７．新しい生活

引っ越した週末から異動先での業務が始まった。
それまでは都会に住んでいて、通勤なんて電車で数分の距離を行き来していただけだったのが地元ではそうはいかない。ローカルバスを乗り継いで片道小一時間かけての通勤。通勤だけで疲れる。

レンとは、まだ日常的に会うことはなくとも、相変わらず毎日のやりとりは続いていた。物理的なお互いの生活環境が近くなったとはいえ、まだ実際のお互いの生活リズムまでは知らなくて仕事帰りに習慣的に会うことはなかった。

9月末、貴重な日曜休みに彼と予定が合ったので、彼と初めてのデートをすることになった。
この日から、私史上最高の恋愛が始まることなんて、当時の私はまだ知らなかった。
けど確実に、レンに恋をしていた。