【　「最後まで頑張り抜く世代」と「頑張らなくていい世代」　】

日頃、３０代の人達と接触していると、その脳みその構造のあまりにも大きな違い（思考の違い）にジェネレーションギャップを感じる事がある。
自分のことを「まだまだ若いし」なんて思いながらも、ジェネレーションギャップを痛感させられた時は、「自分はもうヤングのグループ枠にはいないのか」と少し寂しい思いに駆り立てられてしまう。

中学生だった頃、３年間運動部に入っていた私は、厳しい先生と先輩達の元、その当時は必死に「続ける」ことだけを考え生きていた。
毎朝早起きするのが辛かった朝練、「先輩の言うことは１００％」をベースに作りあげられた上下関係、またそれ対するストレス、厳しすぎる練習メニュー、体罰はもちろんなかったが冷ややかに指導する先生、そして、いつあってもおかしくない爆発を恐怖感と共に乗り越えた毎日。
要はこの時代は、苦しくても厳しくても「頑張り続ける」ことしか定義になくて、それを一緒に続けた友達やその周りの子達みんなにその定義が身に染み付いていた。
それが私たち「最後まで頑張り抜く世代が生きた姿」みたいな感じだったのだ。

そうは言うものの私の場合、全てに対し「最後まで頑張り抜いてきたのか」と聞かれると「そうではない」というのが答えになる。
４０年以上生きてきて、実際には達成出来なかったことや頑張れなかった時も結構あったから。でもそんな時は、とりあえず極限まで頑張って悩んで、そして、「ごめんなさい、できませんでした」と、何か残尿感的な（いや、ちがう）、自分なりに罪悪感を持ちながら、後味悪く過ぎ去らないといけないのだった。
この考えは、昭和初期生まれの父親からの教えでもあるゆえ、どの世代にも
伝授されるものかと思っていた。

でも、実は最近、「無駄な頑張りはいらない」らしい事を知った。

旦那とのある会話から、「最後まで頑張らないといけない」「頑張らなくて良い」という二手の意見に分かれたことで討論になった。もちろん前者は私で、後者が旦那だったのだが、「頑張らなくて良い」の理由が、「いやいや頑張り続けて鬱になったらどうするんだ」ということだった。
「鬱になるくらいなら自分が楽に生きれる道を選択した方が良い」と。
確かにそれは一理ある、と一瞬納得はしたもののやはり「頑張り続けて汗かいて登り切った山頂からの絶景を見るべき」と自分の意見を主張し、どうしても彼に共感することができなかった。
彼は、まだ３０代、でももう後半。
彼は彼で、「お前の考えは古いスタイルで、昔はそれで良かったのかもしれないけど、今はもう流行らない。最近のフィロソフィーでは、「苦」を味わうよりもっと「自分がどうなると幸せになるか」にフォーカスして行動をとるのが新しいスタイルだ」と言われたほど。
古い考えと言われて頭にもきたのだが、結局、「彼とは文化の違い」という縛りにしたことで、その時は自分を納得させた。

しかし、最近になってあるYouTuberの方（アラフォー３０代）が「無理して頑張る必要はない」「いやだったら上手く逃げればいいんです」と言ってのけていたのを聞いた。
（ちなみに、この方は現在GAFAで働いているらしい）
はじめは耳を疑ったが、そういえば、現在３０代後半の大資産家の男性も「頑張れなかったらやめればいい」みたいな事を言っていたし、私の起業家の友達も同じ事を言っていた。

私達が「極限まで頑張って山頂で最高の景色をみよう」と身に染み込まされたあれは、一体どこへ行ってしまったのかと思った。

世代が変われば行動や考え方も変わる。
途中で投げやりになって、続けれなかった事を沢山経験すると、
忍耐力のない人間になってしまうのではないか、続けれない事に何も不安も感じず生きていく人間になるのではないか、とか考えてしまうが、どうも彼らのニュアンス的には、深く考えなくてもよいらしい。

大切なのは「頑張れなかったらやめればいい」よりも「次を見つけて行動を移すスピード」なのではないかと思う。どうやら、ここがキーポイントだと思うのである。

「最後まで頑張り抜かないとダメですよ」と教えられた世代に生まれたが、色んな事を乗り越えようとすると本当に苦しい時がある。その苦しみが「あってもいいけど別になくてもいい頑張り」があるとして「無理して頑張らなくてもいいのかも」と思えてきた。
そういう事よりも、無理な頑張りを回避して、スマートに生きれる方がよいと思う。