【innovation】異能とギフテッドの才能を理解し、イノベーションを加速させよう

イノベーションを生み出すのは、IQが高い人だけではありません。
あなたの周りに、学校の成績は普通でも、誰も思いつかない発想をする人はいませんか? または、ルールに縛られず自由な発想で行動し、型破りな成果を上げる人を見たことはありませんか?

こうした才能を持つ人々は、大きく 「ギフテッド」 と 「異能」 に分けられます。

ギフテッドとは?

生まれつき高い知的能力を持ち、論理的思考や創造力に優れる人々。特にIQ130以上の知的ギフテッドが知られていますが、芸術やリーダーシップなど、さまざまな分野で卓越した才能を発揮することもあります。

異能とは?

既存の枠組みを超え、新しい価値を創造する人々。必ずしもIQが高いわけではありませんが、独自の視点と強い実践力を持ち、社会に変革をもたらします。起業家、アーティスト、発明家などに多く見られる特性です。

この二つの違いを理解し、適切な環境で才能を伸ばすことが、未来の社会を変えるカギになります。

本記事では、ギフテッドと異能の違いを深掘りし、それぞれの才能をどう活かせるのかを探っていきます。


1. ギフテッド(Gifted)とは


ギフテッドとは、「知的能力や才能が平均を大きく上回る人」を指します。特に、IQ130以上の知的ギフテッドが一般的に知られていますが、創造性や芸術的才能、リーダーシップなどの分野でもギフテッドとされることがあります。

特徴
• 高い知的能力(例: 速く深い思考、抽象的思考が得意)
• 強い好奇心と探究心
• 感受性が強く、周囲と価値観が合わないことがある
• ルールや型にはまらない発想ができる

主な対象
• 教育や心理学の分野で「特別な支援が必要な子ども」として扱われることが多い
• 知能検査や専門家の評価でギフテッドと認定される

2. 異能(イノウ)とは


異能とは、「常識とは異なる発想やアプローチで成果を出す人」を指します。必ずしもIQが高いわけではなく、社会的な枠組みを超えた独自の思考と実践力を持つ人が当てはまります。

特徴
• 既存の枠組みにとらわれず、新しい価値を創造する
• 一般的な社会のルールや慣習に適応しづらいことがある
• 圧倒的な集中力や没頭(フロー体験)が多い
• 実践的であり、アイデアを形にする能力がある

主な対象
• 起業家、発明家、クリエイター、アーティスト、アスリートなど
• 型破りな成功を収めた人々

3. ギフテッドと異能の違いと共通点

知能の高さ
• ギフテッドはIQが高く、知的能力に優れることが多い。
• 異能はIQの高さよりも創造性や実践力が重要。

社会との関係
• ギフテッドは周囲とズレを感じることがあるが、知的適応力が高い。
• 異能は社会の枠組みを超えて行動し、時に反発を受けることがある。

創造性と革新性
• ギフテッドは分析的・理論的な能力に優れるが、創造的な分野の才能もある。
• 異能は型破りな発想や実践を重視し、新しい価値を創り出す。

教育・支援の有無
• ギフテッドは早期発見され、特別な支援が提供されることがある。
• 異能は一般的に支援されず、独自に成功するケースが多い。

フロー体験の傾向
• ギフテッドは必ずしもフローを意識しているわけではない。
• 異能はフロー状態に入りやすく、極端な没頭を見せることが多い。

まとめ
• ギフテッドの中には異能の人もいるが、すべてではない。
• 異能は知能の高さに関係なく発揮されるため、ギフテッドでなくても異能になりうる。
• ギフテッドは「先天的な才能」、異能は「型破りな発想と実践力」に焦点を当てた概念である。

4. 異能・ギフテッドの活かし方:「周囲の理解とサポート」が鍵


(1) 企業での活かし方

• 適材適所の考え方を採用し、個々の才能を最大限に活かす。
• 新しいアイデアを試す場として「サンドボックス制度」を導入。
• 短期KPIだけでなく、長期的な貢献も評価する仕組みをつくる。

(2) 学校での活かし方

• 探究型学習やプロジェクト型学習(PBL)を導入し、個別最適な学びを提供。
• ギフテッド教育の専門家が指導できる体制を整える。
• 異能・ギフテッドに特化したメンタリングや個別支援を行う。

(3) 家庭での活かし方

• 親子間での理解を深め、子どもの特性を受け入れる。
• 子どもの独自性や興味を尊重し、自由に表現できる環境を提供。
• 「型にはまらない考え」を伸ばせるような教育方針をとる。

5. VERIARTプログラムの意義


VERIART(VERI = 本物 + ART = アート)は、本物の体験を通じて創造力を鍛えるプログラムです。
• 異能やギフテッドの才能が発揮される環境を提供。
• アート思考の自分起点で「観察・思考・表現」のプロセスを重視し、創造的な問題解決力を育む。
• 学校や家庭では得られない「自由な創造の場」を提供する。
• 美意識と創造力をアート思考で鍛え、未来のイノベーターを育成する。
• 異能でなくても、幼少期に「好き」を見つけて内発的動機づけを繰り返すことで、没頭体験ができる。この繰り返しが重要であり、VERIARTはそれを支援するプログラムである。

事例
VERIARTプログラムでは、アート思考を自然の中で実施しました。
• 竹のいろんな音に興味を持ち、楽器を創造した子。
• ハーブの香りに興味を持ち、独自の創作をした子。
• 竹の形を見て大好きなケーキを創造した子。

家庭でも学校でも企業でも
社会全体が多様性を受け入れられることを願っています。



参考文献
• Sternberg, R. J. (2003). Giftedness, Creativity, and Talent. Routledge.
• Gagné, F. (2005). From Gifts to Talents: The DMGT as a Developmental Model. Roeper Review, 27(3), 153-158.
• Csikszentmihalyi, M. (1990). Flow: The Psychology of Optimal Experience. Harper & Row.
• Robinson, K. (2011). Out of Our Minds: Learning to Be Creative. Capstone.
• Webb, J. T., Gore, J. L., Amend, E. R., & DeVries, A. R. (2007). A Parent’s Guide to Gifted Children. Great Potential Press.
• 日本経済新聞社 (2020). イノベーションのジレンマ. 日経BP.
• 山口真由 (2021). 天才とは努力を続けられる人のことである. 講談社.
• 岡田尊司 (2015). 才能の正体. 幻冬舎.
• 加藤俊徳 (2018). 脳の才能の見つけ方. 扶桑社.
• Eriksson, K. (2014). Giftedness and High Ability: Definitions, Theories, and Models. Cambridge University Press.

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