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短編奇譚 『ストロボマニア』
友人の妹は一時期、カメラに取り付けるストロボの光にハマっていた。 ストロボは亡くなった父親の遺品らしい。
なんでもそれを目の前で光らせると、光の残像の中で「おじさん」が近づいてくるのが面白いとの事だ。
おじさんの件はさておき、失明の危険もあるので、友人は妹からストロボを取り上げて隠した。それでも妹は探し当ててストロボの光を楽しんでいたそうだ。
だがある日、ついに妹の目はストロボの光が焼きついたままになって入院した。
治療を受けながら妹は「ストロボのおじさんはお父さんかもしれないと思ってたけど、近くまで来たら全然知らない人だった」と語ったいう。
妹の視力は後に回復。友人はその後、例のストロボを捨てた。
〆