謡ふ酒屋樗堂一茶/烟しての巻
日常平語
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だぶりだぶりと汐のみち来る
高みより丸太を転す人だかり 樗堂
名ウ一句、これより名残り裏入りです。
〇
高みより たかみ・より、小高いところから
丸太を まるた・を、(見るからに大木です)
転す こかす
人だかり ひとだかり、大勢の見物衆もいて。
〇
だふりだぶり と しおのみちくる
たかみより まるたをこかす ひとだかり
寄せ来る波の高鳴りに呼応して、小高い丘の上からこかす丸太とくれば、神をも宿る諏訪の御柱でしょう。信濃と云わず、近郷に知られた七年に一度の大祭だったのです。
〇
近代の句に
これやこの御柱立つる祭びと 秋櫻子
雪解けの水を禊の御柱 法子
山風に木遣り起りて木落し坂 良一
などが。
18.12.2023.Masafufmi.
余外ながら
東京遊学中、坪井洋文に民俗学を学んでいたころ、八ヶ岳山麓の原村で行った民俗調査につれていってもらいました。そのとき、御柱の木遣りを聞かせて頂き、これが人の声なのかと吃驚したことがありました。
一茶のふるさと、信濃町でも諏訪神社をおまつりしていました。(信濃町には「ラボランドくろひめ」があります。ラボっこだった息子は、友人と共に、ここで行われていたキャンプや研修に通っていました。)