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4.初対面
相変わらず、レンとのやりとりが続いていた。
この頃になるとある程度お互いの基本情報は収集済みのため、日常生活の連絡がメインになる。
「今日は仕事終わりで飲みに行ってきます」
「今日はちょっと残業の予定」
みたいな、会ったこともないような二人がするにはあまりにも日常的すぎるやりとりが続いていました。
夏休み、冬休みと、実家に帰るのがルーティーンだったけどこの年は、GWにも帰省しようと考えていた。
彼に会ってみたかったから。
ただ、「会いたいから帰る」と言うのはなんだか重いような気がして、「彼のバーに、私の友達と飲みに行く」ということにして、初対面を計画しました。
約束のGW、彼のバーで初対面した時のことは、あまり覚えていなくって。彼が作ってくれたカクテルを飲んで、楽しくお喋りして、その日は帰った感じ。ただ、彼に初めて会ってみて、思ってた以上にカッコよくて、ドキドキした。これが、正直な感想。
次の日の朝、彼から
「昨日はありがとう。とっても話しやすい女性だなと思ったよ」
みたいな内容のメールがきていて。
私は、
「男前でびっくりした!楽しかった〜また会おうね〜」
みたいな、本音なのか、冗談なのか、曖昧なニュアンスの返信をしておいた。思ったよりもカッコ良かったから、少しだけ気になっていて。
そのテレ隠しで言ったつもり。
でも、ちゃんとアピールはしておく。
この時、彼のメールの内容があまり前のめりでない気がして、もうやり取りは続かないんだろうなと思っていた。
連休後、私はまた、関西の日常に戻っていく。