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樗堂一茶両吟/蓬生の巻 7
束ねし柴に木通三ツ四ツ
奥陸の新防守の秋されに 一茶
初折裏一句、さきもりの歌を綴る折り立の句。
〇
奥陸の
奥陸にミチノクのルビ。陸奧國(みちのくのくに)。その範囲は時代ごとに異なっていました。
新防守の
新防にニヰサキのルビ。にゐさきもり。万葉集に多くの防人の歌がありました。
秋されに
秋の深まりのなか、異国で戰う新兵の思ひや如何に。
〇
たはねししばに
あけびみつよつ
<ますらを>
みちのくのにゐさきもりの/あきされに
前句、付け句とも同人。表の句「柴に木通」に、裏の句「奥陸の新防守」の連理の信は、寂然の秀句の措辞「ますらを」にあったのだ。と、考えているのです。
〇
みちのくの新防人。
その赴任先は、大陸寄りの離島や九州が多く、近年、古代遺跡の発掘成果がみられるようになりました。そのひとつ、熊本県山鹿市の遺跡公園には防人のモニュメントがありました。
そして、古墳時代の埴輪の武人はよく知られていたのですが、火山灰に埋もれたまま亡くなっていた<鎧を着けた武人>が発見され、また、新たな涕を誘っていたのです。
樗堂一茶の歌仙行これより裏入りです。
■画像は、「群馬県渋川市の金井東裏遺跡」