ネット時代のネーミング戦略(少しは気にして欲しい3選)
バンド名やアーティスト名を何にするか、そこには当然マーケティング・ストラテジーが昔からあった。Aから始まる名前だとレコード屋で棚差しされてても見つけやすいとか、短い名前がいいなど、各時代のトレンドもあった。インターネットが普及して、リスナーが検索をするところからスタートするようになるとバンド名だけで検索したら全然関係ないものがトップにくるなどの混乱が一時期はあり、「○○(Band)」で検索をしないと出てこないようなバンド名は良しとされない時代を迎え、ミュージシャンたちはバンド名を決める時になるべくネット検索でノイズが入らないバンド名を選ぶようになった、のが00年代以降。しかし、最近はSNS発信でミュージック・ビジネスの知識がないところから完全にひとりで始めるアーティストが増えてきたせいか、ネット検索でノイズが入ってたどり着けないリスナーのことを1ミリも考えてないような名前で活動するアーティストが目につくようになってきた。
戦略とか戦略的って書くとまるで計算高いとか打算的と邪推する人もいるかもしれないが「頼むから見つけやすいようにしてくれよリスナーにちゃんとリーチしたいなら」という、疲弊したリスナーのささやかな要望に沿うってだけの話なんですよ。
特にメジャーのレコード会社イチオシでプロモーションしてくるようなアーティストなら困らないんだけど(そもそもそういう場合は検索でノイズが入るような名前は使わない)、ビシビシプロモーションしないならせめて探しやすくしてくれよ、と思ったアーティスト3選です。
Ber
本名がBerit DybingでニックネームがBerだからBerで活動してるそうですが、せっかくBeritなんて珍しい名前なんだからフルネームか、せめてファーストネームのBeritにしてくれないか。Berなんて短い名前にされるとノイズだらけで本当に消息不明になる。
Cate
先月の新曲リリースの際、インスタでマルーン5のアダムからちょっかい出されてるDMを公開しちゃった肝の座ったシンガー・ソングライターCate。本名Caitlin CanningでCate。少なくともKateよりはノイズが少なくなるし、最近はインスタではCate Canning表記になっているのでもしかしたら今後はフルネームで活動するのかもしれないが、Cateで検索しても全世界のCateがズラッと並んで全く見当たらなくて困ったよと言いたいくらい世界中にCaitlinもCateもいる。
Brigitte
フランスの2人組ユニットなんだけど名前はBrigitte。活動歴は長く、この曲も2011年のアルバムからのもの。しかしフランス人のブリジットって掃いて捨てるほどいるし、検索したらどこまでもブリジット・バルドーしか出てこないスパイラルに陥るのを彼女たちはどう思ってるのか問い詰めたくなるくらい、音源を買おうにも見つからないまま早何年経つだろう。結局音源が手に入らないままSpotifyで今日も聴いている。
今日の1曲
Anaïsはデビュー当時から知っているので探すのに困らないが、Anaïsナントカってフルネームで活動してる女性シンガーもいるのでノイズが入るのよね。