【ブログ】シカゴ・ブルズの「No.1」
デリック・ローズ。
つい先日引退を発表した選手の名前であり、私がNBAで最も好きな選手の名前でもある。
最近NBAを見始めた方からしたら、デリック・ローズなんて聞いたことがないかもしれない。
それくらい最近は出場機会も目立った活躍もしていなかった選手だ。
しかし、彼がNBAの歴史に欠かせない選手の一人であることは間違いない。
なぜならば、史上最年少22歳6カ月でシーズンMVPを受賞したからだ。
これがどれほどすごいことかは容易に想像できないが、今でいうと2022年ドラフト組の選手の誰かが今年MVPを受賞するようなものだ。
単純にドラフト1位ならバンケロがMVPを受賞する…という感じ。
ありえなくはないが、可能性は低いだろう。
全盛期には身体能力に身を任せたアクロバティックなプレーと高確率なミドルレンジでブルズを率い、マイケルジョーダン引退以来低迷していたチームをイースト1位にまで押し上げた。
私がNBAを見始めたのが2012年のころ。
ちょうどローズが『左膝前十字靭帯断裂』の大怪我を負ったころだった。
それから1年後、中学生になり、バスケ部に入って2足目に買ってもらった『D Rose 4』がきっかけでデリック・ローズという選手に出会った。
YouTubeで全盛期のローズのハイライトを何度も何度も見て、ダブルクラッチなんかを真似てみたりして「俺もあんな選手になりたい」と思った。
完全に彼の圧倒的な速さと強さ、そしてかっこよさに惹かれていた。
さらに印象的だったのは『Too Big Too Strong Too Fast Too Good』というローズのシグネチャー実況。「存在が大きすぎる。強すぎる。速すぎる。良すぎる」というのはまさに彼を表していた。
そのあと何度も何度も怪我を繰り返し、ついにはブルズから見放され、ニックス、キャブスとチームを転々。
そこらではそこそこのNBAレベルの活躍をして過ごしていたが、ついにキャブスから放出された後、ローズに声をかけるチームは現れなくなった。
あの虚無期間は今でも忘れられない。
もうデリック・ローズはNBA選手としてコートに戻れない。
ついに引退か…。なんてファンながら思ってしまっていた。
そんな中、かつてローズがMVP時代にブルズで指揮を執っていた名監督にしてバスケ大好きすぎ監督『トム・シボドー』に引き取られ、ウルブスにてNBAに復帰。
あの時はかつてのチームメイトであるバトラー、タージなどがいた。
シーズン終盤のプレイオフがかかった大事な試合にも出場したし、プレイオフ1回戦のロケッツ戦でのローズの活躍は今でも鮮明に覚えている。
特に特徴的だったのはウルブスのファンに迎えられていたことだったね。
ローズがシュートを決めるたびに大きな歓声が上がったときは本当にファンとしてもうれしかった。
次のシーズンにはウルブスと契約を勝ち取り、そしてそのシーズンでローズは全盛期にも成しえなかったキャリアハイの『50得点』を記録するのだ。
本当に本当に今でも忘れられない。
ちょうど高校の授業中だったよ。
さすがに映像では見れなかったけど、スコアボードを見ながらまずはキャリアハイの44点を記録したときには鳥肌が…、そして数字はどんどん増えていき、試合終了間際のフリースローを2本決めて50得点である。
もう涙が止まらなかったのを覚えてるし、授業中じゃなければ思いっきり叫んでいたし...、授業が終わった瞬間に叫んだのも覚えている。
あの瞬間は本当に忘れられない。
家に帰ってから何度もハイライトを見て、何度も泣いて、何度も喜んだね。
ローズが再び成功した要因としてはスリーポイントだ。
実はそのシーズンが始まる前に、スリーポイントの猛特訓をしたとかSNSで情報が流れていた。
その成果が出ていたのだ。
何度も怪我をしたからこそスリーポイントという新たな武器を手に、進化し続ける姿を見て改めてかっこいいと思ったのも覚えている。
その次のシーズンからは『必要な選手』としてピストンズや再びニックスに移籍をしてプレーしていた。
その時のローズは自身にリミッターをかけた状態でプレーしているように見えた。もちろん舐めてバスケをしていたというわけではなくて、怪我のリスクを考慮してということだろう。
だが、たまにそのリミッターを外して見せる全盛期の面影というのが印象的だった。ときにあり得ないスピードを見せたり、ときにあり得ないジャンプ力でショットブロックしたり…そういうのよかったね。
最後に訪れたグリズリーズでは、もともとメンフィスの大学に通っていたこともあり、大歓迎されていた。
シーズン中のプレーは少なかったが、ローズが楽しそうにバスケをしていたのは本当にファンとしてもうれしかった。
そして今である。
今シーズンは似たプレースタイルの『ジャ・モラント』の師匠として、また必要な選手としてグリズリーズでプレーする姿が見えると思った矢先、引退が表明された。
正直、本当に残念だし、今でもまだ実感がわかないが、ローズが決めたことならば仕方がないことだし、彼の意見を尊重して素直に認めるべきだろう。
そして「15年間たくさんの感動と勇気をありがとう。さようならデリックローズ。そしてお疲れ様。」という言葉を送りたい。
まだまだ語りたいことはたくさんあるし、もっともっと書きたいけれど時間がないのでまた今度…。
こんな感じで普段思ったことなどを気軽に書いています。
良ければもう一つ記事を見てってください。
では、また!