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AmazonMusic Unlimitedを使いこなす

音楽サブスクはいくつも入っていても結局全部をまんべんなく使うということはまずなくて、ひとつふたつの間を行ったり来たりくらいがいいところでしょう。1日は皆に平等に24時間しかなく、動画配信音楽も、電子書籍さえも、見放題聴き放題読み放題のこのご時世、可処分所得が少ない私たちほどサブスクに毎月課金してあれもこれもと欲張ってる。そういう私たちの可処分時間はこれまた限られているので何にどれだけ時間を使うのか問題と常に向き合うことになる。

去年の暮れにSpotifyが私の視聴傾向を勝手にまとめてくれた数字によると、私は平均的な人の何倍も音楽に費やす時間が長いらしい。だけど音楽聴いてるのはSpotifyだけじゃなくて他のソースも使ってるのよ?ハイレゾ音源を聴くのにApple Music、友達との共有がしやすいという点でSpotifyのふたつが中心であるものの、たまに買うものを探しにBandcampもブラウジングするし、もっとたまーにSoundcloudも開いてフォローしてるレーベルの近況確認もしている。既にそれで手一杯な感があるのでAmazon Music Unlimitedはお試し期間のみで解約したのが数年前。だけど以前使っていた時と今では手持ちのAmazonのEchoデバイスの種類や数、使い方も違うし音楽視聴環境も多分微妙に変化しているので今の私のライフスタイルに使い勝手はどうなのかを確認してみたくて再加入することにした。とはいえ先述の通り現状サブスクはApple MusicとSpotify Premiumを使っていて、ハイレゾ音源を聴くならApple Music(サブスクの方)とBandcampで購入した音源をハイレゾ音源(FLAC)でダウンロードして聴いていて、それで結構満足している。プレイリスト作りや新規開拓のためのアーティスト・ホッピングをするならSpotifyが見つけやすいし、SNSでの共有のしやすさやSpotify Connectでのネットワーク再生の充実度からするとSpotifyも捨て難い。だけどApple信者なはずの我が家にはAmazonとAlexaと愉快な仲間たちがどんどん増殖しつつあり、ヤツらを最大限働かせるにはAmazon Musicだろうとも思う。だから果たしてAmazon Musicはそれらを横に押しやるほどの魅力があるのか、実際に使って確認したくなったのですよ。

Amazon Music高音質再生の魅力

Spotifyは「来るぞ来るぞ」と言われたまま全然来ないSpotify Hi-Fiというハイレゾ再生計画が、あると言われつつまだ実装されていない。Spotifyの設定に出てくる最高音質というのは公称約320kbpsなのでCD未満。Apple Musicはロスレス再生、ハイレゾ・ロスレス、そしてDolby Atmos対応。Amazon Musicは、プライム会員が無料で聴けるAmazon Music Primeだとハイレゾ再生は非対応だけどAmazon Music Unlimitedに加入するとHD(CD音質相当)やUltra HD(24bit 192kHzまで)のハイレゾ再生が可能で、なおかつ空間オーディオ(Dolby AtmosやSONYの360 Reality Audio )という技術にも対応している。Apple MusicでDolby Atmos配信されているものはAmazon Music UnlimitedでもDolby Atmosで配信されているし、この大手3社の中では360 Reality Audio対応はAmazon Music Unlimitedのみ。そして、Amazon Music Unlimitedは再生デバイスによっては再生されている音源の音質を数値化して見せてくれるのでそれは大きな魅力でもある。

空間オーディオとハイレゾ音源については以前書いた「バナナはおやつにはいりますか?」を参照してください。

というか、ネットの接続環境で音質まで変化してしまうストリーミング配信サービスを聴いてる時に、今どれくらいの音質で聴けているのかって結構気になるところじゃないですか。古い曲も新しい曲も雑多にあり、メジャーレーベルから弱小インディーまで、制作費の幅もものすごく広い中、HDだろうがUHDだろうが聞こえてくる音の良し悪しの実感も結構な振り幅がある。そんな時に再生されてる楽曲音質を数値化して見せてくれるってかなり良心的だと思うんですよ。それによって、再生環境(ネット環境)のせいなのか、そもそもレコーディング技術の問題なのか切り分けられるようになるし。

自分の耳で音の良し悪しを判断して得られる満足感と、数値を視覚的に見て得られる満足感というのは全く別物なので、視覚的数値的に得られる満足感というのはリアル音質で得られる満足感で補えるものではない。とりあえず目で見て確認しながら「うーん、いい音」と悦に入りたいんだ私は。視覚的満足感を求めて、多分Unlimited再加入の最大にして唯一の目的はそれだったんだと思う。そのためだけにUnlimitedに再加入したのだ。

プレイリストの引っ越しも出来るよ!

再生できる楽曲に関しては概ね、Spotify、Apple Music、Amazon Music Unlimitedで大きな違いはない(Spotifyがいちばん配信楽曲が多いそうですが)。各社で限定楽曲配信などをしていたりもするけれども(何故かiTunes Storeで売っててApple Musicにも入っててSpotifyでも聴けるBECKの「ペイズリー・パーク・セッション」がAmazon Originalとして入ってる)、基本的にはApple MusicにあるものはAmazon MusicでもSpotifyでも聴けるという雑な前提があるので、Amazon Music Unlimitedで好きなアーティストのページをひとつずつコツコツ開いてフォローし、プレイリストを作るなんて途方もない労力を使うのではなく、iOSアプリのSongshiftというプレイリスト転送アプリを使って、iPhoneから、Apple MusicやSpotifyで作ったプレイリストをAmazon Musicに転送。そうすれば既に自作したプレイリストがAmazon Musicの中にも作られて、Apple MusicやSpotifyで音楽を聴くのと同じ感覚で聴ける。ちなみにこれはUnlimitedに入ってない、アマプラ会員用のAmazon Music Primeでも同じようにプレイリストがインポートされます。ただ、Unlimited対象曲は再生できない楽曲として半透明で表示されるので150曲で構成されたプレイリストのうち、再生できるのは7曲、みたいなことになりがちです。

Apple Musicではロスレス、ハイレゾ・ロスレスに加えてDolby Atmosで再生できるものもある。Apple Musicで使ってるアカウントではDolby Atmos音源だけを集めたプレイリストもいくつか作っているのでそれもそのまままるっと転送。Apple MusicでDolby Atmosで配信されているものは当たり前だけどAmazon Musicでも大概Dolby Atmosになっている。

Amazon Musicの場合はプライム会員なら無料で聴けるAmazon Music Primeから追加料金が発生するUnlimitedにすると聴ける楽曲数が飛躍的に増えるだけじゃなくHD、Ultra HDや360° Reality Audio、Dolby AtmosなどのCD以上の高音質で聴けるのが売りなわけで、ハイレゾ再生に対応したAmazonデバイス(EchoシリーズFire HDなど)を持っているならなおさら、それらのデバイスでハイレゾ音質で聴けるというのがUnlimitedのウリなわけです。空間オーディオはそれに対応したスピーカーやヘッドフォン、再生端末が必要で、Amazonデバイスはそのスペックの割に価格はとても安い。宗教上の理由でAppleしか買わないApple信者でさえも戒律を破って買ってしまうほどのお値打ち感がある。Alexaスピーカーは大概、空間オーディオの再生までサポートしている。

しかしUnlimitedに再加入して実際に検索してみると360° Reality Audioに対応してるのはSONYと契約してるごく一部のJ-POPのアーティストや洋楽はごく一部のベテラン勢のごく一部のカタログだったり、Dolby Atmosもチャートに上がるようなビッグネーム、またはレコード会社が推してる新人が中心で、それ以外はほとんどがHDというCD音質と同じレベル。Ultra HD(以下UHD)も本来は24bit 192kHzまでがAmazon Music UnlimitedのUHDの上限なんだけど実際に再生してみるとほとんどが24bit 96kHz未満で表記はUHD。まあ16bit 48kHz以上だから間違ってないんだけども。

手持ちの音源のインポート


Bandcampで購入した音源、mp3でもFLACでも、Amazon Musicアプリにインポートして再生できるんだけれども、手持ちの音源を再生するとビットレートは表示されない。SONYのMusic CenterアプリならCD相当以上のハイレゾ音源ならHDと表示されるし、ONKYOのHF Playerアプリならビットレートも表示される。Music CenterHF Playerはハイレゾ再生を想定したアプリなので当たり前なのだけど、Amazon Musicもハイレゾ再生がウリならそこは表示してくれたらと思う。

ハイレゾ音源の実勢数値

まあそれにしても、24bit 192kHzまで出るデバイスを持ってるのに、UHD対象楽曲ン万曲あるのに、自作のプレイリストから100曲くらい再生しても全然24bit 192kHzの楽曲が出てこないな。あっても24bit 96kHzまで、多くは24bit 44.1kHzから48kHz。デバイスの能力を最大限活用させてくれよ。今の所見つけたのが

Everything In Transit(10周年記念版)
Jack's Mannequin
UHD 24bit 192kHz

このアルバムは24bit 192kHzで再生される。私がプレイリストに入れる、好きな曲を100曲再生して見つけたアルバム1枚こっきりって、インディー・ロックは本当にハイレゾと無縁なんだな。インディー・ロックだってハイレゾで聴きたい人々はいるはずなのに。

とりあえず、以降の記事では再生時に数値が表示されるには?を書く予定。さらにハイレゾ再生になる端末とスピーカー、その組み合わせは?など、日々テーマを分けて記事を分けて書いていきます。

今日の1曲

フル試聴出来るようにSpotifyから貼ってますが、Amazon Music UnlimitedではUHDでDolby Atmosで聴けます。




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栗原泉/Izumi Kurihara
今日のパンが食べられます。