物語「賢木」)。
花田の
縹。濃いものから薄いものまで、紺の色には殊に敏感だったのです。
帯に
帯は博多のものが好まれていました。
泥
まあ、泥が。(朱筆で「泥」に「ヒチリコ」追記)
〇
さるをとこ/たまのさかづきそこなくて
あたら
はなだのおびに
どろ
玉の男に、縹帯の若い娘を付けた。しかも、花田の帯に泥をつけて「ああ口惜し」と云っている場面でした。
〇
<花田帯に泥>は、各地の田植唄にも歌われていましたので、一茶は、その常套を避けて「泥」を「ヒチリコ」に代えようとしていたようですが、この評釈では初案に従いました。
元禄期であれば「おきゃん」、樗堂一茶の時代は「ばくれん」、そんな<じゃじゃ馬慣らし>の句に面白味を見出していたのですから。
「あんた、帯はいいけどさ。大丈夫なの ? 」
「うふふふふ」
親御さんの心配をよそにどうなることやら、、、、。
■画像は、縹ほか。