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風早ハ兎文一茶/交流始末

     3-3
  家買ふて(表六句)

 治世を諷ふ市中の秋
初あらし籠のうろくつ閑きに      ソ郎

     〇

 ちせいを うたふ いちなかの あき

はつあらし かごのうろくづしづけきに

     〇

市中の秋に初嵐を付けた第三句、「第三 相伴の位とされ、主客挨拶から転調・変化をはかるところ。」と、後の世の「歌仙の手引」にありました。

初嵐 がいに荒れなきゃいいのだが
 籠のものは全く動く気配もないし、音をたてることもない、しづかに閑かにしているのです。
ただ、片鱗のみがなまめかしく息づいている許でした、、、、

「うろくづ」の語が効いてましたね。蘇郎さん、なかなかの者とお見受けしました。

     〇

俳諧の連句に

 夜づめ引たる町宿の穐        支考
とれたやら浜から通る肴籠       惟然 (おくれ馳)

 肩輿の渡しにぶらさがるなり     兎士
聟入に腰籠も猿も連て行        羅白 (みつのさま)

などが。

19.10.2023.Masafumi.

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