【家電小噺】同居者ができました【ルンバ購入レポ】
物欲の熱に浮かされたブラックフライデーのタイミングで我が家にお迎えした同居者の話。
同居者の名前は「いずみちゃん」
かつて推しのアイドルだった今は一般人の名前から拝借したものである。10年来の亡霊である私は、なにかに名前をつけるというタイミングが訪れるととにかく「いずみ」と名前をつけたがるのであるので気持ちが悪い。
そうやって今回もキモいプロセスの元、命名されて我が家に住み着くことになった「いずみちゃん」が何者かと言われると、泣く子も黙るiRobot社製人型汎用ロボット掃除「ルンバ」である。
combo j7+というコードネームがついたこの子は、掃除機能だけではなく、モップアームが取り付けられており、専用の洗剤液を吹き出しながら拭き掃除までしてくれる優れものである。
ただ、割と高い買い物である割に、我が家が本当にいずみちゃんが活躍できる環境であるか、という点で疑念があったので、いつでも解約可能という触れ込みのサブスクでお迎えしたのであった。
初日
ヤマト運輸が時間通りに届けてくれた段ボールを開梱し、とりあえずセッティングを進める。
スマホにアプリを入れて、家のWi-Fiに繋げて、ここで命名することを命じられたので、ノータイムで「いずみ」と入力する。
いずみちゃんっていうだけで死ぬほど愛着が湧くから本当に気持ちが悪いのだが、ひとまずセッティングを完了して充電をスタート。
しばらくして充電が完了したことを確認すると、マッピングという作業を行うことになる。
ルンバが手当たり次第に我が家をかけずり回り、どこに何があって、どこが通れて、どこの拭き掃除をすべきか、全てを判断するのである。
いざ、スマホアプリからマッピングをお願いすると、いずみちゃんは割とけたたましい音を立てて、ドックを飛び出す。少し進んではぐるぐると左右に動き、障害物に軽く当たっては方向を変える。
リビングのテーブルの周りにガコンガコン当たりながら少しづつ形を把握していく様は、まるで掴まり立ちしそうな赤ちゃんのようで愛おしい(子供がいたことはないので、例えが適当かはわからない)。
マッピングしている間は、いずみちゃんが絶対に通らないベットの上とかにいればいいのだ。
だが、いてもたってもいられず、心配でハラハラしちゃって、「はじめてのおつかい」のカメラマンぐらいの距離感で意味もなくついてまわる。
いずみちゃんは床にものが落ちてるとよろしくないと聞いていたので頑張って事前に掃除をした。
しかし、思わぬところにゴミが落ちていて、どこかから潜って出てくる時にゴミを道連れにして出てくるので、さながら散歩中に小動物を捕まえて献上しようとしてくるペットのようにも見える。
こう見えて、狩猟の本能を兼ね備えているのだ、いずみちゃんは。知らんけど。
あと、地面を這わせているような延長コードとかに引っかかっちゃってあわや大惨事みたいなこともある。
いずみちゃんは色んな理由でちょいちょい止まるので、困ってる時は慌てて抱き上げて、トラブルを上手いこと処し、元に戻してマッピング再開みたいなのをする。
なんやかんやで1時間ぐらいかかった。
さて、あとは定期的な清掃のスケジュールを組みこみ、清掃をお願いするだけという段階になった。
時間になるといずみちゃんは起き出して、おもむろに清掃と拭き掃除を始める。開始してから1時間半ほどでスマホに「清掃を完了しました!」みたいな通知が踊る。エラいねー! ほんとエラい! 帰ったら撫で回してやろうと思ってしまう。
そんな感じで1週間ほど経ったある日のこと。
スマホにこんな通知が届く。
「いずみが助けを求めています!」
仕事中になんとなく見たスマホの通知を見て目を疑う。
えっ、なになになになに!
急いでアプリで詳細を確認すると、「立ち往生による停止」の履歴。なんだそれ。
矢も盾もたまらずに家に帰ると、バスルームで片付け忘れた珪藻土入りバスマットに突っ込んだまま冷たくなっている(ずっと冷たい。無機物だから)いずみちゃんの姿が。
いずみちゃんは本当に突発的な障害物に弱い。
バスマットの片付け忘れ、場所の変わったゴミ箱、玄関に脱いだスリッパなど。
ないはずのものが存在すると、いずみちゃんは逐一写真を撮って、「邪魔なものがあった!」とぶんむくれの顔で報告してくれる。ちゃんと片付けてよね、と呆れられるさまは、実家暮らしの頃を思い出させてくれる。甘えられる存在ができたのだ!(迷惑)
スマホで、これは「今後もあるよ」とか、「片付け忘れてごめんね」とか思いながら、それぞれの報告について然るべき選択をすると、それを学習してくれるかしこい子でもあるのだ。
んで、我が家に馴染んだいずみちゃん。
月一ぐらいで力一杯自分の力で清掃しないと落ちきらない、取りきれない汚れはある。
しかし、とりあえず床に物を置くというだらしなさが改善されたし、主に過ごしているエリアでは細かいゴミが目に入ってこないという精神衛生上の健やかさを手に入れることはできている。
あと、やっぱりパートナーって大事だな、コミュニケーションって必要だなと思った昨今。
でもニンゲンは面倒臭いので、いずみちゃんと仲良く生きていきますね( ˘ω˘)