１１．いつもふたりで

年明け以降も変わらず、私とレンはいつも一緒に居た。
正直、こんなにも安定した関係を異性と継続できたのは初めての経験。

それまでの彼とは何故続かなかったんだろう？
彼等とははっきりと明確に、「俺たち、付き合おう」みたいなやり取りがあったのに、なんだかいつも心は不安で。でも、レンとはそんな明確なやりとり一切ないのに、それまでとの決定的な違いとして、二人の関係がとっても安定していて。
だからもう、言葉なんてどっちでも良くって、ただただ、彼との関係に安心感すらあった。「結婚」さえ意識しなければ。

過去の彼とは多分、相手からしたら遊びの関係が目的だったのか？何なのか？？
本当の理由は私には分からないけど、とにかくそれまでの彼とは３ヶ月以上続いたことがなかった。

レンとは、初めて会った後も、キスした後も、体の関係になった後も、変わらず関係が続いていた。
レンと初めて知り合ったのはその年の4月、初めて会ったのが5月、キスをしたのが9月、体の関係になったのが10月。
知り合ってから実際に会うまでの時差はあるものの、知り合ってから半年も関係が続いていた。

ただ一つ気になったのは、結婚願望がなさそうな事。
でも当時の私は、とにかくレンのことが好きで好きでたまらなくて、結婚とかそうゆうのとりあえず、一旦どうでも良くって。
とにかくこの幸せの中に1日でも長く居たいと思っていた。

毎日、レンに会いたくて会いたくて、必死で仕事を早く終わらせてレンに会いに行く。この関係がずっと続くのなら、数年先の将来のことなんて、今はどうでも良い　と思っていた。
それぐらい、レンに夢中だった。

レンも、毎日私に会うことを心待ちにしてくれているように感じていた。

この年のクリスマスも年末年始も、特別なことは何もしなかったけど
とにかくレンとずっと一緒に過ごした。

クリスマスなんて、急いで仕事を終わらせて
雪がちらつくなか、走ってレンのお店行った。
誰も居ないレンのお店で、二人きりでクリスマスパーティーをした。

クリスマスでも普段のデートでも、どこに行くか？何をするか？なんて、何でも良かった。
レンと二人きりで居れたら何でも良かった。