１８．都合のいい女

季節は夏を感じ出していたのに、心はまだグレーだった。
なんとなく、何にも気がのらない。
休日、近所の公園になんとなく出かけた。

都会の公園とは違って、田舎の公園は昼間でも人が居ないのが基本。
午前中は地域の高齢者が集まってスポーツをしていたりする。
それも、お昼には終わる。

都会の「公園」の概念をぶっ壊すほどただただ広くて
天気が良い日の午後、誰も居ない静まりかえった公園に一人、座って携帯を見ていた。

元カレとのやりとりは全て削除した、もう連絡なんて来るわけがない

レンの連絡先はまだ残していた。

ふと、レンとやりとりしたくなって、連絡した。
昨日まで当たり前にやりとりしていたみたいに、「何してるのー？」
と、メールを送信した。

元カレに連絡するなんてこと、それまでの経験上したことない。
別れたオトコとは基本的にそれっきり。連絡先もそれまでのやりとりも全て削除する。けど、レンの連絡先は残っていた。

男に振られた後で元カレに連絡したりするのって、何て言うんだっけ、、、？
と、考えていたけど、そうせずには居られなかった。