20.元サヤ
レンと、また会うことになった
約1年前頃までは当たり前にそうしていたように
いつも会っていた時間に待ち合わせ。
二人で食事して、何でもない日常の出来事を話していたらあっという間に時間が過ぎた。
この頃は確か、10年勤めた会社を辞める決断をした頃
退職後に友達と計画している海外旅行の話しなんかもして楽しくお喋りをした。
その日は、食事して、その後公園で少しお喋りして別れた。
この時、元カレと居る自分と、レンと居る自分の決定的な違いに気づいた。
元カレにはいつもどこか遠慮していたけど、レンにはそうゆうのが一切なく
素の自分で居られることに気づいた。
居心地が良いと思った。
それ以降また、レンと会うようになった。
私から誘ったり、レンから誘ったり、お互い気まぐれに声を掛けるから
タイミングが合わないことも良くあったけど、何度か会った。
レンとのお喋りで、何故また連絡してきたのか?
について聞かれたことがあった。
その時、正直に事実を話してみたら、レンはそれ以上何も聞かなかった。
ある日、日曜の午後に会った帰り。
ランチの帰りの車で、自分の車に乗り換えて帰ろうとしていた時に
なんとなくまだ別れたくなくてお喋りしていたら、会話が途切れた隙に
キスされそうになって。
なんとなく、これ以上関係を進めてはいけないような気がして。
でも、拒否したと思われたくなくて彼に抱き着いた。
ここでキスをしてしまえば、もう二度と離れられなくなるような気がして。
でも今この瞬間は、彼と離れたくない気持ちが勝ってしまった。
けど結局、初めてキスした時みたいな、あのキスをまたした。